さてさて、心の病理です。心(こころ)の病というくらい心(しん)と情緒の関係は深いようです。前回に引き続き、他の臓腑との関係性も交えながら心の病理が述べられているのが面白いところです。
原文
解説
心と五志
ここでは心による病理が書かれている。まずは東洋医学概論に載っている五志を見てみよう。
心の五志は「喜」であるが、ここでは怵惕(こわがる)・思慮(思)によって病むことが述べられています。また素問には憂が心の病理として述べられており、前回の一節と同じで五志と一致しない。甲乙経でもこの点は疑問視していて
なぜ肺と脾でも憂や思があるのに、心の病として書かれているのだろうか?と問題提起しています。
以下で心と「憂・悲」「喜」「思」との関係性が述べられています。