purity of heart

窓際に置いたベッドの上に座る彼女が雷の光に照らされる
彼女の髪の隙間から見えるうなじに咲いた花の名を僕は知らない
8年前にはなかったその花が彼女に刻まれた過程を想像しながら後ろから抱きしめる

雨止まないね、雷近くに落ちたみたいだよ

窓に叩きつける雨音に負けるほど小さく呟く彼女の小さな耳に唇を近づけ鼓動を感じる

出会った頃から変わることのない関係
たられば、後悔、タイミング、運命
きっと別の世界線では彼女の近くで8年を過ごしている僕もいるのだろう

一瞬の光に身を任せる

花の名前は聞かないまま

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