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Solverは何のためにあるのか?

GTO Wizardでできない事?

Twitter上でついこんな発言をしたら、思ったよりもいいねがついてしまったので記事書いてみようと思います。と言ってもそんなに大した記事ではないです。しばらく記事を書いていないのでリハビリ用記事くらいに思ってください。

大前提として、GTO Wizardはできない事があるからダメ、ではなく目的や解決したい課題によってツールを変えてくださいという主張です。GTO Wizardでは洗濯はできませんが、だからダメな訳ではなく、洗濯したいなら洗濯機を使えばいいだけです。

それで、何ができないの?

単にできない事を書いて終わりだと、記事としては一瞬で終了します。
というのも、今後追加される機能のロードマップを見たらいいだけなので。。。

キャプチャ

GTO Wizardでできない事はここに書いてあります、以上、で終わりです。
(何かツールを評価したり購入する時は、当然今ある機能だけじゃなくロードマップも確認してると思うので、新しい情報ですらないとも思います)

これで終わりだと寂しいのでちょっと書き足します。ここには色々書いてますが、ソルバーとの根本的な思想の違いはGTO Wizardは「計算された結果」を見るものであって、ソルバーは「これから計算する」ものというところです。
※本質的には計算リソースがクライアント側かサーバ側かというのが違いと思いますが、分かりやすく上記の表現にしてます。

既に計算された結果を見る方が良いと思うのは、高いPCも難しい設定も不要でそっちの方が良いと思う人もいると思うのですが、自分でレンジやベットサイズ設定できない(なのでnodelockもできない)というのは結構な弱点とも思うのです。

nodelockができないのでエクスプロイトが勉強できないという意見は見ますが、むしろもっと根本的なところで、自由な設定ができないと実験を通じたポーカー理解ができないのですよね。

アクションを考える時にはいろんなファクター(相手のレンジ、プレイスタイル、SPR、、、など)が影響しますが、それらがどう影響しているかの感度分析をしようと思うとGTO Wizardだと結構困ります。

・プリフロのオープンサイズ変えるとどうなるの?
・プリフロがルーズ(orタイト)な相手だとどうなるの?
・簡易戦略としてレンジCB使ったらどれくらいEVロスあるの?
・(その裏返しとして)レンジCBを使う相手にはどう対応するの?
・戦略の簡略化のためベットサイズを単一にするとどれくらいEVロスするの?
・SPRが変わると戦略はどう変わるの?
・(ドンクあるようなボードで)ドンクレンジない相手だと戦略はどう変わるの?
 ・・・など

こういう検証がレンジを自由に変えられないと困るのですよね。

こんな細かい検証をするのは上級者で初中級者は困らないかというとそれも違うと思います。というのも、トイゲーム(単純化したモデル)を使ったポーカーの理解もできないからです。個人的には最初にポーカーの原理原則を理解するためには、実戦の複雑なレンジよりも簡略化されたレンジのゲームを考える方がよいと思っています。
(それはポーカーだからというよりも普遍的な考え方とも思っていて、物理学や経済学も最初は単純なモデルから入って複雑にします。AKQゲームの記事を書いているのもその考え方に基づいているからです。ほんとはAKQよりも複雑な話がしたかったのですが、AKQで記事が止まってます。。。)

トイゲームとして有名なのはAKQですが、これは手計算でも分かるので問題ないとして、もっと複雑なAto5ゲーム(Aから5の10種の強さのハンドがあるトイゲーム。詳しく知りたい人は「ポーカーとゲーム理論」を参照。)やなかのうえさん考案のKQ64なんかは自分でレンジ設定できないと組みようがないです。最近だと私は、ブロッカー効果の影響を見るようなトイゲームを作ったりもしたのですが、そういう事もGTO Wizardだとできないのです。

もちろん普通にGTOの戦略を見る事も重要です。ただ自分で色々動かして実験してみて、どのファクターがどう動くとEVや戦略がどう変わるかを見るという事の繰り返しでポーカーは理解が進める道もあると思っております。









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