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マゼラン海峡・ドレイク海峡・ビーグル水道

南アメリカ大陸の南端に太平洋と大西洋を結ぶ3つの海峡、マゼラン海峡・ビーグル水道・ドレイク海峡がある。マゼラン海峡、ドレイク海峡、ビーグル水道の順に、ヨーロッパ人に知られるようになった。

数年前にクルーズで南アメリカの世界最南端の町ウシュアイアを観光した。ウシュアイアは、ビーグル水道を大西洋から入って、フェゴ島の南側にある、夏でも雪に覆われた山脈を背景にした美しい港町である。その小さな町で、わたしたち夫婦は、カニを食べ、土産物屋に入り、旧刑務所博物館を見学し、スーパー・カルフールCarrefourに入り、そして最後に遊覧飛行を楽しんだ。眼下には静かなビーグル水道が広がっていた。入り組んだマゼラン海峡のような水域を想像していたため、ビーグル水道の悠々とした光景にむしろ驚かされた。

ウシュアイア
カニ料理
カニ・レストランTIA ELVIRA

ヨーロッパ人がこれらの海峡に現れたのは、マゼラン海峡、ドレイク海峡、ビーグル水道の順であった。

マゼラン海峡
は、南アメリカ大陸とフェゴ島の間に位置している迷路のように入り組んだ難航路である。マゼランは、ここを1520年10月から11月に2か月程かけて、ようやく太平洋に達することができた。数年前に、ウシュアイアを出航してパタゴニアからこの海峡を航海したが、乗客を安心させるために、「専門の水先案内人が乗って安全に通行している」との船内放送が流れた。

南アメリカ最南端のホーン岬と南極の間にあるドレイク海峡は、人類2回目の世界一周を成し遂げたフランシス・ドレイクの名前に由来する。波の荒い海峡として知られ、南緯60度付近は、「絶叫する60度」といわれる荒れ狂う海域がある。1578年にドレイクの船団が南太平洋で暴風に会いホーン岬に漂着したことで、南アメリカと南極の間には、つながっていると思われていた両大陸間に海峡が存在することが知られた。

そして、第三の海峡が幸運のビーグル水道である。フェゴ島とその南の島との間の水路にあたり、穏やかで真っすぐな道が太平洋と大西洋を結んでいる。ビーグル水道の名前は、チャールズ・ダーウィンを乗せたビーグル号の名前に由来する。この航海(1831〜1836)によりビーグル水道の存在が知られるようになった。私たちが旅したときも海路は穏やかで、静かなクルーズであった。ウシュアイアでは、夫婦で遊覧飛行を楽しんだが、機内から見下ろすビーグル水道は、悠々と流れる大河のようであった。

マゼラン海峡、ドレイク海峡、ビーグル水道と歴史に登場した順番を思うとき、幸運は最後にやって来ると思いたくなる。まさに「残りものには福がある」である。

遊覧飛行で観たビーグル水道


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