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平川門から「山の上ホテル」に

久しぶりに昔の職場仲間と学士会館で食事をした。竹橋駅で降りたが、集合の12時まで、まだ時間があるので、平川門を見ていこうと思いたった。江戸城三の丸への入口だが、改めて枡形の広さに驚く。小さなマンションが建つのではと思える位に広い。内側には守備兵が登るための石段がある。塀の白壁が美しいなと思っていると、狭間がないのに気づく。門の狭間は埋められている。これでは敵兵を塀から見ることができない。築城時からないのか、平和な時代が続くうちに埋められたのか不思議だ。戦時には漆喰を壊すと狭間が現れるのだろうか。吉宗のときに塀を再建しないで松を植えた故事もある。狭間のない城門は、平和の象徴なのだろう。

平川門
平川門 塀に狭間がない

平川門を出て、白山通りを行くと外堀に架かる一ツ橋がある。堀を見ると江戸城の石垣が残っている。

一ツ橋から見た石垣

今日の会合場所の学士会館は、ここから近い。学士会館のある場所は、東京大学発祥の地で、明治10年に創立された東京大学が、明治18年に本郷に移転するまで、この地にあった。

学士会館

学士会館でかつての同僚4人との食事中に、山の上ホテルが休館予定なので、行ってみようということに話がまとまる。1937年に完成したが、休館は老朽化のためらしい。学士会館前の白山通りから神保町の古書店の通りに出て、さらに駿河台の明大通りを登っていく。明治大学を過ぎたところで左側の坂の上に山の上ホテルが見えた。喫茶で休もうとしたが、5時間待ちとのこと、せめて館内を見学だけさせてもらった。

山の上ホテルは、数々の洋風建築を設計したウィリアム・メレル・ヴォーリズによるアール・デコ調の建物で、内装もレトロな雰囲気を醸して洒落ている。長年にわたり、文化人に利用されてきたホテルとして名高い。山の上ホテルに掲示されている案内によると、竣工から86年が立ち、「建物の老朽化への対応を検討するために」、2024年2月13日から当面休館するが、再開時期は未定である。建物の文化的価値を保存しつつ、建築物としての安全性を確保にする。そんな課題に山の上ホテルは直面しているようである。

坂の上に「山の上ホテル」

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