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207が「やってきた事」と「今後やっていく事」

年末ですので、頭の中の整理も兼ねて、創業から現在まで「やってきた事」と「今後やっていく事」をまとめたいと思います。


夜間配達

2018年1月に207株式会社は誕生しました。
2018年5月に最初のサービス「夜間配達サービス」をローンチしました。
荷物を受け取りたくても日中に受け取れない忙しい独り身のビジネスパーソンがメインターゲットでした。

ビジネスモデルは、日中荷物を受け取れないユーザーから「夜間配達料金」を課金するモデルです。
オペレーションは、弊社のオフィスや提携倉庫の住所をユーザーに提供し、ユーザーは、その住所を利用してECサイト等で購入を行い、弊社オフィスや提携倉庫に荷物が到着すると、ユーザーにLINEで連絡して、夜間の受け取りやすい時間に配達してあげるというモデルになっていました。

夜間配達事業を開始した理由としては、以下のような理由がありました。
・システムを作り込む必要が無くスピーディーにローンチできる
・どうしても受け取れない人の課題を確実に解決できる
・「夜間配達」にチャレンジしているプレーヤーが少ないのでキャッチーである
・物流関連会社として認知してもらいたい

結果的には、ニッチ領域ということもあり、自分が想定するよりもユーザー数は伸びませんでしたが、逆に物流業界での認知度はあがった印象があります。
弊害としては、完全に「夜間配達」が先行してしまい、後のTODOCU事業を説明する際に理解されにくいという点がありました。

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TODOCUの開発

夜間配達をリリースする前から抱いていた仮説があります。
それは「ユーザーの位置情報を利用して再配達を無くすことができる」という仮説です。(※TODOCUのロゴは夜間配達を含めて位置情報のPINをモチーフにしています)

しかし、その実現には以下のようなハードルをクリアする必要がありました。
・受け取りユーザー向けのシステムを開発する(位置情報から在宅不在を判定するシステム)
・配達員向けのシステムを開発する(受け取りユーザーの在宅不在情報を閲覧するシステム)
・受け取りユーザーにシステムを利用してもらう
・配達員にシステムを利用してもらう

そのハードルを一つ一つクリアすべく、2018年6月から受け取りユーザーのシステム設計を開始しました。
システム設計にあたって、複数人の配達員さんへ既存のオペレーションのヒアリングや、自分が考えた仮説についての意見交換を行いました。

結果的に、受け取りユーザー向けのシステムは、当時動いていた夜間配達サービスをアプリ化するという方向で開発を開始することになります。
その理由としては、受け取りユーザーにアプリをダウンロードしてもらうプロモーションコストを捻出できないと判断した為です。
当時登録数としてはおそらく200人弱いた夜間配達ユーザー向けにアプリを提供して、そこから徐々に伸ばしていこうみたいなスタンスでした。

一方、ビジネスサイドは「ユーザーの位置情報を利用して再配達を無くすことができる」という仮説に基づいて、アイディアをどんどんプレゼンしていきました。
プレゼンして得られたフィードバックを元に、更にアイディアがどんどん湧いてきました。
そのアイディアを元に作ったのが、現在のユーザー向けTODOCUのUI設計です。

2018年12月にUI設計が完成したタイミングで、夜間配達アプリは8〜9割完成していたのですが、開発をストップして、あたらしく設計したTODOCUアプリの開発に舵を切りました。

開発スピードとしては、主観として下の中くらいのスピード感でした、これには理由が2つほどあります。
一つ目は、開発費用は基本的に、受託開発の利益で賄っていたためです。
そのため開発リソースは70%くらいは受託開発に持っていかれ、残りの30%で開発するという日々が1年位続きました。
2つ目は、仕組み化ができていなかった為、開発陣のコミュニケーションが円滑に回らなかったためです。開発陣は基本的にリモートワークで働く時間を特に決めていませんでした。その為、開発陣同士の仕様確認の度に開発が中断してしまうという問題が発生していました。

改善策としては、デットファイナンスの実行と、開発のコアタイムを設けました。


配達員と投資家のフィードバック

2019年5月、ユーザー向けアプリの開発が一段落したタイミングで、配送員向けのアプリの開発を開始しました。
プロトタイプレベルでは、1ヶ月ほどで形になったのを覚えています。
ここで実際に配達員さんに利用してもらって得られた意見が、受け取りユーザーがアプリをダウンロードしていないと配達効率はあがらない、GoogleMapアプリにピンを立てるほうがまだ効率的だという厳しい意見でした。

仮説を着想した当時は、受け取りユーザーにインセンティブを渡してダウンロードしてもらったら受け取りユーザーも在宅情報提供して、効率的に配達できるだろ〜と楽観的に考えていましたが、いざ投資家さんに話にいくと、本当に受け取りユーザーにアプリダウンロードしてもらえて、配送員は、どのくらい効率的になるのか?と言った質問がよくありました。

配達員さんや投資家さんからのフィードバックを元に考えて考えて考えた結果、以下のような3つの方針が導き出されます。

1.アプリをダウンロードしてもらう前に、ユーザーにSMSメッセージを送って在宅不在の回答をしてもらう

アプリをダウンロードしてもらうのには、そもそもハードルがあることを自覚していたので、アプリのダウンロードがネックになるモデルからの脱却を図りました。そこで問題になってくるのがSMSメッセージからの在宅不在の回答率ですが、実証実験の結果、約4割程が在宅不在の回答をしてくれました。(※説明は割愛しますが、十分配達効率が上がる数字)
このSMSメッセージが受け取りユーザーとの最初のタッチポイントになり、有用性を認識してくれた、受け取りユーザーはアプリもダウンロードしてくれるような設計を心がけました。

2.荷物伝票の写真を取るだけで荷物のお届け先の住所と電話番号を登録できるようにする

元々は物流会社が保持するTMS(輸送管理システム)上の荷物データを連携した上で利用する構想でしたが、それには圧倒的にデータ連携の時間や営業の時間を費やします、従って配送員が自ら、荷物の情報(お届け先住所、電話番号)を入力する方法をプロトタイプには実装していました。ですが、手入力だとGoogleMapに手入力でピンを立てるのとあまり大差が無いので、荷物伝票に特化してOCRで荷物情報を読み取れる技術を実装しました。これにより、配送員は荷物伝票の写真を撮影するだけで荷物の登録を行うことができるようになりました。

3.自分たちで配送事業を行って、開発したアプリを使って改善する

投資家さんから配送効率の改善率について聞かれた時に答えられなかったので、プロトタイプができたタイミングで物流会社に実証実験の提案を行いましたが、興味を示してもらえるものの、実際に使ってもらうには時間がかかりそうでした。そこで、自分たちで配送車両を購入して、貨物軽自動車運送事業の届出を行い、配送事業を開始しました。現在は3台の軽バンで毎日、開発したアプリを利用して配送を行いながらアプリの改善案を作っています。

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現在

現在は、配送員向けアプリの登録を募集しており、微速ながら数字は伸びています。
2020年からは、配送員向けアプリ「TODOCUサポーター」&受取人向けアプリ「TODOCU」を全国へ展開していく予定です。

このTODOCUというソリューションでどこまで「再配達」という課題を解決できるかが楽しみです。


今後やっていく事

そもそもなんで「再配達問題」の解決に取り組んでいるかというと…

時は遡って2007年8月…
僕はインドをバックパッカーとして旅をしていました。
その旅をしている際に2〜3ヶ月部屋を空けて、部屋を使わないのに家賃が発生することに、すごく不満がありました。(インドでは1泊200円とかの安宿なのに…)
しかし、部屋には家具家電などのモノがあったので、捨てるわけにもいかず、保管する倉庫的な形で家賃を払わざるを得ません。
当時クラウドという概念は自分の頭の中にはなかったのですが、「家にあるモノを倉庫に送って預けられて、そのモノをどこにいても取り出せたらいいな」というリアルなモノのクラウドのような概念をインドの安宿のベッドで考えていました。

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社会人になっても、そのリアルなモノのクラウドの概念を忘れられず、いつか事業化したいなと、当時の会社の新規事業のブレスト的な場でも、度々発言していました。

そんな中、2015年に衝撃が走ります。

僕がやりたかったリアルなモノのクラウドの概念にすごく似ているサービスとして「Sumally pocket」というサービスを発見したからです。
当時僕は、越境ECやインバウンド関連のスタートアップのプロダクトの責任者をしていたのですが、そこと兼任で「Sumally pocket」にジョインさせてもらいました。

中の人として「Sumally pocket」事業を見させていただく中で感じたのが、配送や集荷の希望に答えきれないというジレンマでした。(誤解が無いように書いておきますがサマリーポケットはすごくいいサービスです)
当時、配送や集荷はヤマト運輸が担当していたのですが、ヤマト運輸のサービスに配送は限定される状態になっていたので、ユーザーの要望に対して配送や集荷部分で対応する事が難しいという状況に、理想とのギャップをすごく感じていました。

その経験を通して、自分が考えるリアルなモノのクラウドの概念は「物流のラストワンマイル」をコントロールする事によって成り立つということを着想しました。
具体的には、自分が預けたものをいつでもどこでも取り出したい際に、一番重要になってくるのは「倉庫」でも「アプリ」でもなく物流のラストワンマイルであるという考えです。

ポケット

お世話になったサマリー社

そこから僕は物流について興味を持ち、関連情報をキャッチアップするようになっていきます。

ちょうど2017年から「物流クライシス」というキーワードと共に「荷物量増加」「人手不足」「再配達」という問題がテレビやネットでフィーチャーされ始めました。

こんなに問題が顕在化しているのに、まだまだプレーヤーが少ないこの領域の問題をテクノロジーを利用して解決していくことで、物流のラストワンマイルをコントロールできるようになるのではないかと考えました。

そこで物流のラストワンマイル領域の問題を解決する為に、創業したのが207であり、創ったサービスがTODOCUです。

その延長線上の、本当にやりたいことは「いつでもどこでもモノが届くようになる」ということなんです。

この物流のラストワンマイルは、自動運転やドローン技術によって近い将来、確実にパラダイムシフトが起きるすごく面白い領域だと思っています。

ドローン配送

207は、世の中に起きている物流に関する課題を解決しながら、物流のラストワンマイルをより効率的により豊かにしていくことを通して、いつになるかわかりませんが最終的に、いつでもどこでもモノが届くようになる社会を目指して事業進めていきたいと思っています。それが今後のやっていくことです。

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207の高柳です。 TODOCUとスキマ便というサービスで物流のラストワンマイル領域を再定義していきます。