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コヨミ舎の守り神〜最後の「熊彫り」 藤戸竹喜さんの親子熊

東川町の雑貨店「コヨミ舎」の守り神は木彫りの熊。道東の阿寒湖湖畔で自らを「熊彫り」と名乗り、木彫り熊を土産品から芸術に昇華させた藤戸竹喜さん(1934〜2018年)による2010年(平成22年)作の親子熊です。新型コロナウイルス禍で店舗休業中のため、今は自宅に持ち帰っていますが、営業が再開したらぜひ見ていただきたい、見事な作品です。(コヨミ舎の2019年8月15日付け記事を一部修正して再掲)

木に登る子熊と見守る母熊

レジ横に目立たないよう置かれているため
気付かないお客様も多いようですが
コヨミ舎には木彫りのクマさんが
「守り神」として鎮座しています

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藤戸竹喜(ふじと・たけき)作
「木に登る子熊と見守る母熊」

アイヌ民族の藤戸さんは
旭川で少年時代を過ごし
のちに移り住んだ道東の阿寒湖畔で
生涯、木彫りの技を磨きました

自らを「熊彫り」と称し
惜しくも2018年10月
84歳で死去されました

コヨミ舎の親子熊は
藤戸さん晩年の作品です

優しさの中に感じるもの悲しさ

精緻な技術は素晴らしいの一言ですが
やさしさにあふれているのに
どこかもの悲しさや哀しさも感じます

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そういえば藤戸さんは
生まれてすぐ
お母さまを亡くされたそう

子熊は木から降りられなくなったのでしょうか

困った顔をした子熊が藤戸さんご自身で
優しく見守る母熊は亡きお母様だと見れば
お母様を慕う藤戸さんの気持ちが伝わるようで
もの悲しさの意味を感じられます

これはコヨミ舎流の解釈ですが
見る人それぞれの心に
一編の物語が浮かぶような
作品だと思います

木彫り熊を芸術の域に

アイヌの人々が
カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)
と呼んだ大雪山はヒグマの聖地

その大雪山のふもとの町にある
コヨミ舎に
この親子のクマがやって来たのも
何か不思議な縁があったのでしょう

「守り神」なので
売り物ではありませんが
興味のある方は
ぜひゆっくりご覧ください

写実を極め
木彫り熊を芸術の域にまで高めた
藤戸竹喜という作家を
多くの人に知ってもらいたいと思います

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