見出し画像

11月第4週のお悔やみ件数 旭川圏、札幌圏とも前週より減少〜ふんばる「医療」

11月第4週(22~30日の9日間)
 上川全域12.8人(前週比3.5人減)、うち旭川市7.7人(同1.3人減)
 石狩全域32.9人(前週比1.7人減)、うち札幌市26.3人(同0.3人減)

今週、北海道新聞の無料お悔やみ欄に掲載された1日当たり平均人数は上の通りでした。札幌市内は前週並みだったものの、その他の地域では前週より少なくなりました。前々週の11月第2週ごろに見られた、道内で「亡くなる人がいつもより多い状態」はやや緩和したようにも見えます。
新型コロナウイルスの新規感染者数は依然多いものの、ビジネスホテルなどを活用した軽症者向け宿泊療養施設が次々整備されるなどして、医療がギリギリ踏ん張っているのかもしれません。
ただ都道府県の公表データなどを基にした新型コロナウイルス対策ダッシュボードによると、道内の病床使用率は11月29日時点で68.9%となり、前週11月20日時点の63.8%からさらに悪化しました。油断できない状況はなお続いており、医療へのサポートはまだまだ足りません。

画像1

道新お悔やみ欄集計JPG表

道新お悔やみ欄集計JPGグラフ

なぜ新聞のお悔やみ件数を数えているのか?

新型コロナウイルスは検査が進まないことと合わせて、肺炎以外にもさまざまな症状で亡くなる人が多いようで、国や都道府県が発表している「感染者数」「死亡者数」が、必ずしも実態を反映していない恐れがあります。

こうした事情から、新型インフルエンザが原因かどうかは別にして、今この時に亡くなる人が周囲で急に増えていないかどうかを把握しようと、新聞の無料お悔やみ欄に着目しました。旭川市と旭川圏(上川管内町村部+旭川市)、札幌市と札幌圏(石狩管内町村部+札幌市)の4つの数字を、2020年3月から1週間ごとに集計し、表とグラフにまとめています。

道内で世帯普及率が高い北海道新聞の無料お悔やみ欄は利用者が多く、亡くなった人の「実数」を表す数字ではないものの、その週に亡くなった人が多かったか少なかったかの傾向をつかむ参考にはなると考えました。

週ごとの増減にあまり一喜一憂する必要はありませんが、季節性インフルエンザの大流行や猛暑による熱中症の多発、大きな事故といった思い当たる理由がないのにお悔やみの件数が急増した時は、新型コロナウイルスによる医療崩壊などが想像されます。それはおそらく、国や都道府県が発表する新規感染者数や死亡者数などの統計より早く数字として表れてくるはずで、感染爆発を察知する手段の一つになるのではと考えています。

実際にイタリアでは2020年3月、地方紙のお悔やみ欄掲載件数の異常な増加に気がついた地元紙記者が公式発表との食い違いを取材し、感染爆発をスクープしました。下のリンクは朝日新聞の2020年4月11日付けの記事です。

「実際の死者もっと多い」イタリア記者、お悔やみ欄注目

行政が死亡届受理件数などを随時公開してくれればいいのですが、そうはなっていないので、次善の策として個人的に集計しています。日本も政府の発表に今ひとつ信頼がおけないので、いろいろな手法を駆使して感染拡大を察知することが大切だと思います。

北海道内外の動き

2月11日 さっぽろ雪まつり閉幕
2月14日 札幌市の男性が陽性。道内在住者の感染第1号
2月28日 知事が緊急事態宣言。3月19日まで継続し翌20日から緩和
4月12日 感染第2波を受けて知事と札幌市長が緊急共同宣言
4月16日 政府が緊急事態宣言の対象を北海道を含む全国に拡大
5月25日 緊急事態宣言解除。北海道と1都3県は移動自粛要請を継続
6月1日 ほぼすべての業種で営業自粛要請解除
6月19日 政府が都道府県境をまたぐ移動制限を全面解除
7月2日 東京都の新規感染者100人超
7月9日 東京都の新規感染者200人超
7月22日 Go To トラベル、東京発着を除外してスタート
10月1日 Go To トラベル、東京発着も対象に
10月23日 道内の新規感染者数が過去最多の51人に
10月28日 北海道が警戒ステージを1から2に引き上げ
11月5日 道内の新規感染者数が119人。初の3桁に
11月7日 警戒ステージを2から3に引き上げ
11月9日 道内の新規感染者数がちょうど200人に
11月20日 道内の新規感染者数が300人超。304人に

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?