エイリアン:ロムルスに捧げる詩

・日記を書いていない間にいくつか映画を見たのでなんとなくの感想を記そうと思う。


・こないだAbemaで「プリキュアオールスターズF」がやっていて、仲間内で見たのだが、めちゃくちゃ面白かった。

プリキュアの映画なんだけど、結構ずっとバトルしていて、(プリキュアは肉弾戦を得意とすることもあって)ドラゴンボールを見ているかのような気持ちであった
実際バトルの作画もかなり生き生きとしてカッコよく、作画厨の自分からしてもかなり満足度は高かった。

ただそれよりも、ストーリーがかなりすごくて
詳しいことはネタバレになるから書かないのだが、めちゃくちゃすごいことをやっていた。
簡単に言うと、「プリキュアというフォーマットの再生産」ということをやってのけていて
そして、それがよりプリキュアらしさや彼女たちの強さを補強する役割になっていたのがすごいなと思った。
彼女たちの強さの本質は、別に肉体的なものでなく結局は少女たちが胸に秘めた心の力強さそのもので
そして、それゆえに彼女たちはプリキュアたる人間だった、という事実をしっかりと再確認する工程のような、そういう映画だった。

そしてそれを20周年記念作品でやってのけたというのはかなりアツいことだと思う
プリキュアとか仮面ライダーも、毎年新しい作品を「プリキュア」や「仮面ライダー」というフォーマットで提出しなくてはならない。
それの大変さと言うのもあるし、少年少女たちの世代の移り変わりに適応したコンテンツの姿とも言える。
その形そのものに対する尊さを提起している、良い映画だと思いました。



・次に「きみの色」を見てきて、こちらも良い映画だった。

事前に別の映画を見た時に、予告で流れていた「水金地火木土天アーメン」という曲がかなりよく、相対性理論とかパスピエみたいなそういう懐かしい邦ロックの味がして好きだった

これ良い歌だよなぁ
その曲が劇中歌で流れるバンドものの映画つーわけで、見に行くかぁという感じで見に行った記憶がある

実際にはとてもよく、
美しくて繊細な世界観の中で織りなす少年少女たちの心の移り変わり、そしてそのゆらぎを打ち解くためにバンドという装置があって、彼らが仲を深めていくというような、そういう映画だった

演出のモチーフの連続性というものが心地よくて
丸いモチーフが次々と連鎖して新しい形になっていく様がなかなか気持ちよく、
そしてそれが別にキャラクターの心情とか状態を表すメタファー的な扱いがなされていなかったということもかなり、かなりだなと思う
ただの連続性。
日常に軋轢や課題問題があっても別に世界は連続して流れていくし、とくにその流れに理由はない。
ただ頭に浮かんでは消えていくシャボン玉のような、そういう尊さであり残酷さのようなものを個人的には受け取った。

見た当初は難しかった。と思ったのだが
改めて思い返すと良い作品だったなと思いました



・んで、最近(といっても2週間ほど前なのだが(最近というのが「最も近い」という意味だったなというのを改めて確認した))見たのが
「エイリアン:ロムルス」。

こっちは今まで映画と系統が違うというのもあるのだが、個人的には大当たりで、というか今年見た映画の中でもトップクラスに最高の映画だった

そもそも、エイリアンシリーズが好きな自分。
まああんまりいうとアレなのだけど、最近のエイリアンシリーズはポカしがちというか
やっぱ初代、もしくは2は超えないよな〜みたいな風潮があったのだ。

しかし今作はそのエイリアンシリーズを見事に蘇らせたというべきか
むしろ新時代のホラーとしても完全に成功している素晴らしいものであった


随所にシリーズのリスペクトや小ネタが仕込まれていて、マジでサイコーだったな。

こればっかりはもう語るまい。
ぜひ自分の目で確かめていただきたい。




・最近知り合いと話していて、個人的に思ったのが
「色に名前がついてるのって、なんかヤバいな」と思って。


みんな自然とこの色は赤、これは青みたいに色を名前で認識しているわけじゃん
さらに深くなると、クレムソンレーキだのバーントアンバーだのコバルトブルーだの
詳しい色の名前がついているじゃない。

それってかなりヤバいというか
そもそも色って、限りなくあって、実質無限にあるといっても良いと思うのだが
その無限には一つとして同じものがなく、全てが若干違っていて、そうしてグラデーションができていく。
その無限そのものの一つをピックして名前をつけているのってだいぶすごいなと思う。

そんなことをしていたら、全部の色を名前をつけていかないといけないのではないか。
いや、実際そんなことはないのだけど、そんなことをしなくても別に世界は回っているのだけど
でも、なんかぞわぞわする感覚。
名前がついていなくて、まだそれと認識されていない色も無数にあって
そいつらは、どうなるんだろうと思う。


名付けという行為のすごさと残酷さを思い知る。


おれがチューブから出した「特定の色」が他のチューブと混ざって、「まだ何にもなっていない色」になっていく過程を見て、そう思いました。



・喉が渇いた。
ぬるいオレンジジュースしか持っていない。
詰んだ。

さらば。

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