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デュフフ★こんぱにおん2ndアルバム「好きです。」楽曲制作背景

1.フロムアニメーション
自分が10代の時すごく夢中になっていたアニメ。
けど、当時の僕にとってアニメって言うのは娯楽じゃなくてある種の現実でした。
だからアニメを観るって行為はただただ楽しむのではなくて、そこから何かを学ぼうとしていました。
だからこそ響く言葉が作中にあった時は涙したし、背中を押してもらって何度も何度も小さな一歩を踏み出して今の人生を生きている。
フィクションと現実を完全に区別しろって言葉には昔から納得していない、現実から生まれたのがアニメをはじめとした作品なのだから完全に切り離されるわけがないってずっと思っていました。
こんな僕だからアニメから色々教えてもらってこうやって音楽が出来ているんだなってすごく感じています。
だからアニメから生まれたって意味で、フロムアニメーションと名付けました。
理想というフィクションと情けなくて惨めな現実の間で揺らぎながらも、理想に近づこうともがく人を歌いました。

2.告白
パンクな曲を作りたいなーって思って勢いに身を任せて作りました笑
デュフこんは僕にとってはパンクバンドではないので、長い曲にはしたくないと思って30秒くらいで終わって少し物足りなく終わる曲にしたかったんです。
ライブでは曲間の繋ぎか、冒頭でいきなりぶちかませるような曲になるのかなーって思っています。
30秒くらいで好きを歌うなら、告白するくらいの気持ちで歌詞を書かないとなって思いながら書きました。
僕が人を好きになる時って見た目がタイプとか大事じゃなくて、人間性に惹かれてこの人の見る未来はどんなものなんだろう?って気になっちゃって好きになっちゃうんですよね。
けど、そんな人と一緒になれたことがないからこんな曲書いてこんなバンドを20代後半という大切な時間にやっています笑
一瞬でもその人といれて、いつか忘れられても僕の大好きな想いは消えないよって想いを込めて仮歌で歌った言葉をそのまま歌詞にしました。

3.恋をさせて
この曲は自分がこれまで書いてきたラブソングの集大成になった曲だと思っていました。
元々は1stの「これは恋だ」から繋がるような曲を書きたいと思って書きました。
「恋とは何か?」が分からず自分に湧いたあの娘への歪んだ想いを恋と名付けたあと、相手への想いがどんどん切なくなって、あの娘が自分にとって神聖なものになってきた時に恋をさせて欲しいって思う。
二曲続けてそんなストーリーになっています。
僕は自信家で明るいと誤解されやすいのですが、根暗で自己肯定感が本当に低い人間なので「僕なんかが好きになってしまうと迷惑なんじゃないか?」って思ってしまっていました。本当に女々しくてカッコ悪い話ですよね….。
だから好きになってしまった人には好きになってしまってごめんなさいって気持ちと、好きでいさせてくださいって気持ちがごちゃごちゃになるんです。
この想いをそのまま歌にするとなんかドロッとして重い歌になっちゃいそうだったので、軽快なビート感で今までで1番明るい曲調にしました。
別に分かって欲しいなんて思っていないんです、好きな人には笑っていて欲しい。
あわよくば側にいさせてもらえたら最高ですよね。
おどけて笑わそうとするような気持ちで作った1曲です。

4.お姫様
この曲は歌詞とメロディよりもバンドでのサウンドを想定した編曲から作りました。
1stでのサウンドってよくも悪くもストレートロックサウンドばかりだったので2ndで捻ったサウンドを入れたいと思っていました。
そのためにやっていたのがギターエフェクトを研究することです。
デュフこんとは別でやっている「海で迷子」って音楽ユニットでは結構シンセサイザーの音色を使うので、シンセサイザーって色んな音が出て便利だな〜ってずっと感じていたんです。
ギターでもエフェクターを工夫すればシンセサイザーみたいな使い方も出来るんじゃないか?と思い、試行錯誤の末シンセサイザーで言うBellみたいな音がギターでも作れたんですよ。
それをサビの後ろで鳴らしちゃえ!みたいな思い付きで作りました。
ポップスをイメージしつつも、自分の高校時代によく聴いていた2010年〜2014年くらいの深夜アニメでよく使われていたビート感も入れてみて、変化球なロックを作りました。
作ったデモのオケを聴いていたら、お姫様って言葉が浮かんできたので「君はお姫様」から始まるサビにしました。
歌詞は好きな人に振り回されてもそのくらいじゃ嫌いになれないよって感じですね。
Drとっしーからこの気持ち悪い質感最高っすねって言ってもらえたのでよく書けたと思います。

5.放課後の逃走(Prelude)
6.白昼夢
この二曲はトラックは分けましたが、二曲セットで一曲みたいな部分もあるのでまとめて紹介させてもらいます。
白昼夢は元々デイドリームって名前で1stのレコーディングが終わった直後に作った曲でライブでだけで演奏していました。
「好きです。」ってタイトルじゃない2ndアルバムを最初作ろうと思っていた時にリードトラックにしようと思っていた曲なんです。
だから今までの曲と違って歌詞をちょっとふわっとさせているこで、愚直さ加減が他のデュフこんの曲より弱いんです。
2ndアルバムが「好きです。」ってタイトルで作ることを決めた時に一度ボツにしたのですが、お姫様で新しいサウンドにたどり着いた時に前奏をつければ今回のアルバムにハマる曲になるんじゃないか!?と思って、後から「放課後の逃走」を作って見事アルバム入りを果たしました。
「放課後の逃走」は僕の実話ではなく、腐れ縁でずっと年に3回くらい会っている同級生T君の話を題材に作りました。
中高一貫の男子校に通っていたので、女の子が学校にいなかったからT君は電車で見かけた女の子に恋をしていました。
同じ電車に乗るために自分が乗る電車にこだわって、制服からSNSを特定するという結構グレーなこともしていて狂っていました。
正直当時の僕は2次元とロックに夢中だったので、そんなT君にドン引きをしていましたが今振り返ると僕もT君もベクトルが違っただけで似たような感覚で夢中になっていたのだと思います。
ある種学校と通学路と家という小さな世界しか見ていない高校生だったから出来たことなんじゃないかな?って思っています。
学生時代ってある種夢みたいなもんなんですよね、限定された期間中限定された空間にいる。
そんな白昼夢みたいな時間だったんだなって思って「白昼夢」は作りました。
楽曲はほとばしる10代の焦燥感と爽やかさを出すためにデュフこんの曲で現在1番テンポの速い曲になっております。
走りたくなった時に是非聴いてください。
T君勝手に曲にしてごめんよ。
お詫びにこのアルバムを渡すから是非聴いてあの頃の気持ちを思い出して欲しい、今の君はマッチングアプリをしながら「なんで男がヘコヘコしなきゃいけないんだ。」とか言う男になっていて僕は悲しいぞ。

7.君がおばさんになっても
2ndアルバム収録曲の中では最後に出来た曲です。
本当はずっと別の曲が内定していたのですが、レコーディングスタートの1ヶ月前切っているかつ自主企画の1週間前に浮かんで弾き語りで作ってしまった曲です。
完成したのを聴いていたら絶対に2ndに入れたら最高のアルバムになると思って、無茶を承知の上メンバー3人に頼んで急遽楽曲を差し替えました。
2-4曲目が今作でのラブソングラッシュですが、この曲だけ少しテイストが違うので少し曲の並びを離させてみました。
曲調は少しポップにしつつもデュフこんらしいストレートロックにまとまっていますが、歌詞のアプローチがこれまでのラブソングとは違います。
ドロっとしたものをドロっとしたまま歌詞にぶっ込んできましたが、このドロっとした感情ももっと噛み砕いてみると綺麗な言葉になるんじゃないか?って思い紐解きながら言葉を探っていきました。
僕の思う綺麗な言葉で、そのまま歌えば告白出来ちゃうみたいな、そんな言葉で書きたかったんです。
だからデュフこんの曲で告白をしたいボーイズはこの曲を是非とも使って欲しい。
そしてそのまま結婚できたら結婚式場まで歌いに行くのでDMとかで教えてください。
(交通費はキッチリもらいます。)
僕もアルバム作っている時の年齢は26なので、周りが結婚とかし出して色々考えてしまいます。
無理矢理結婚したいとかは思わないですが、君がおばさんになっても隣にいたいって思える人と一緒になれたらいいですよね。
そんな人を思いながら聴いてもらえたら嬉しいです。

8.カッコ悪くて何が悪い
まずはサウンドの話。
サウンド面は愚直なロックを意識しつつも、新しいアプローチも入れたいと思ってメンバーのコーラスを使わせてもらいました。
22年の1月に海で迷子から出した「花になりたい」って曲で、初めて金管楽器の音を使ってみた時に、ロック調に作った曲の印象がガラッと変わったのがすごく印象に残っていてそのアプローチを使おうって思ったんです。
ただ、デュフこんは4ピースのロックバンドなので金管楽器がないです。
だから金管楽器のパートのつもりでサビのコーラスパートを作りました。
歌詞はソングライターとして今1番伝えたい想いを詰め込みました。
ありがたいことに今僕達はアルバムを出させてもらったり、ライブさせてもらったり、ツアーさせてもらったりとバンドマンをやらせてもらっています。
そして最近はカッコいいって言ってもらえること、熱いって言ってもらえることが増えてきました。
本当に嬉しい限りです。
僕はずっと人からダサいとかカッコ悪いって言われてきました。
そして自分でも自分にカッコ悪いって思っていました。(ごめんなさい、恥ずかしいけど今でも思っています。)
初めて好きになった人には2人でいた時間が結構あったのに好きです。って言えてないし、泣いてる人を見て見ぬふりしたことが何回もあるし。
昔本気でカッコいいと信じて憧れていたヒーローからは遠い自分に何度も何度と絶望してきました。
けどね、絶望する度に人から笑われても馬鹿にされても、生まれたての子鹿よりも震えた足で一歩ずつ一歩ずつ愚直に歩いてきました。
その結果今の自分になる。
まだ自分がカッコいいなんて到底思えないけど、ライブの時のお客さんの顔や新曲や歌詞を公開した時のSNSのメッセージが、メンバー達からの曲の感想を受け止めていたら、今のカッコ悪い自分でも良いじゃんかって思ったんですよ。
カッコ悪い僕のまま何度も絶望して、その度に一歩踏み出して、また絶望して、また一歩踏み出してって繰り返しながらまっすぐ生きていこうって言う覚悟の歌です。
きっと同じこと思っている人いるんじゃないの?
この歌はそんな僕達の歌です。
最後にカッコよかったな自分って思える人生にしたいですよね。

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