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国連総会のロシア非難決議、賛成しない国。WWⅢの参考に

国連総会緊急特別会合は3月2日(日本時間3日未明)、ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議を賛成多数で採択した。193カ国中、賛成は141カ国。

反対国(5)

ベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、ロシア、シリア

棄権国(35)

アルジェリア、アンゴラ、アルメニア、バングラデシュ、ボリビア、ブルンジ、中央アフリカ、中国、コンゴ、キューバ、エル・サルバドル、赤道ギニア、インド、イラン、イラク、カザフスタン、キルギス、ラオス、マダガスカル、マリ、モンゴル、モザンビーク、ナミビア、ニカラグア、パキスタン、セネガル、南アフリカ、南スーダン、スリランカ、スーダン、タジキスタン、ウガンダ、タンザニア、ベトナム、ジンバブエ

無投票(12)

アゼルバイジャン、ブルキナファソ、エスワティニ、エチオピア、ギニア、ギニア・ビサウ、モロッコ、トーゴ、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ベネズエラ

ウクライナ侵攻の良し悪しは置いといて(悪いのに決まっているが)何故賛成しないのか?ぱっと思いつくのが、軍事関係

1.軍事関係

まず、同盟。ロシアが加盟してるのが集団安全保障条約(CSTO)。加盟国は旧
ソ連の構成国アルメニアベラルーシカザフスタンキルギスタジキスタン。ウズベキスタンは2012年に脱退。アゼルバイジャンは加盟国のアルメニアと領土問題で紛争中だが、2022年2月、ロシアと軍事面での関係強化や領土紛争の解決に向けた協力を含む「同盟的協力宣言」に署名した。

次は、軍隊の装備がロシア製の国。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によるとロシアは減少傾向にあるとはいえ、2017~21年の武器輸出で米国のシェア39%に次ぐシェア19%で2位。

RUSSIA 武器輸出先

上記は2016~2021年間のロシアの武器輸出先一覧。SIPRIによる評価基準により順位付けしてある。赤字が賛成しなかった国。

ロシアはインドの防衛輸入の49%近くを占め、原子力潜水艦をインドにリースしてるらしい。エジプトは防衛輸入の36%がロシアだが、年々減少していて2021年は”0”。仏独伊からの輸入が増大して50%になっている。世界で3番目に大きな武器輸入国でもある。サウジアラビアは世界で2番目に大きな武器輸入国。カタールは世界で6番目。UAEは9番目。ロシアに頼り切っているわけではない。トルコは防衛輸入の15%がロシアだが、そもそもNATO加盟国。セルビアは防衛輸入の60%以上がロシアだが、EUへの加盟申請中。コソボとの関係改善が条件。NATOでもない。ウクライナと状況が似てると言えば似てるが、ロシアと国境を接してないし、当然旧ソ連でもない。ユーゴスラビアの時もワルシャワ条約機構に加盟せず、トルコ、ギリシャと同盟し、間接的にNATOよりだった。でも各国がロシアへの航空機乗り入れを停止してる中、エアセルビアは停止していない。ユーゴ紛争中はロシアが後ろ盾だったので無下にもできない。それにEUがウクライナ即時加盟を認めたら怒るだろうな。意外なのはミャンマー。防衛輸入の20%がロシアで比較的少ないが、中国が45%。なのでミャンマー国軍はロシア支持を表明しているのに、国連大使は国連決議に賛成。ミャンマーの外国大使は亡命政府化してるのかな。

2.お金

残った賛成しなかった国の共通点は?最貧国が多い。 IMFの統計によると2020年の一人当たりのGDPで、ブルンジはワースト1位。(南スダーン2位)(モザンビーク4位)マダガスカル5位。(中央アフリカ6位)(スーダン17位)ギニアビサウ18位。ルワンダ19位。ブルキナファソ20位。(タジキスタン21位)(マリ22位)トーゴ23位。ウガンダ24位。(エチオピア26位)ここまでが$1000以下。ギニア28位。タンザニア29位。(キルギス31位)。()は軍事関係を確認した国。

3.(国境)紛争

インドとパキスタンは仲が良いとはいえないが、賛成しないことでは同意見。アルジェリアとモロッコも兄弟国のようなものだが、国交断絶までしてるのに、ここでは同意見。アルメニアとアゼルバイジャンも。南スーダンはスーダンから独立後も内戦続き両国のお隣の中央アフリカも内戦続き。そのまたお隣がコンゴ。ここら辺と、モザンビーク、マリにはロシア人傭兵が跋扈する。エチオピアは、ティグライ州に反政府組織を抱え、その組織が隣国エルトリアを攻撃するというわけのわからないことになっているが、ここではエルトリアは反対し、エチオピアは無投票と歩み寄りを見せている。ここら辺の国々は国境紛争を力で解決する道を残しておきたいのかな?ある意味正直とも言える。アフリカから中東にかけては他にも紛争は多い。例えばイエメンだが、政府(サウジ支援)反政府(イラン支援)といった具合なので、察しはつくし、純粋な内戦で国境は関係ないかもしれない。

4.中南米(反米?)

ボリビア、革命家チェ・ゲバラが死んだ国だが、2006~19年に大統領を務めたエボ・モラレス(社会主義運動党)は再評価していた。選挙で不正を働いたとして、亡命していたが、再選挙で、社会主義運動党の候補が大統領になり、帰国。反米です。米国もちょっかいだしてる。

ニカラグア、もっと反米です。反米左翼ゲリラであるサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)出身のオルテガが、2021年の大統領選で4期連続5回目の大統領に就任して、ほぼ独裁。難民の発生源でもある。

ベネズエラ、南米反米のパトロンです。産油国にありがちな、石油の使い道が国民に向かない国のようです。

エル・サルバドル、内戦を挟んで、親米右派、反米左派政権ときて、今は中道右派とされる。世界で最もクールな独裁者と名乗ったこともあるナジブ・ブケレ大統領。私には、米国の内政干渉にも見える行為に怒って反米やってると思える。

5.その他

北朝鮮、キューバ。IMとかに加盟してないのでデータがない。データが無くても理由が分かる国だが。南アフリカ、ジンバブエ。理由はわからないが、両国の共通点は、独立後もアフリカにおける白人支配の国だったこと。

6.賛成した国でも..

イスラエル。ロシアの新興財閥にはユダヤ人が多い。市民権をねだられたら与えるかも。サウジアラビア、UAE、カタールとかも、新興財閥の受け入れ先になるかも。了

追記 2005年の映画 ロード・オブ・ウォー「史上最強の武器商人と呼ばれた男」のオープニング。ニコラス・ケイジ演じる主人公ユーリはアメリカ在住ウクライナ人の武器商人。ユーリの掟

自分の商品では撃たれないこと。
常に支払いの確保をしておくこと。
自ら銃を持って顧客に加勢しないこと。
戦争をしないこと。特に、自分自身とは。


参考記事

インドは中国、パキスタンの脅威に対応するためのロシアの武器を確信していない

ウクライナ戦争が激化する中、イスラエルは寡頭制の運命に取り組んでいます



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