リスクをビジネスの糧に

1

ハインリッヒの法則というものがある。

これは1つの重症事故の背景には、29個の軽傷事故と事故に至らないニアミス、つまりヒアリハットが300個あるというもの。

自社は警備会社。警備会社はお客様に安全・安心を提供するのが任務。

そのためには重症事故はもちろん、そこまで至らない軽傷事故についても防止することが必要。

とすると事故に至らないヒアリハットを強みにしていくことが民間警備におけるKFSになる。

当然、そのヒアリハットに関しては取引先との間で取り決めた業務で起きるものはもちろん、その業務に関連しそうな同業他社や他業種の業務におけるものも含まれる。

2(1

ではどうやって強みに変えていくか。

具体的にはヒアリハットに関するケーススタディ〜その後の実務上の処理事案を通して、自社独自のリスク管理に対する体系的知識を網羅したオリジナルテキストを作り、それを活用したビジネス展開をする。

大まかな流れは以下の通り。

まず、ケース・スタディの形で教育材料にすべきと考える。

これは隊員のみなさんに自分ごととして業務教育を考えてもらい、その考えをアウトプットしてもらうためである。

それを教育報告書という形で提出させることだけで今以上に隊員の警備知識の定着に資することになる。

その後、その教育の成果を実際の現場で発揮してもらい、隊長に対する書類かメール報告などで何らかの形にする。

その蓄積の結果、得られたノウハウをもとに隊長は担当する現場や業務内容ごとにリスク管理に対する知識を体系化したテキストのたたき台を作る。

それをミーティング等の機会に隊員に見てもらい、みんなで練り上げてテキストを作成する。

最終的にそれを隊長会議でプレゼン形式で骨子と簡単な内容を発表し、社長である自分の決済を経てテキストを会社公認と言う形にする。

もちろん、新たなケースや事情の変更により、業務が変更した場合はテキストを改定する。

そうすることで、更なる隊員の質の向上が図れる機会が得られるだけでなく、マニュアルの改善資料にもなり、質の安定にも資する。

また、そのテキストを営業や広告の手段として利用できる。

(2)

それは現在のところ、自社でも一部の部門で上記流れの一部が漠然と行われている。

しかし、システマティックに全部門で実践されていないし、まして体系的な知識やテキストにまでは至っていない。

でもこのレベルのことなら、別に業者やコンサルに頼まなくても、隊長会議や部門別ミーティングや各期の業務別教育をフル活用すれば出来そうである。

そのためにはヒアリハットに関する十分なケーススタディによる学習の蓄積がまず必要不可欠。

そういう位置付けで教育を捉えれば、法律上のやらされ感のある教育から売り上げに結びつく主体的な教育に変えることができるのではないかと思う今日この頃である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?