“海の上のピアニスト”が教えてくれたこと


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「ピアノは違う。鍵盤は端から始まり端で終わる。鍵盤の数は88と決まっている。無限ではない。弾く人間が無限なのだ。人間の奏でる音楽が無限。そこがいい。無限の鍵盤で人間が弾ける音楽はない。ピアノが違う。神のピアノだ。」

自分が最も好きな映画の1つである「海の上のピアニスト」の主人公TDレモン1900の台詞。

豪華客船の中で生まれ、そこで育つ中でピアノを友として育った男が陸に上がろうとした際にそれを断念する。その際にはなったセリフ。

大学時代、この映画を見た時に一度陸に上がってみたらいいのにとぐらいしか分からなかったが、なぜか印象に残ったセリフだ。

今自分が小さいながらも家の会社の仕事に勤しむようになってみてそのセリフの深さが実感できるようになった。

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世の中にはいろんな生き方、職業、楽しみ、が無数にあるし、自分のパートナーになりうる相手も無数にいる。だからみんな自分が好きな生き方ややりたい仕事や刺激的な楽しみやよりいい相手を求めようとする。

でも人の人生には時間的に限りがある。どんな人間にもいつか死というものはおとずれる。

だから、ある程度はいろんなものをみたり、経験したり、いろんな相手と生きることも大切だけど、時期がくればいろんなモノを決めて、それに専念する必要があると思う。

その中で表面をさまよっている時に見えなかったものが見えてくる。それが本当の生きる面白みなんじゃないかと思う。

表面的なよさには切りがない。より刺激的な生き方や楽しみ、収入がよくて尊敬をうける生き方、よりきれいな相手は世の中に無数存在する。

それを追い求めるのも1つの生き方だけど、それに没頭するあまり、選んだ相手と人生を深めたり、選んだ仕事のつらさの先にある面白みを味わったり、選んだ楽しみの妙味を感じる時間がないのはあまりにもったいない。

より大切なのは広さより深さだと自分は思う。

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自分も経営者になって一年半になる。まだ生まれたてのひよっこ。これからいろんなつらいことや試練がくるのかもしれない。

でもその先にある深みを感じれば表面では見えなかった経営者という仕事の妙味が見えてくるのかもしれない。

もう可能性に生きる時代を終わらせよう。

40にしてこういったことを実感するのは遅いのかもしれない。

でも仕事に限らず、これからはそんな生き方をしてみたい。

それがTDレモン1900が自分に教えてくれたことだと思う。

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