muji考

無印良品でアルバイトをしている

アルバイト中、暇な時間がある 暇じゃなくても、単調な仕事をしている時は常に何かを考えている 目の前にあるから、無印の商品を見ることが多い そしてそれに関して考えることも多い またはそれを買っていく人々を観察していることも、多い

人間観察とデザインと行動心理の賜物でできた思考を、書き留めておきます 多分アルバイトを続ける限りこれは増えていくので、vol.1としておきます


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1.

基本ずっと人を見ているわけなので、買いに来る人を観察してしまう機会も増える 手広く商品を扱うブランドであるからこそ、この商品のどこにニーズが?と思うものもしばしば出てくる たまに人間観察が功を奏して、「どこにニーズが?」の商品を買っていく人を見つけると、ひとりで「おっ」と思っている 


たまに、車椅子を押されて来店するような人がお粥をたくさん買って行ったりする 会計も自分ではできず、押してくれている人が財布を出していたりするのだが、おそらく車椅子に乗っている人が選んだのだろう、買い物かごは本人が抱えている 確かに商品としてはあったけど、誰が買うねんと思っていたお粥類が、カゴにたくさん入っていた
推測だが、おしゃれとか丁寧な暮らしとかをやりたくてもできない人が、最後の抵抗として無印のものを使っているところに尊厳を見出そうとするのかもしれない スーパーに行けばお粥は2袋100円くらいで売っている しかし倍くらい、1袋190円の無印のお粥を買っていくのだ 普段使いじゃないかもしれない 潜水艦のカレーみたいに、曜日を知らせるための大切な足掻きなのかも そして、ここにも無印の需要があるのだね



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2.

カレーの種類がたくさんあること、KALDIにもそれなりの数があることを考えるに大した強みではないと思うのに、それでもカレーがバカ売れするのは、「味の比較以前にメーカーの比較をする必要がない」ってところではないかと思う グリーンカレーと南インドカレーと豆カレー、それぞれ製造会社が違ったら「あっちはハウスで信用できるけど目新しくないな、このカレー気になるけど初めて見たメーカーすぎて信用できない」とかになってしまう けどオール無印なら少なくともメーカーへの不安感はないよね


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3.

手軽にいいものを持ちたいという傲慢な欲求をちょうど満たせるんだろうと思う もう大学生だからプラスチックの定規は嫌だ、なんか良いのが欲しいけどどこ見に行けば良いのか分からないという人に、無印はアルミの定規を提供できる ちょっといい万年筆が欲しいとか、クリップが欲しいとか、シャツが欲しいとか いろんな店を回って探し回らなくとも、無印に行けば大抵の「ちょっといいやつ」「しっかり作られたやつ」が揃うと思っているし、実際無印はそのニーズをよく知って、応えている 無印に行けばしっかりした縫製のただの白いTシャツが絶対に手に入ります 誰にでも馴染むアノニマスなベーシックが揃っている 無印にとって、なによりこの「揃っている」というのが大切なんだろうと思う ここに行けば何でも揃う むしろ「ここに行けばいろいろ考える必要がない」? それはもしかしたら思考放棄を促しているのかもしれないね


ひとまずここまで

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