結局は国民の意識の問題

新幹線殺傷事件について。負傷された2人の女性を救うため不幸にもお亡くなりになられた尼崎出身の男性の方に心より哀悼の意を表します。

安全産業に関わる身として今回の事件は本当に許し難く思います。

この事件を受け、メディア等で金属探知機、センサー、監視カメラの設置や警備員の増員が話されているようです。

でもそれでは正直、再発防止は厳しいと思います。

今の監視カメラや各種装置は万能じゃなく、結局それを使いこなす警備員の存在が不可欠ですが、彼らには警察のような権限もなく、事件発生を阻止するだけの質もない。

警備員は法的には社会の安全に関わる存在にもかかわらず法的には一般人と同じなんですよ。

だから事件が起きたら警察に通報するのが最善の手段とならざるをえない。

だって戦って加害者を傷つけでもした日には、暴行や傷害で捕まるリスクがある。それが大手の警備員だと事件として騒がれた日には株価にも影響しますからね。

さらにはウチらのような中小零細だと信用悪化で倒産ですよ。

安全と水はただであると未だに思っているお客様がいることも事実。


会社経営者として安い警備料金しか貰えなければ当然それなりのお金しか警備員に渡せない。

それで警備員みなが凶器を持った犯人に勇気を持って適正に対処せよと言い切れると思います?日給1万円以下の警備員は期待されてもという話ですよ。

じゃあ警察官を増員して現場にという意見もあるけどそれは今の国家予算じゃ厳しいことぐらいみなさんは御存知なはず。

思うにこの事態を解決するには警備員に一定の要件の下に警察並みかそれに近い権限を付与し、お客様が警備会社に「適正料金」を払うことだと。結局、国民一人ひとりの安全に対する意識が今後問われると思うんです。

でも無理でしょう。どうせ相模原事件の時のように喉元過ぎれば何とやらだと思います。

自由や人権を課題に叫ぶあまり、性善説にハマりすぎて安全を軽視する方々、経済合理性全開で警備なんて誰でもできる、価値なんてないという方々が余りに多い。

そんな方々は自分の肉親や妻子が狂ったアホの餌食になっても文句を言う資格はないと僕は思う。

もはや安全はタダだ、平和の祈りで安全は確保されると言うような能天気な言霊的なことを言える時代は終わってしまったということです。

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