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今森光彦 里山 水の匂いのするところ 滋賀県立美術館

今森光彦 里山 水の匂いのするところ 滋賀県立美術館
2月の「川内倫子」以来の滋賀県立美術館。広い会場に大きな作品が 見やすい間隔で展示されている。

第一章「はじまりの場所」自然(じねん)水と土の出会いのなかに生命の始まりがある。
第二章「萌木の国」雑木林の大樹のたくましさや寄り添う昆虫や植物の生命。
第三章「光の田園」里山風景と聞いて連想する田園風景があり 自然に生かし寄り添う感覚が優しい。
第四章「湖辺の暮らし」琵琶湖の水の恵みを生かし生活する人々。遠い昔ではなく 今ここの姿がある。
第五章「くゆるヨシ原」広がるヨシ原と人の営みが織りなす風景は 素朴だが厳しさもある。
第六章「還るところ」最終地ではない琵琶湖。地球という大きな循環のなかに生きている不思議さ。

里山というと田園や山間部の風景しか思い浮かばなかったが 風景の多彩さに驚いた。大きな「循環」のなかでの里山のかけらを拾い集めたという印象。素直で優しい撮り方は、親しみやすいし見ていて飽きない。単写真として 組写真として楽しめる余裕がある。里山風景に癒やされた作品展だった。

里山を撮る写真家久保田秀典さんとの違いは、想像力を羽ばたかせる余地かな。 今森さんは余地が小さく、久保田さんは大きく、個人の感覚が色濃い。どちらが良い悪いではないので、僕の好みから言えば、久保田さんの作品が好きだ。



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