ロボットの国 感想
ネタバレ注意
総評
適切な表現でテーマを伝えられれば唯一性のある作品になりそう。今回やりたい事は伝わってきたが表現がまだ追いついてないという印象
良かった点
キャラの操作感にストレスを感じなかった
敵AIがよくできていてしっかりこちらを追いかけてきて狙われてる感じがした
（後から気づいたが）主人公とロボそれぞれにやれることが少ないからこそ協力感を感じられる設計がうまいと思った
リザルトで自分のプレイについてここを計測されていたのかという驚きがあり面白いアイデアと感じた
バグらしいバグがなかった
気になった点
作品のテーマとゲームバランスがアンマッチで、主人公一人でもクリアできてしまった
マップがただの迷路に感じてレベルとしてどう遊ばせたいのか分からなかった（迷わせたい？探索させたい？敵に追い詰められてほしい？）
ロボットと手を繋ぐという行為に納得性が見いだせなかった。なぜ手を繋がないと動かないのか。ロボットは自律的な挙動をするものでは・・？
詳細
・全体の制作について
この短期間でゲームとしてしっかり仕上げてきた点に関してとても感心した。チーム人数もそれなりに多い中、プレイできる状態に持ってこれていた。ロボットともにゴールを目指すというシンプルなルールについても十分な拡張性もあり、今後のステージ量産にも耐えうるゲームデザインになっているなと感じた。
・全体の雰囲気について
タイトル画面から漂ってくる雰囲気はとても興味を引かれるものでついやってみたくなる魅力を持っていると思う。プレイヤーキャラや敵キャラが一切喋らない点も独特のテーマ性をもった作品だと感じられた。全体的に装飾がないビル街だったので今後ステージのデザインのバリエーションをどう作るのかも気になった
・テーマについて
今回のSWCのテーマである「罪悪感」という事を事前に知っていても、残念ながら今回のROMではあまり伝わってこなかった（狙いは分かったが表現しきれていなかった感がある）
ロボットに対しての罪悪感という意味では、お互いの関係性やロボの健気さ、モラルなど表現しておかないと感じられない部分が多いのでそこをどう表現していくかというのが今後の課題にみえた
罪悪感が感じられなかった細かな理由としては
・罪悪感の要因となるであろう「ロボットを犠牲にする」という事に葛藤が生まれなかった
・ロボットに関してその場限りの便利な武器という印象を受けた。さらに所々に配置してあるため一層その印象が強くなった
・ゲームバランス的にもロボットを犠牲にしないと突破が難しい、というシチュエーションがなかった。ロボット不在でもクリアできてしまう
・細かな部分
・これは自分のプレイの影響だが、色々ボタンを試すうちに知らないうちに初っ端から意味のないところでロボットを自爆させていた。さらにそのことに気づきもしなかった（これについてもカウントダウンなど表現がありそう）
・マップの構造的に行き止まりや分岐が多く、ゴール方向に目指して総当たりでルートを走破するというプレイになってしまった
・改善点
今後の開発に向けて挙げるとすれば
①ロボットに対する哀れみの心や健気さの表現など「失いたくない」という感情をプレイヤーにどう抱かせるかを考えたい
②ゲームデザインについて、もう少し意図を持って設計できれば体験が良くなると感じた
戦略性）ここは敵が多いけど裏から回れば背後からやっつけられる
挑戦 ）強敵を倒すとたまにパーツや宝の鍵を落とす
体験 ）進むと眼の前の道が崩落する。背後から敵が追い詰めてくるというようなシチュエーション作り
選択肢）道が二手に分かれているがHPが少ない。すぐゴール方向に向かったら門番を倒せるか分からない、遠回りしたらアイテムがあるかもしれない
③表現の強化について
今はゲーム内の表現が極端に少なくそれが味にもなっているが、不親切だったりこのプレイで正解なのか不安になることがある
たとえば敵を倒すといいことがあるのか、ロボットを自爆させていいのか、ゴールに入ったけど何が変わったのか目的は何なのか、たまに仲間になるロボットが落ちているがこれは何なのか
というように何かを判断するにも材料が足りないという状態
もう少しプレイヤーの中で判断基準が用意できれば良いと思う
④納得性
・冒頭にも記載したがロボットと手を繋ぐことで一緒に歩けるのはなぜか。
・ライフ回復アイテムにしても一体それはどういうものなのかこだわりを持ってほしかった（ロボ用の特性オイルなのか、人間用のキズぐすりなのか）
・これも前述したがロボットが道端に落ちているのはなぜか。その時すぐに理解できなくてもいいが設定は欲しい
・シチュエーションが不明。敵はなぜこちらを追ってくるのか、主人公の目的な何か。なぜ逃げているのか
以上
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？