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妊婦加算って妊婦を大事にしましょうって話でしょう?



こないだこんな記事がいっぱい流れた

今年から事実上の妊娠税 、突然の妊婦加算に驚きの声!「逆に安くしろよ」「安倍政権何してんの


これ、何言っての?の話。


診療点数の加算は病院の報酬の話


妊婦加算は診療点数の話。診療点数は、診療の報酬(価格)の話。

価格は、難しい(時間がかかる、リスクが高い)ものは、当然高くあるべき。それを誰に負担させるのかは、別の話。

乳幼児の医療費助成のように、別の形で妊婦の医療費をカバーすべきであって、点数は高くすべきと思うが、病院や医療従事者にそのコストをかぶせるのは明らかに間違い。

そんなことを続けていたら、病院はさいあく「妊婦はお断り」とせざるを得なくなる。

だって、診療は大変リスクは高くコストがかかるのに、価格は上げられないという状態なのに、それを善意でやれというか?

妊婦の医療費は助成すべきだと思うけど、それは妊婦加算はしたうえでのまた別の話。

妊婦加算は、妊婦を大事にしようという動き と解釈するほうが正しいと思う。


妊婦の診療は難しい

妊婦、じっさいそもそもものすごく不安定な状態で、診療はたいへん。
さらに実態的には本人+お腹の子という2人分を診ている状態。
それを考えると、とうぜん診る側は慎重になるべきだし、時間もかけるべきで、診療点数の加算は正しいと思う。
むしろ、これまで一緒だったほうが気になっていた。

一緒ってことは、「妊娠は病気じゃないからね、普通の人と一緒だからね」って言われたら、そんなバカな、って話でしょう?

昔、医療機器の仕事をしていたときに産科小児科について当時いろいろ勉強した知識と感覚では、病院側からすると、妊婦の診療はリスクが高くメリットなし、経営的観点ではできる限り来てほしくない、が正直なところ。

病院側に加算ポイント付けるのは、妊婦を守るために必要な動きだと思う。

また同じこと書くけど、妊婦加算は妊婦を大事にしようという動きなので、自分は歓迎したい。


増える負荷を妊婦に課すのは止めてほしい

ただ、妊婦加算はすべきだけど、その負担を妊婦に課すのは止めようよ同時に妊婦の医療費助成をすべきでしょうという話。


ちなみに
東京都の1年の出生数が約11万人 *1
なので、東京の1年間の妊婦の数は11万人と見ていいだろう
(もちろん多胎、流産などはあるだろうけどもざっくりいうと)

20台後半から30台女性の医療費がおおめにみて年間約15万円 *2、
多くの人は自己負担が3割なので6万円が妊婦の払ってる医療費(1年分)

妊婦の期間は最大でも1年ないので、この6万円を11万人分補助すれば、妊婦は医療費無料になると考えられる。
つまり、東京都だと妊婦無料コストは66億円

ちなみにどこかの政治家が人気取りのために豊洲市場移転を遅らせたコストが95億円 *3と発表があったので、これくらい東京都の財政内で調整できる金額なんじゃない?という気はする。(始めたらやめられなくてずっと続くから安易には決められないとは思うけど)


妊婦加算は、妊婦をしっかり診療するために必要なものだと思う。
それはそれとして、妊婦には医療費助成すべきだろう。

都庁の緑のええかっこしいの人もこっちやれば、もっと人気取れたのにね。


*1 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kiban/chosa_tokei/jinkodotaitokei/tokyotozentai.html
*2 https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=58018?site=nli
*3 https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H95_Y7A410C1CC1000/


まとめるとこんな感じ。

以上!


追記

何かあればそれにかこつけて、アベがー、ゲンパツがー、というやからには本当に辟易するのだけど、そう言ってれば深く考えなくてよくて楽だし、人間なんて相当数は、「水は低きに流れ、人は易きに流れる」というもので。普段はそういうもんだと読み流すのがいいのだけど、さすがにちょっと逆流してて嫌な気分になったので筆(キー?)をとった。

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