2mmのうわつきと隙間風

初夏です 


光が綺麗で湿度もないから気持ちいいよと先週母に言われたことが頭から離れない そうか湿度がないんだね 気持ちいいね

お元気ですか、私は相変わらず元気でも元気じゃなくもないです
新しいことを始めようと思ったらいくらでも始められる、そのために今の身分にいるんだろうという立場であるにもかかわらず同じ位置で右往左往していて、お前は何をやってるんだと言われたら言い訳みたいなことしか言えなくなってしばらく経ちますが、まあ元気です

たくさんのチャンスが日々自分のすぐ横を通り抜けていて、なんとなくの惰性と怠慢さでそれを逃し続けている 本当は別にチャンスなんかなくても手を伸ばして動かせばすぐ何かを生み出せるはずなのである 何者かになれたはずの時間はただの怠慢さによって乾いた砂のようにサラサラと逃げていって帰ってこない 爽やかな5月の風は何か始めろと話しかけているようにすら見える 焦燥感で苦しくなる

しかしチャンスがあることに時期も季節も関係なく、ただ何か始められそうで動き出せそうと思わせてくるだけのそんな季節が初夏です

今日は院の同期と授業終わりの院生室で、自由にやればいいはずだがやはり2年社会に出ないことへの焦りや罪悪感みたいなものはあるよねという話をしていた だからこそなんとなく研究テーマに実用性を持たせてしまうよねと 社会実装されない前提で制作をすることにやるせなさを感じてしまうから、仮定や想定で制作ができない 

実はそんなこと考えなくていいのである


少し前、自分に休学や留年の可能性が出たタイミングがあった 社会の定石から外れることに抵抗感を持つこと 周りの変化に無関心でいられないこと こんなにも社会性動物だったのかと唖然とした もっと自由に生きているはずだと信じていた

いつかこうやって考えていたことがしょうもないと思える日が来るのだろうか そんなこと関係ないのにと呆れる日が来るのだろうか 学生期間を延ばせるなら延ばせよと後悔するのだろうか

後悔はしたくないなあ


社会の定石から外れない人生を選ぶことを、どうにかして正当化しようとしている自分がいる 定石から外れるべきかもしれないと考えていた頃より心の安寧は段違いに強い 自分はもっと特別だと思っていた 何を考えても痛くて辛い

 

毎年夏は、何かできる気がして少しばかり気持ちがうわつく どうせ何もできないならそんな期待させないでほしい 小学生の頃の夏休みの自由研究でもして今年は終わろうか それにしても何か作ろうとするところに自分のどうしようもさを認めてため息をつく

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