架空喫茶ホボハチ~インド~
カランカラン
あっ!この香り、このBGMは、チャイの日だ!
チャイとはインド発祥のミルクティーで、その昔インドで作られた紅茶のうち良質なものはイギリスに輸出されてしまって、インドに残った商品にならない茶葉を美味しく飲むためにスパイス、シュガー、ミルクで煮だした紅茶のことだ。とっても甘くてスパイスの香りがよく、あたたかいチャイは茶葉から家で作るには少し面倒で、でも簡単に作れる市販の粉のチャイでは少し物足りなくて。
そんな折、ホボハチではたまーにチャイが提供される日がある。チャイを作るのは自分ではお店を持たず色々な喫茶店でイベント的にチャイを提供してくれる男性ふたり組だ。おふたりは人生のシュガーとスパイスを追い求めて、追い求めすぎて、いきついた先にチャイがあったそう。おふたりが入れるチャイはスパイス強め。おふたりの会話もすこしだけスパイス強め。ちなみにBGMもおふたりのセレクトで懐かしの邦楽が流れている。
シナモン多めで、のオーダーにも応えてくれて高いところから注がれるキラキラしたチャイを目でも堪能し、注がれたすぐにふわっと香るスパイスの香りを存分に楽しんで、厚めのマグカップに注がれたチャイを持ち、壁際の席に座って飲める温度になるまで少し待つ。
いつもはコーヒーを飲んでいらっしゃる常連の方々も、今日はみんなふぅふぅと冷ましながらチャイを飲んでいる。コメダ珈琲の豆のようなポジションでついてくるのはLotusのビスケットだ。袋のサイズとビスケットのサイズがちょうど同じくらいで、少し開けにくい袋を開ける。一度に食べるのはもったいないからちびちびと、飲みやすい温度になったチャイとともに頂く。
残業続き、終わりの見えないお仕事に辟易としていた心がすぅーっと開放されていくこの感じ。ミルクとシュガーの甘さでほっこりとした後にほんのり香るスパイス、頑張った後にはご褒美が待ってるよ、とチャイとホボハチが包み込んでくれる感覚。
私のつたないつぶやきにいいね、とともに大人な余裕でいつも優しく声をかけてくださる皆さんはどんなチャイがお好みなのだろう。きっとそれぞれのシュガーとスパイスを心に秘めているのだろうな。
チャイをゆっくりと飲み切って、店を後にする。買出しに行っていたというたつまさん、しょーたろーさんに道ばたでばったりと遭遇。店の外で会うのは少し照れ臭い感じ。
それでは、また来週の日曜日昼下がりに来ますね。
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