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I.D.C.D.08 トム・ペティ&ザ・ハートブレーカーズ『ロング・アフター・ダーク』 -sio_note-

テーマ▶音楽

 昨年10月、トム・ペティの訃報が伝えられました。

 僕はひいきのアーティストとか俳優とか作家さんとかが亡くなっても、それほどネット上などで追悼の意をあらわしたりしないほうなのですが、

 やはり十代のときから聴き続けていた人ですから、ショックは大きいです。

 しかもまだ66歳、現役感バリバリですからね。

 正直いって、ここ最近は遠ざかっていましたが、けっこう聴きこんでいたアーティストのひとりでした。

 今回ご紹介するのは、1982年リリースの『ロング・アフター・ダーク』

 彼のディスコグラフィーのなかではやや異色なタイプの作品ですが、自分にとってはお気に入りの一枚です。

■収録曲

1. ワン・ストーリー・タウン
2. ユー・ゴット・ラッキー
3. デリヴァー・ミー
4. チェンジ・オブ・ハート
5. ファインディング・アウト
6. ウイ・スタンド・ア・チャンス
7. ストレイト・イントゥ・ダークネス
8. セイム・オールド・ユー
9. ビトウィーン・トゥー・ワールズ
10. ウェイステッド・ライフ

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 ……これまでも何度か書いてますが、80年代というのはロック産業が巨大化し、音のほうもシンセを加えたりしてどんどん派手に変化していく時代です。

 多くのミュージシャンが時代の洗礼を受けていますが、トム・ペティもやはりそのひとり。

 前作『ハード・プロミス』までは、ややフォーキーな香りも残していましたが、このアルバムは彼の作品の中でもっとも都会的なサウンドに仕上がった1枚ではないかと思います。シングルカットされた「ユー・ゴット・ラッキー」なんかも、キーボードのイントロがまるでフォリナーみたいな感じで(笑)

 彼自身、この商業サウンド路線にどこか違和感を感じていたのか、次の『サザン・アクセンツ』からは土着的な味を取り戻し、以降はしだいにルーツ的なアメリカン・ロックへシフトしていきます。『ロング・アフター・ダーク』と『サザン・アクセンツ』、2枚のアルバムジャケットを見てもテイストが180度ちがいますよね(笑)。

 ちなみに『サザン・アクセンツ』は「南部訛り」という意味らしいです。フロリダ出身のトム・ペティ、堂々のルーツ宣言ですね。

 その後もトムは、ボブ・ディランロイ・オービソンらとスーパーバンド「トラベリング・ウィルベリーズ」として活動するなど円熟味を見せていきます。

 はじめに書いたように、最近あまり熱心に彼を追いかけてなかったので、僕の中では、いつまでも昔の青二才のような彼の姿があります。あまり大物という印象がなかっただけに(じゅうぶん大物なんですけど)、早世が残念です。


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