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ハングアウトトビリシ #19 映画

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ジョージアの映画

こんにちは。siontakです。
今週のテーマは僕の要望で映画にしてもらいました。ジョージアはあまり知られていないのですがその人口(370万人)に比して映画がたくさん作られてる国なんですよね。しかも娯楽的なものよりかは詩的な表現が多い傾向があるような気がします。
日本で昨年もジョージア映画祭がありました。

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映画祭詳細はこちら
(現在はやってませんがジョージア映画の紹介が読めます)

ジョージアみたいな世間一般にどこにあるかすらあまり知られていない小国の映画を集めて一挙公開するなんてビックリな企画なんですがこれは企画者はらだたけひで氏の情熱とジョージア語専門家で字幕制作を担当した児島康宏氏の尽力によるものなんだと思います。

ということで、今日はジョージアの映画について私も一本紹介したいと思います。興味を持ってくれた方が日本国内で見ることができそうなものを選ぼうとするとなかなか難しかったのですがこちらにしてみました。

不思議惑星キン・ザ・ザ

見るからにヘンテコそうな映画でしょう。事実ヘンテコなんですがなかなか泣けるいい映画なんです。

1986年の作品で日本では1991年に公開された映画です。もうだいぶ古いんですね。ちなみに91年はソ連崩壊の年なんですがこの映画は日本では”ソ連の脱力SF”とか紹介されてたそうですが監督はジョージア人、主演のうちの一人もジョージア人なんです。ジョージアとのかかわりについては後々書きます。

脱力SFとかカルトムービーと形容されることの多いこの映画なんですが公開当時ソ連では1570万人の動員で大変な人気だったそうです。

ではあらすじを紹介してみましょう。(記憶をたよりにしているので間違っていたらごめんなさい‥)

不思議惑星キン・ザ・ザあらすじ

冬のモスクワ。仕事から帰宅した男が妻に頼まれて買い物に出かけると若い青年に声をかけられる。「あそこの人、なんか変なんです。裸足で立ち尽くしてる。助けてあげないと・・」二人で声をかけると男は狂人だった。「この星の座標を教えてくれ、私の故郷の星に手レポートしなくちゃいけないんだけど‥」とガラクタをいじくっている。男が話を合わせるように「そーだろーとも!」と適当なボタンを押して見せた刹那、男と青年は砂漠のど真ん中に瞬間移動していた…
呆然とする二人。気を取り直した男はソ連領内のどこか、カラクム砂漠だと無理やり言い聞かせモスクワの方角を目指して歩き始める。ところが・・

空から奇妙なオンボロの宇宙船が飛来してきて二人の前に着陸。でてきた男たちは見た目は汚い格好の人間だが言葉は「クー」としか発しない。二人は徐々に自分たちが本当に外惑星にいることを認め始め、それから二人の地球、モスクワを目指した帰還の冒険が始まる…

キン・ザ・ザのみどころ

上のあらすじは物語冒頭15分たらずのところまででそこからまた奇想天外な展開を見せるのですが、それを補いつつリアリティを加えるのがチープな舞台美術なんですよね。人類の文明をはるかに上回るハイテクノロジーな世界なんだけどサイバーパンクよろしく清潔とは対極の荒廃と油汚れのリアリティ、チープさが逆によい。

憎めない異星人の薄汚れた格好、借り物感がまったくない!
こんな形の宇宙船見たことないけどサビた表面に真実味‥
六輪自動車
こういうのこそシュールと呼ぶにふさわしい

どうでしょう?おもしろそうと思えたでしょうか?

電気グルーヴ石野卓球や特殊漫画家友沢ミミヨもオススメするソ連映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」DVDはこちらで購入できます。


キン・ザ・ザとジョージア

さて以降はすでにキン・ザ・ザを見たことのある方に向けた話です。
不思議惑星キン・ザ・ザは日本では特に映画マニアに人気の高い作品でして検索するともっと詳細な、もっと面白いレビューがたくさんあるのですが、みなさんジョージアとの関連性、ジョージア人の監督が作品中に隠しこんだジョージアネタまでは気付いておられない。日本語字幕にもよるのだと思いますが、多くはジョージアに暮らしていくらかでもジョージア語を知ってないとわからないんですよね。ここからは僕がみつけたジョージアネタをいくつか紹介したいと思います。(少々ネタバレあるかもしれません‥)
作品が無料で見れるリンクも!

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