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とあるWEB作家のクソ長お気持ち表明

 ども、今年当たり小説家寿命が切れるシンギョウガクです。寿命が切れる前に後輩作家陣やこれから商業を目指そうとしてる作家志望者の方に『作品の添削指導トラブルに関する』クソ長お気持ち表明しときます。老害の戯言だと思って読んでやってください。(3000字超えちゃった)


『自分の作品読んでください!』ってDMやポストを見かけることが小説界隈ではとっても多い。RTしたら読みます企画とかもあるし、辛口批評もとめますとかいうマゾい人も存在してる。

その中でも商業化した作家に『自分の作品読んでください!』って話を持ってくる作家志望者も多い。(俺自身も何人か頼まれたわけで)

でも待って! その『自分の作品読んでください!』って、こちらに何を求めていらっしゃるのかしら? って思うことが多い。

  1. 作品コンセプトやテーマの選定

  2. WEB投稿作品としてのテクニック

  3. 作品を読んだ感想

  4. 作品の修正点や改善点

作家志望者が書籍化作家に聞きたい点は、大きく分けると①~④に分かれてくると思う。順番に見ていくと。

①作品コンセプトやテーマ

 作品で読者に訴えたいことや、作品自体の方向性や流行に即しているかに関して聞きたい場合、完成品である書いた作品を見せられても修正や提案は出せない状況だと理解して欲しい。(直す場合、大幅な書き直しになるのでその完成品捨てないといけなくなる)

 ①についてはアイディア構想時点で相談なり助言を求めてくれると、修正点や改善点、設定の矛盾などの提案を出しやすくなる。

 アイディアをパクられるのがヤダって思うなら、相談しない方が精神衛生上良いので、聞きたくないなら聞かなくてもいいかなと。

 個人的な経験だとアイディアは気の合う人と雑談しながら練る方がいいものができやすい気がする。

 これを製作前に聞いてくる人は、あんまりいないイメージ。製作した後に聞く人はわりといる。

②WEB投稿作品としてのテクニック

 基本的に投稿テクニックって言われる範疇のこと。WEB投稿サイトの読者に向けた作品のお化粧作りをする技術かな。

 ここは、経験者の助言がとても役に立つところなので、WEB上で評価を出したい作品にしたいとか思う場合、ランキング戦を勝ち残って商業化してる作家の人に助言を受けるのがいいかと。(ランキング戦を戦わないなら聞く必要のない助言なので聞かない方がいいよ)

 ↑はニーズのズレでトラブルが起きやすい事例の一つだしね。

 カクヨム投稿の場合、キャッチ>タイトル>あらすじ>中身って順番で重要度が決まるので、経験者はキャッチコピーのところをかなり重要視してる。(なろうはなろうでまた違うし、アルファは大量の文字数投下戦術って別の戦い方もあるので)

 キャッチコピーの修正やタイトルあらすじの修正を最優先に提案する方が多数いると思うんで、知恵を拝借するのはあり。ただ、中身に関しては読んでもあんまり言わないだろうし、タイトルあらすじの期待値が回収できた流れになってるかどうかを確認するくらいで、序盤以外読まないと思う。(自分はそうしてる)

③作品を読んだ感想

読んでくださいと言われて、読んだあとの個人の感想。個人としての物差しで作品の面白い、面白くない、好き、嫌いの判定をしてるだけなので、1個人の感想に留めればええかと。

 WEB投稿サイトには無数の読者が転がっているわけで作家の評価が作品すべての評価に直結はしない。(公募で選考委員とかを作家がしてる場合は直結するけども)

 自分の場合、読んでくれと言われたら、『1個人の感想として必ず受け止めるように』って言っている。好みはどうしても感想に出るしね。俺には合わないけど、他の人には合うなんてことはザラに発生するわけで。(むかし、俺が合わねえって感想を言った後輩作家の作品が、WEB投稿でめちゃくちゃ伸びたことはあるしね)

 頼まれた側も『1個人の感想です』って事前にお伝えしてから感想を言えば、そんな大きな揉め事にならずに済むかと。頼んだ側も重く受け止める必要はないやつ。褒められたら『ウェーイ』って思えばいいし、合わないって言われたら『それは貴方の感想ですよね』って思えばいい。

④作品の修正点や改善点

一番困るのがこれで、完成した作品を読んで修正点や改善点を教えてくださいって持ってくる人。

 大前提として、書籍化作家は作品を作る能力があるのが他人に認められた人だけど、作品を指導添削する能力に関しては未知数でしかないってことを頼む側の人も頭の中に入れておいて欲しい。(もちろん、指導添削能力を持つ作家の方も存在してる)

この完成作品に対する指導添削って能力は、作品理解をして何が悪いのかを見つけ出していくため、基本的に編集者寄りの能力であって、商業化してようが持ってない人は全く持ってない能力。(俺個人は全く持ってないので、お断りするし、感想しか言わない) 

作家よりか読み専の人の方が、添削能力は高い場合もあるしね。ただ、指導の方は作家として積み上げた経験値からやれてしまうので手を入れたりする人はいると思う。(俺個人は他人の作品に責任持てないから絶対に指導添削なんてことはせんけども)

上手くいったときは両者の関係はいいものになるけど、上手くいかなかった時、トラブルが起きやすい。

 指導添削を頼む側は頼んだ人に全権委任するくらいの覚悟をして欲しいし、頼まれて指導添削して手を入れた側はその作品の結果に対して責任を持ってくれと思う。

 それくらい、他人の作品に手を入れる行為は重大事。だから、講師や編集者やってる人はすごいと思う。

最後に

 10年WEB投稿活動してきた自分として得た結論は『どんなに仲が良い創作者同士でも、相手のニーズを聞かず(言わず)に作品に関して手を入れたらトラブルの芽が生える』ってこと。

 最近、投稿活動始めたとかだと、たぶんこの意味があんまり分からないかもしれないけど、俺の体感だと創作の揉め事の7割は↑で発生する。残りの3割は妬み嫉妬からってところ。

 トラブルに関しては守る物を持ってない方が確実に強い。なので、守る物がある人は身を慎む方が無難な選択。

 どうしても指導添削する場合は、相手にどういった意図でこれを話すのか懇切丁寧に理解してもらってから進めないといけない。雑に扱えば、確実に火種になるものだという意識は持ってた方が長生きできる。

 小説を書いて投稿活動をする人が増え続けてるため、指導添削のトラブルが何度も繰り返されてる。(それを専門でやってる人に依頼するか、講座受講した方がネットで能力のよく分からない人にしてもらうよりも何倍もマシかと)

 頼む側も自分がやって欲しいニーズを言ってもらう方がいいし、頼まれる側もニーズに対して自信がないなら断って欲しいって思う。

 俺自身としては、創作者同士の交流を否定するわけでもないけど、雑談相手としてや、ネタ作りのお手伝い、投稿テクニックの情報共有ってところくらいのラインで納めておいた方が、いろいろと面倒は避けられる。

 頼む側も頼まれる側もね。トラブルが元で、両者が執筆できないなんてのは無駄な損失でしかない。個人的に、WEB投稿者が向くべきと思う方向は『創作者側』ではなく『読者側』なので。

ps後輩作家陣へ

 善意から始めたことであっても、相手への敬意と言葉を惜しめば憎まれるのが今の世の中。自分は自分で守るように。

 あと作家寿命が下り坂でもないのに、人の面倒を見てる暇があるなら、自分の技術を磨き、少しでも生存領域増やし、生き残りの幅を広げることに集中するように。まだ書いたことない領域での新作書いてますか?(ブーメラン)

ps作家志望者へ

 WEB上で評価を出すテクニックと、作品の中身の質向上は似てるようで全く違うもの。感想は感想でまた違うし、アイディアへの助言も違う。なので自分が何を求めてるのかをはっきりとさせてから、聞くようにして欲しい。

 あと、商業化してるからって書籍化作家は神でもないし絶対的に正しい答えを持った人でもないことを理解しておいて欲しい。商業化に至る作品を作った経験値を持ってる人って認識でヨロシク。

 経験値からの助言が作品に合う場合もあるし、全く合わない場合もある。参考にするのかしないのかは自分で決断して取り込むように。自分で決断して取り込んだら、他責にしない。決断できないなら取り込まない。自分の作品は自分で決めるしかないからね。よき創作ライフを過ごされますように!