10年ぶり?何回目?

私の頭の中の消しゴムを10年ぶりくらいに見直した。

出会いは小学生か中学生の時だったか、テレビでやってたのか近くのゲオで借りてみたのかは覚えてないけど初めて見て大号泣。それから高校生のころまでは泣いてストレスを発散したいときに何回か繰り返し見ていた。何回見たのかも思い出せない。

社会人になってから、泣きたい気分の時はあっても私の頭の中の消しゴムを見ている間の3分の2はずーっと泣いているから、そこまでの体力と精神力がなくて見れていなかった。

podcastにお便りを出すようになって、映画飯のコーナーで真っ先に思い浮かんだのが頭の中の消しゴムのコーラで、映画を見て消化してからお便りを送ろうと思っていたのだけど、見るのを後回し後回しにしていたもんだから先に自分の記憶の中にある、頭の中の消しゴムのコーラでお便りを送ってしまい、「これは、お便りを送った手前、きちんと、もう一度見ねばならぬ。」と思って見返してみた。


いやぁ、、、、泣くのは覚悟していたヨ。でも、学生の頃に見ていた時より泣きポイントが増えていてひっさびさに頭痛くなるまで泣いて、ああ、泣いたー。だった。

まずね、お父さんの覚悟をあの雨の日の顔のカットだけで表現しているのがずるい。韓国ドラマって基本どちらかの両親が一度反対派に回ったら徹底的に反対して、最後の最後で許す。くらいが定番なのだが、この映画は違う。きちんと覚悟を決めてくれた父とその覚悟を決めたポイントを表してくれてる。

結婚というものに重きを置いていないチョルスに両親を紹介したいスジンが、チョルスに黙って食事の席にチョルスの職場の社長でもあるスジンの父、と母、妹を呼び出しちゃうのよ

当然、父は怒ってチョルスも無言、食事会の雰囲気は最悪な状況で、スジンはストレスを感じてトイレに行くのね(韓国の居酒屋や飲食店は基本的にお店にトイレが併設されていなくて、外に出て共同のトイレを使わないといけない、例にも漏れずスジンも一旦店の外にでてトイレに行ってた、これも学生時代は何で外にいるんだろう?って思ってたけど、韓国にハマって知識深まっててよかった。より理解深まった。)

そしたら、ストレスを感じてるスジンは、食事会の店に戻る道が分からなくなってるわ、戻っても最悪な雰囲気だわ、で雨が降っている店の外で倒れてしまうのよ

それを見つけたチョルスは一直線にスジンに駆け寄ってお姫様抱っこをして雨の中走っていく、その後ろ姿を見ている父の目線からの父の顔のカット!ここで、大事に大事に育ててきた娘を守るのは、これからは自分ではなくチョルスなんだと覚悟を決めた顔に見えて、涙腺崩壊。。。

その後の病院のシーンでも起き上がったスジンとチョルスが抱き合っている、その二人を見てきっと父は愛し合っている二人の未来を応援しようってまた、覚悟を決めたんだろうな。父の愛、深い。

ここのシーンの納得感と父目線での気持ちを考察できたのは単純にウレシイ。

もう、後の幸せ結婚生活は、ひとつひとつのシーンで病気発覚後のシーンを知っているからこそ勝手に彷彿して、勝手に泣くを繰り返し、病気発覚後はただただ泣きながら見ていた。

「許すのは、心の家の部屋を一つその人にあげるという事。なのに、あなたは大事な心の家を、お義母さんにあげて家の外で震えて泣いているみたい」って言葉。心を支配するほど許せない存在がいると憎しみやその人のことで心がとらわれがちになってしまうけど、憎しみや怒りって本当に強い感情だから。でも、心の家を余裕があるときに増築しておいて、許せないことをしまう部屋。どうしてあんなこと言ったりやったりしてしまったんだろうの思い出をしまう部屋。を作って屋根裏部屋においておいてリビングはあたたかくて気分やすらぐものでいっぱいにしておきたいなって思った。

バッティングセンターは気持ちを素直に吐露させる場面で使われてて、トランプの手品は気まずい時とか、ケンカしたくないけどケンカしそうな時、あとは元気付けたい時に使われてて、ご飯や料理、キッチンのシーンは病気の進行を表すように使われているな、とも再発見。

特に病気の進行を表す「食」の部分は、火をつけっぱなしにしてお風呂に入ってしまうところから始まって、キッチンのリフォームにすぐに気づかなかったり、お弁当のタッパーの中身が2個とも白米、義母の誕生日パーティーで料理をしてて、包丁を持っていることを忘れてしまったり、とか。ラストの介護施設での、介助をしてもらいながらご飯を食べるシーンだとか。生きていく上で必要な「食」は病気の進行を表す大事な部分なのだなと。

いやはや、とっても見るのに体力がいる映画だけど、何年かに一度見返して色んな再発見もできるから、大事にしたい映画だなあ。

ちなみに、主役のソンイェジンさんは愛の不時着の主役の方で、今会いに行きますの韓国版の映画でも主演を務めている方です。若かりし頃と今で顔変わってない。すばら。

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