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【船殻破り禁止記念企画】インタビューから垣間見るEDHのパワーレベル

はじめに

 やあみんな、シンジだ。前回までの記事では《再構築者、オスギル/Osgir, the Reconstructor》のEDHリストについての解説を行ってきた。

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 そして今回は《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》のコンボと《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》のコンボについての説明を行っていく......つもりではあった。

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 しかしここは一旦閑話休題、《船殻破り/Hullbreacher》が禁止になったことを受けて以下のような企画を行ってみた。

その名も...

 『オンラインEDHプレイヤーに船殻破りのみならずいろいろなカードについてインタビューをしてみよう』!

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インタビューの概要

 今回のインタビューは、日本のDiscordサーバーにてオンラインEDH対戦を行っている方3名に行ったものだ。この3名はそれぞれ主戦場としているレベル帯が異なっていて、Aさんは9前後(cEDH)、Bさんは7前後、Cさんは5前後のデッキを好んで用いている。この方々にそれぞれ同じ質問を行うことで、日本のオンラインEDHのパワーレベルの雰囲気を垣間見ようというのがこのインタビューの主な趣旨だ。

 それではさっそく行ってみよう。まずは卓全体の雰囲気に関する質問、その次に個々のカードに関する質問を行うぞ。

試合時間について

 ────あなたの卓の大雑把な試合時間を教えてください。

 A: ほとんどの場合、30分以内に終わります。ただ、複数人がカウンターや除去を構えていることが多いのでコンボの最速ブッパは通りづらく、5分で終わったりすることはまれです。
 B: 30分から1時間といったところでしょうか。デッキ的に3ターンキルが入ってるものは少ないと思います。複数回のリセット呪文が打たれたりした時には1時間のゲームになったりします。
 C: だいたい1時間以上かかります。やはりそれくらいの長さだと、1ゲームの中で4人全員のデッキに見せ場ができることが多いので楽しいです。

卓の勝利条件について

 ────あなたの卓のゲームの勝利条件はどういったものが多いですか?

 A: コンボでの勝利以外ほとんど見ません。《むかつき/Ad Nauseam》等でライフを払いすぎた人が総攻撃を食らって退場することがたまにありますが、基本的には3人が即座に死亡するコンボを決めた人が勝ちです。

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 B: 大体の場合、コンボを決めた人が勝ちます。ただ時々「殴りジェネラル」を用いる人がいたり、あとは《召し上げ/Expropriate》等が解決した時に3人が投了して終わったりもしますね。グダった試合だとコンバットやドレイン等で一人ずつライフが0になることもあります。

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 C: 基本的にはコンバットで、たまにコンボもあります。ただ、コンボと言っても先の質問でお答えしたように試合が長引いた後に決まるものなので、基本的にはしっかりとクリーチャーを展開したり除去を打ったりすることが大切です。

感嘆する時について

 ────ゲーム中に感嘆することがあるとすれば、それはどんな時ですか?

 A: 対戦相手のプレイングが上手かった時です。EDHは相手の妨害をかいくぐってコンボを決めるゲームなので、仕掛けるタイミングやパーツの切り方が上手い人に感嘆します。
 B: 初めて見るジェネラルが対戦相手に来た時には嬉しくなります。どんなデッキなのかを見せてもらいたいので、わざと除去を使わずにコンボを通したりもしますね(笑)。
 C: 全く見たことが無いカードが驚くようなシナジーを生んだ時です。EDHはカードプールが広いので、色々なカードに出会うことも楽しみの一つです。

船殻破りについて

 ────船殻破りが禁止されました。これについてのあなたの考えを聞かせてください。

 A: 当然といえば当然、意外といえば意外です。確かに私のレベル帯でも船殻破りは青の必須カードで、青含む3マナが立っていれば警戒しなければならないカードではありました。余りにも強かったので、禁止されても驚きません。しかしながら、EDHの禁止改定を行っている団体がcEDHを想定した禁止改定を行うとは考えにくいです。本場アメリカのカジュアルなEDHでは本当に船殻TTが飛び交っているのでしょうか?
 (筆者注:船殻TTとは、船殻破りと《Timetwister》を合わせたコンボ。相手3人の手札をカラにしてこちらは7ドロー、おまけに宝物トークンが21個生成される)

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 B: 最強クラスの妨害札かつフィニッシャーでしたので、ほぼ全ての青いデッキに入っていました。少なくとも健全なカードではないので、禁止は妥当でないかと考えます。これでまた、ドロー主体のジェネラルである《伝承の語り部、チュレイン/Chulane, Teller of Tales》等の人気が増えてくるのではないでしょうか。

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 C: あまり出されたことが無いし私も使っていないので、よく分からないというのが正直なところです。ただ、カードをたくさん引くことができる青にあの効果を渡したのはいかがなものかとは思います。

次なる禁止について

 ────現在使用できるカードの中で、禁止にされるべきカードはありますか?

 A: 正直、無いと思います。どのカード、どのコンボにも弱点はあり、そこを突くのがメタゲームだと考えているからです。ただ、オンラインEDHで挙動が大変面倒な《敵対工作員/Opposition Agent》は禁止推奨にしてもいいのではないでしょうか。

 ────《ドラニスの判事/Drannith Magistrate》については?
 A: ドラニス禁止は恐らく無いでしょうし、また必要無いとも考えています。ドラニスを巡る攻防はゲームに良い影響を与えているからです。

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 B: 船殻破りを禁止にするのなら、ドラニスの判事や敵対工作員も禁止にしてもいいかと思います。またこれは私怨になってしまうのですが(笑)、アーティファクトデッキを使うことが負け筋になりうる《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist》も一緒に投獄されないかなあと思っています。

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 C: 第一に思いつくのは、やはりドラニスの判事です。それ以外には特にありませんね。「これは使うべきではないな」と思ったら、入れないだけですから。

 ────使うべきではないカードとは?
 C: 特定のデッキが完全に機能不全になる《安らかなる眠り/Rest in Peace》のようなカードは、私はデッキに入れないようにしています。あ、もちろん他の人も入れるなと言っているわけでは無いですよ。

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《魔力の墓所/Mana Crypt》について

 ────魔力の墓所について、あなたの考えを聞かせてください。

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 A: EDHの手荷物検査のうちの1つであり、入らないデッキは想像がつきません。デッキを複数個作りたい人は、頑張って複数枚買いましょう。
 B: 私の卓では、半分以上のデッキには入っているのではないでしょうか。しかし、無いと戦えないというわけではありません。100枚のうちの1枚ですしね。
 C: たまに見ることがあります。私は持っていませんし、面白いカードだとも思わないので買う予定もありません。たまに1ターン目に置かれる試合がありますが、その時は置いた人が勝ちます。

 ────《太陽の指輪/Sol Ring》については?
 C: それは恐らくほぼ全てのデッキに入っているでしょう。うーん、そう言われると確かにEDHならではの強さを味わえるカードと強すぎてつまらないカードの線引きは難しいですね。

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デモコンタッサについて

 ────《タッサの神託者/Thassa's Oracle》と《Demonic Consultation》、あるいは《汚れた契約/Tainted Pact》を組み合わせたコンボについて、あなたの考えを聞かせてください。

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 A: デモコンタッサは色が合うならば入れない理由が無いですね。また逆に、デモコンタッサの存在がジェネラルを決める要因の一つでもあると思います。最強クラスのコンボではありますが、《忍耐/Endurance》等の墓地修復や《ガイアー岬の療養所/Geier Reach Sanitarium》等の強制ドローなどで対抗できるので良い塩梅に収まっているのではないでしょうか。

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 B: 私個人の話ですが、このコンボは使わないようにしています。もちろん決められてもキレたりすることはありませんが、なんとなく自重したいといった風潮が卓全体であるような気がします。タッサではなく《神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteries》であったり、デモコンではなく《催眠の宝珠/Mesmeric Orb》を用いた無限ミル、あるいは無限ターンの終着点がタッサであったりすると多少マシ......でしょうか。

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 C: 存在は認知していますが、実際に見たことは一度もありません。EDHの面白さはそこには無いでしょう。


おわりに

 いかがだっただろうか。このインタビューの内容は、みなさんにとって意外だっただろうか。それとも納得のものだっただろうか。

 今回の記事はあくまで個人の意見を示しているにすぎないので、日本のEDH全体の思想を示しているわけではない。また当然ではあるが、どのレベル帯のゲームが優れているかというような話では全く無い。しかしながら、みなさんが新たな場所でEDHを行う際にこの記事が少しでも参考になれば幸いである。

 また、今までの僕の記事に「スキ」ボタンを押してくれた方々、またコメントをくださった方へこの場を借りてお礼を申し上げたい。

 今回の記事についても、質問事項や改善案があれば気軽にコメント欄に記入してほしい。

 それではまた次回。アディオス!!

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