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札幌圏で再び大きく増加 旭川圏も依然高水準〜12月第3週のお悔やみ件数

北海道新聞の無料お悔やみ欄に掲載された12月第3週の1日当たり件数は、ここ数週間落ち着いていた札幌市で前週比4.3人増(=18.1%増)と再び急増しました。札幌市のお悔やみ件数としては3月に統計を取り始めて以来、最も多い水準です。クラスターが多発している旭川市の件数も高止まりしています。
道内では新規感染者数が落ち着いてきているため「減少局面に入った」との見方も出始めています(12月20日付北海道新聞「道内コロナ 減少局面か 自粛要請が一定の効果」など)が、引き続き油断はできないと思います。

12月第3週(15〜21日)のお悔やみ件数
 上川全域13.6人(前週比0.1人減)、うち旭川市9.1人(同0.4人減)
 石狩全域30.7人(前週比5.4人増)、うち札幌市28.0人(同4.3人増)

道新お悔やみ欄集計JPG表

道新お悔やみ欄集計JPGグラフ

都道府県の公表データなどを基にした新型コロナウイルス対策ダッシュボードによると、全道の病床使用率(12月20日時点)は54.1%で、前週12月13日時点の65.7%から減少しました。 

なぜ新聞のお悔やみ件数を数えているのか?

新型コロナウイルスは検査が進まないことと合わせて、肺炎以外にもさまざまな症状で亡くなる人が多いようで、国や都道府県が発表している「感染者数」「死亡者数」が、必ずしも実態を反映していない恐れがあります。

こうした事情から、新型インフルエンザが原因かどうかは別にして、今この時に亡くなる人が周囲で急に増えていないかどうかを把握しようと、新聞の無料お悔やみ欄に着目しました。旭川市と旭川圏(上川管内町村部+旭川市)、札幌市と札幌圏(石狩管内町村部+札幌市)の4つの数字を、2020年3月から1週間ごとに集計し、表とグラフにまとめています。

道内で世帯普及率が高い北海道新聞の無料お悔やみ欄は利用者が多く、亡くなった人の「実数」を表す数字ではないものの、その週に亡くなった人が多かったか少なかったかの傾向をつかむ参考にはなると考えました。

週ごとの増減にあまり一喜一憂する必要はありませんが、季節性インフルエンザの大流行や猛暑による熱中症の多発、大きな事故といった思い当たる理由がないのにお悔やみの件数が急増した時は、新型コロナウイルスによる医療崩壊などが想像されます。それはおそらく、国や都道府県が発表する新規感染者数や死亡者数などの統計より早く数字として表れてくるはずで、感染爆発を察知する手段の一つになるのではと考えています。

実際にイタリアでは2020年3月、地方紙のお悔やみ欄掲載件数の異常な増加に気がついた地元紙記者が公式発表との食い違いを取材し、感染爆発をスクープしました。下のリンクは朝日新聞の2020年4月11日付けの記事です。

「実際の死者もっと多い」イタリア記者、お悔やみ欄注目

行政が死亡届受理件数などを随時公開してくれればいいのですが、そうはなっていないので、次善の策として個人的に集計しています。日本も政府の発表に今ひとつ信頼がおけないので、いろいろな手法を駆使して感染拡大を察知することが大切だと思います。

北海道内外の動き

2月11日 さっぽろ雪まつり閉幕
2月14日 札幌市の男性が陽性。道内在住者の感染第1号
2月28日 知事が緊急事態宣言。3月19日まで継続し翌20日から緩和
4月12日 感染第2波を受けて知事と札幌市長が緊急共同宣言
4月16日 政府が緊急事態宣言の対象を北海道を含む全国に拡大
5月25日 緊急事態宣言解除。北海道と1都3県は移動自粛要請を継続
6月1日 ほぼすべての業種で営業自粛要請解除
6月19日 政府が都道府県境をまたぐ移動制限を全面解除
7月2日 東京都の新規感染者100人超
7月9日 東京都の新規感染者200人超
7月22日 Go To トラベル、東京発着を除外してスタート
10月1日 Go To トラベル、東京発着も対象に
10月23日 道内の新規感染者数が過去最多の51人に
10月28日 北海道が警戒ステージを1から2に引き上げ
11月5日 道内の新規感染者数が119人。初の3桁に
11月7日 北海道の警戒ステージを2から3に引き上げ。ススキノなど時短要請
11月9日 道内の新規感染者数がちょうど200人に
11月17日 札幌市と他地域との往来自粛、札幌市内の外出自粛など
11月20日 道内の新規感染者数が300人超。304人に
11月25日 旭川市の新規感染者数が44人で過去最高に
12月6日 旭川厚生病院のクラスターが全国最大規模に
12月8日 旭川市の新規感染者数が50人に


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