見出し画像

夏の思い出短編果実凸

はじめまして、こんにちは
果実みのるワンダーランドの管理者赤林檎です

最近、多く果実が実るんですが、今回は恒例の10凸短編小説する前に…
Xで可愛いアザラシちゃんに出会いました!
そこで、アザラシちゃんからインスピレーションを頂きまして、描いた方から10凸短編果実を実らせていただく許可も頂きました!
ありがとうございますっ

それでは、可愛いアザラシちゃんがでる果実をどうぞ♪

食べる際は、コチラの注意事項を⤵︎ ︎


『海豹のクリームソーダ』

呼び鈴がカランカランと鳴る
そこは、まるで小さな水族館
「いらっしゃいませ」
小さなウエイトレスさんがマリンカラーの制服を着て、爽やかに挨拶してくれた
「クリームソーダをひとつ」
「かしこまりました」
迷いもなく僕が頼んだクリームソーダ
窓を見る
夏とは程遠い季節がそこに居た

「おまたせしました。『海豹のひょっこりクリームソーダ』です」
それは、アイスで作られた海豹がひょっこり顔を覗かせてる可愛いクリームソーダ
ちょこんと乗るサクランボが、また可愛い
シュワシュワと口の中で弾けるソーダ
夏の思い出が僕を呼ぶ
そう、アレは夏の思い出
海辺で見つけた彼女との約束

「何を描いてるの?」
「海豹です」
海辺の砂に描かれた海豹
「へぇ、可愛いね」
「ありがとうございます…」
「こうゆうのあったら、僕飲んでみたいなぁ」
「えっ」
それは、グラスに注がれたクリームソーダ
空想の世界
彼女の描いた海豹が波に消される
「あーぁ笑」
夏が懐かしい彼女との思い出

海豹がいう
夏を泳げば、そこは海だ
涼しくてパチパチ弾ける日常だ
僕は、彼女に会うために海へ行く
また、彼女も僕を待ってくれていた
「夏、終わっちゃいますね」
「この暑さが恋しくなるんだよ」
「次は、秋ですか」
「そうだね」
たわいも無い会話に花を咲かせる
あぁ終わらないで、夏

「あの、カフェをやろうかと思って」
「え?」
彼女の口から出た第一声
「水族館カフェ」
「いいね。僕、行くよ」
「ありがとうございます笑」
忙しくなった秋
彼女との時間は、少しお預けって海豹が泳ぐ
夏が終わって、右隣の季節に移り変わる
シュワシュワと鳴るクリームソーダが僕を待つ

「お店は上々?」
「はい、お陰様で笑」
「それは、良かった」
フワリと笑う彼女は、違うお客様の所へ
注文を取る横顔は、店員そのもので
夏が終わったのだと知らされる

「あの…」
「あっ、ごめんね。もう閉店か」
「いえ、いつも、ありがとうございます」
「此処が好きだからね」
セピアな秋だ

「こちら、クリームソーダです」
「ありがとう」
パチパチ弾けるソーダ
僕の気持ちみたいで、彼女に対する気持ちがパチパチ
コチラを見つめる海豹は、夏に生まれた涼しさの中を泳いでいるよう
「あの…」
「ん?」
「今度、お店が休みの日」
「うん」
「暇してますか?」
「う、ん!?」
季節が変わる

彼女が、僕を連れ出す
それは、水族館
目の前に海豹
おい、海豹
君は季節関係なく涼しそうだな
彼女は、そんな海豹を見てニコニコ
「次、ペンギン行きましょう」
「うん」
急なデートにドキドキ
横目に海豹
頑張れよって泳いで行った気がした
あぁ、頑張らないとなぁ…
「待ってよ」
夏を追いかける

海豹のヌイグルミをギュッと抱いた彼女
ニコニコ可愛い
「楽しかったです」
「僕も楽しかったよ」
「また、行きましょう」
次、があるのか…そうか…
「うん、また行こう」
彼女が笑顔で手を振る
僕も手を振った
秋がソコに来ていて、温かさが滲んだ
悪くない季節だ

夏が終わって秋を踏む
落ち葉がサクサク
もう寒さすらも感じる季節
クリームソーダは、変わらずシュワシュワで
海豹は泳ぎ続ける
僕らの時間も止まらない
僕の気持ちも終わらない
「あのさ…」
「はい?」
「…付き合って下さい」
パチンっ
心が弾く音
「…はい」
冬も君と弾かせよう
夏の思い出と共に


もう、夏が終わって冬が来ますね
クリームソーダといえば、夏では?と思い、こんな形の果実になりました!
シュワシュワ弾ける夏が冬にもあって
きっと、思い出が弾けるんでしょうね
そんなカフェがあったら行きたいものです笑

表紙のイラストが、インスピレーション頂いたアザラシちゃんです!
可愛い…食べるの勿体ない…(*´﹃`*)←

さて、皆さん
ここまで、読んでいただき、ありがとうございますっ
冬に向かって風邪ひかないように!
心を弾かせて過ごしましょうっ(いや、どんな?笑)

宜しければ、スキとフォローよろしくお願いします

𝕤𝕖𝕖 𝕪𝕠𝕦🍎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?