僕が異業種交流団体加入に慎重な2つの理由

今、どこの異業種交流団体か経済団体に正式に加入するか検討している。でも正直戸惑っている。

その理由は①経営者としてのエッジが失われる恐れがあること、②本当の人脈ができるかかなり疑問であること、にある。以下①,②について詳しく述べる。

①について

僕は元来1人で音楽を聴いたり、本を読んだり、街を探索したり、空想・思索にふけるのが好きなソリタリーな人間。そういう意味では旧来の経営者に向いていない人間なのかもしれない。だから僕の友人や知り合いの多くは自分が経営者になることにビックリしている。

でもどうも今はそういうライフスタイルも1つの経営者像だという意見を耳にするようになった。

確かにこれからの答えが1つじゃなく無数にある多様性の時代、経営者に必要なのは間を取る中庸さよりも深い思考に基づいた鋭さ、意外性のある視点だと思う。

そう考えると特に地方の団体に深く関わるのはあまりよろしくない。一般に日本人は他の国民と比べて和を乱す人間や空気を読めない人間を嫌う保守的なところがある。それが地方になるとなおさらそうだ。

そしていろんな形で参加させてもらった自分の経験からしてもそれは異業種交流団体といえども例外ではないと思う。

多様な意見や発想が交わされて見聞を広めるための異業種交流会のはずが団体ごとに色があって内部でそれと反することを言ったり、行ったりしようものなら討論の域を超えて一方的な人格攻撃になってしまったりする。

そのような標準化の圧力ある環境だと「まとも」にはなるだろう。定型的な業務を行う従業員や一部の管理職の人にとってはかなり有益だと思う。しかし経営者の多くにとってそれは有害以外の何者でもない。

ただ、その中にあっても例えば、地方部会の経営理念発表会等の勉強会をあまり団体内部に深く関わっていない経営コンサルタントが取り仕切る等してそれぞれの経営者や会社の個性や性質を尊重し合いながら空気や感情でなく客観性のある論理で討論し合える環境があるならばむしろ多くの経営者にとっても有益な機会になるに違いない。

そういう意味では中小企業大学校東京校の経営後継者コースのゼミはよかった。ゼミ長のコンサルの色はあったものの、基本的に業界や規模や社風に応じた提案をしていただけたので。入るとしたらそういう色の団体だろうなあと思う。

②について

昔なんかの記事で幻冬舎の見城社長が「天気がいいですね」とか言いながら名刺交換する程度の異業種交流会じゃ本当の人脈は築けない、というか人脈という言葉自体が嫌いだという旨のコメントをされていた。

確かにいままで自分も異業種交流会に参加して人脈を築けた経験がない。講演者の話を聞いた後でグループディスカッションが開かれ、たまに面白い意見がでるものの大体においてみんな当たり障りのないことをいって終わる。確かにそれでは人脈などできないんだろうなあと思う。

それは異業種交流団体でもいえることじゃないかと思う。

確かに総会なり支部会で何回か顔を合わせれば軽い会話や冗談を言い合える仲にはなると思う。でもいろんな意見を総合するとそれが仕事にまで発展することはほとんどないらしい(まあ税理士・社労士の先生方や飲食店経営者なら意味はあるかもしれない)。だからこそ気楽に行けるんだ、気分転換ぐらいの軽い気持ちで利害関係のない知り合いや友人に会いに行くんだと言う友人もいた。

だったら別にいいかなと思う。その時間があったら1人で本を読んだり音楽を聴きたい。経営者や後継者固有の悩みを話し合ったり、相談し合えたりしたけでば中期大東京校時代の友人や先輩方とすればいいし。

逆に人生の深い話をし合えたり、困った時助け合えるような見城社長のいうところの義理・人情・恩返しで繋がれるような本当の「人脈」が築きたいと思える人がいそうなところならいっってもいいかなと思う(少なくとも人が人生を頑張ろうとしている時にその人間の人格否定をするような団体はごめんということである)。


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