【EDH】全てのマナ加速愛好家へ捧ぐ《収穫の神、ケイラメトラ/Karametra, God of Harvests》
強くてシンプルなデッキを作りたい? → Yes
三度の飯より巨大生物が好き? → Yes
土地が大量に並ぶ快感が欲しい? → Yes
OK、君にぴったりのジェネラルがある。
はじめに
ようこそ! 僕はシンジ、さすらいのコマンダー愛好家だ。
突然だが、『ティミー、ジョニー、スパイク』という言葉は聞いたことがあるだろうか? これはウィザーズがMTGプレイヤーを分類したときに、大きなグループ分けとして3つのタイプが見つかった、という話だ。
詳細はMTG Wikiを参照してほしいのだが、大雑把に言うと、ティミーは派手さを、ジョニーはコンボを、スパイクは勝利を好む傾向にある。
誰しもがこの3つに分類されるというわけではないのだが、一旦ここで自分自身のことを考えてみてほしい。そして、もしも自分にティミーらしさが少しでもあるならば、ここで僕の話を聞いていってくれ。
全てのPower Gamerへ、この記事を捧げよう。
なお、この記事は"ハセワワ@赤以外の全て"様の記事『【デッキリスト】ケイラメトラ』から刺激を受けて執筆したものである。
ハセワワ氏にはこの場をお借りして感謝を申し上げると共に、この記事の読者の方々にはぜひ双方の記事を比較して味わってほしい。
きっとEDH、そしてケイラメトラが持つ奥深さを実感できるはずだ。
前口上はこれくらいにして、ここからはデッキについて語っていくとしよう。よろしく!
デッキリスト
では早速、現在使っているデッキリストをご覧いただこう。
名付けて……「ケイラメトラ=ハードランプ」!
6マナ以上のヘビー級クリーチャーが15枚も搭載されているスーパーハイカロリーデッキだ。しかも踏み倒し等は行わず、普通に土地をタップして召喚していく仕組みになっているぞ。次々と巨大生物を繰り出して、盤面を制圧しよう!
ケイラメトラとは?
さてここから本題、ケイラメトラの能力についてじっくり見ていこう。
「神々の軍勢」で登場した神サイクルのうちの1枚。テーロスの神の一柱で、収穫・家庭・庇護を司るらしい。
緑白の信心が7未満の状態ではただのエンチャントで、信心が十分集まると6/7という優秀なスタッツで動き出す。
(信心:自分の場にあるパーマネントの色マナシンボルの数。ケイラメトラのみで既に2つある)
オマケのように付いている破壊不能も素晴らしい。《解呪/Disenchant》系のスペルで壊されることはなく、またクリーチャー化した状態で全体除去などを打たれても破壊されることはない。
しかし真に強力なのは最後の能力だ。自分がクリーチャーを唱える度に、山札から森か平地を場に出すことができる!
……それだけ? と思った人がいるだろう。
ああ、それだけだ。しかし、これを甘く見てはいけない!
マナの伸ばし方
この章では、ケイラメトラのランプ(土地加速)能力についてのディープ・ダイブを行っていく。
「クリーチャーを唱える度に土地が増えることがそんなに嬉しいことなの?」と、疑問に思う人もいるだろう。安心してほしい。ここでしっかりと語っていくぞ。
緑のほとんどデッキには、《極楽鳥/Birds of Paradise》などのマナクリーチャーが入れられている。これらの生物は序盤こそ強力なものの、ゲームの中盤以降は役割を失い、無駄牌になってしまうことが多い。
しかしながら、ケイラメトラならば、ゲームの途中に引いたマナクリーチャーも、唱えるだけで土地加速のオマケが付いてきて無駄にならない。マナクリーチャーのうま味を最後までたっぷり味わうことができるのが、ケイラメトラの利点のうちの一つだ。
……。まだ不満そうな顔をしている人がいるみたいだな。でも大丈夫。本番はここからだ。
このデッキを語る上で欠かせないカードが、《白たてがみのライオン/Whitemane Lion》と《コーの空漁師/Kor Skyfisher》の2枚である。
使い方は簡単だ。ケイラメトラが出ている状態で、これらのうちの片方をキャストするだけ。以下ではライオンを例に説明するが、空漁師でも使い方は全く変わらない。とりあえずここでは便宜上「ライオンループ」と呼ぶことにしよう。
この一通りの動作で何が起こったか分かるだろうか? そう、2マナ払って土地が1つ増え、手札は全く変わっていない。つまり、ケイラメトラがいる状態でライオンor空漁師を出せば、2マナ払う毎に土地が1つずつ伸びていくわけだ。ケイラメトラが出た次のターン、ランドセットして6マナ。ライオンループを3回。これだけで9マナに到達する。
次のターンには10マナ、それでも足りなければまた5回ライオンループして15マナ! 圧倒的な加速でライバルに差を付けよう。
しかしここで、ライオンループをしている間に攻撃を受けてしまったらどうするのか、という懸念が生まれる。その考えはもっともだ。しかしこの点も心配御無用。とっておきのカードがある。《死者の原野/Field of the Dead》だ。
この土地は、自分の場の土地が7種類を超えている状態ならば、土地を置くだけで2/2のゾンビが1体ずつ出てくるスーパーカードだ。これをライオンループに組み込むことで、2マナ払って土地の数を増やし、更にゾンビも出て、手札は全く減っていない状態を生み出すことができる。毎ターン何体もゾンビが湧いてくるので、地上から攻められることは無くなるだろう。
しかし死者の原野を運用する上で重要なのは、この土地をアクティブにするためにどうやって土地を7種類、しかも2色のデッキで、揃えることができるかである。だがここで思い出してほしい、ケイラメトラの能力を。彼女のランプ能力は、「森カード1枚か平地カード1枚を探し」、場に出す。ここには「基本土地」とは書いていない。つまり森or平地タイプを持っている土地ならば、単色多色問わず、なんでも持ってくることができるのだ!
上記画像のように、死者の原野、森、平地、冠雪の森、冠雪の平地、あとは森+平地タイプを持つ2色土地を2枚置くだけで7種類揃ってしまう。ライオンループをする中で、場に出ていない土地を山札から探して置いていくだけであっという間にゾンビが出始めるぞ。
また、ライオンループの凄さはそれだけに留まらない。死者の原野だけでなく、他のカードと組み合わせることでより一層のシナジーを生み出すのだ。
土地を伸ばしつつ盤面の優位を築いていく快感は、筆舌に尽くし難いものがある。序盤……は流石に隙があるが、ケイラメトラが安全に着地してからは私たちのゴールデン・タイムだ。嵐のように繰り出される巨大生物たちの力で、相手を粉砕していこう!
勝ち筋について
さて、このデッキの動かし方について理解いただいたので、ここからは実際の勝ち筋について語っていこう。なにせEDHは、例えば7/6の生物を立てただけでは勝ち筋になり得ない。何故なら、相手は3人もいて、そしてそれぞれに40のライフが割り当てられているからだ。
ここでは、ただ大きいだけでなく、君を直接勝利に導くカードたちをご紹介しよう。このデッキの勝ち筋は、主に下記の2つだ。
①《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》の力で、相手を挽き肉に変える。
こちらが十分に展開できていても、相手も中々のスタッツを持つ生物を並べだしたときには、ボードが膠着してしまうことがある。その均衡を一気にブチ破るのが、このカードだ。
このデッキはあらゆるクリーチャーのキャストに対して2/2のゾンビがオマケとして付いてくるため、ボードに10体くらいの生物が並ぶことは珍しくない。そこでビヒモスをキャスト。キャスト誘発で土地が出る。ゾンビも出る。そしてビヒモスが着地。現在ボードには12体いるため、全てのクリーチャーに+12/+12修正とトランプルを付与。つまり合計修正値は144! このターンに出たゾンビが攻撃できないことを加味しても、相手3人分のライフくらい簡単に吹っ飛ぶことが想像できるのではないだろうか。
序~中盤で展開されたマナクリーチャー、どこかのタイミングで召喚して忘れ去られていた《ウッド・エルフ/Wood Elves》までもが筋肉ダルマとなって相手に襲い掛かるぞ!
なお、このビヒモスについては、あまりにも強力でプレーの楽しさを損なっていると感じてしまう場合には抜くことを推奨する。それくらい、強力なカードだ。
②巨大エルドラージの力で、相手を宇宙の塵に変える。
キャストをしただけで膨大なアドバンテージを獲得し、困難な状況を一気に打開する。それがこの、エルドラージ・タイタンたちだ。
4ドローも、パーマネント2つ追放も、相手のターンをコントロールすることも、あるいは滅殺4も、ライブラリー20枚追放も、相手のデッキを機能不全に陥れるためには十分だ。1回のパンチで40点削り切ることはできなくても、逆転の目を積んでしまえばどうということはない。
また、使ってもらえると分かるが、これらのカードは使っていて気持ちがいい。本当に気持ちがいいのだ。これはプレイしないと分からないことなので、少しでも興味がある人は是非とも買ってほしい。絶対に後悔しないことをここに約束しよう。
なお、このデッキに入っている《虚空の選別者/Void Winnower》も、1枚でゲームを決められる力を持っている。相手のデッキの偶数呪文を封じる効果で、ピタリと動きが止まる相手も少なくない。また、偶数コストのクリーチャーのブロックを禁じる効果は、トークンも0マナのためブロックできなくなるため、攻撃の通りやすさが格段に上がるぞ。
高額カードについて
予算は人それぞれなのだが、あまりデッキの動きに関係ない高額カードの購入をためらってしまうのは皆同じだろう。そういった点で言うと、このデッキの《森の知恵/Sylvan Library》や《忍耐/Endurance》なんかは、もちろん使ったら強いのだが、無くても全く困らない。財布と相談しつつ好きなカードに変えよう。
なんでそれ入れてるの? という問いに対して、好きだから! と胸を張って答えられるような、そんなカードも入れられるのが、EDHの素晴らしい点の1つだということを忘れないようにしたい。
おわりに
いかがだっただろうか。このデッキの魅力が、一端でも伝わっただろうか。この記事を読んで、ケイラメトラを組んでみようと考えてくれた人が、もしくは、ケイラメトラでなくてもこれからEDHを始めようと思い立ってくれた人が1人でもいたら、それは望外の喜びだ。
今回の記事は一旦ここまでとしたい。今後、リストの更新等があればまた追記するかもしれないし、もしくは次の記事は別のデッキになるかもしれない。いずれにせよ、みんなとまた出会える日を楽しみにしている。
質問事項や改善案があれば気軽にコメント欄に記入してほしい。
それではまた次回。アディオス!!
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