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旭川圏、札幌圏とも急増〜11月第2週のお悔やみ件数は過去最悪の水準に

11月第2週(8~14日。9日付は休刊日)
 上川全域14.0人(前週比3.4人増)、うち旭川市9.8人(同4.1人増)
 石狩全域36.2人(前週比4.5人増)、うち札幌市27.3人(同4.2人増)

 北海道新聞の無料お悔やみ欄に掲載された1日当たりの平均人数は上の通りでした。いずれも前週比で一気に3〜4人も増え、特に札幌圏は4月第1週の34.5人を超えて、この統計を取り始めた今年3月以降で最多となりました。その他地域も過去2番目に悪い水準でした。
 都道府県の公表データなどを基にした新型コロナウイルス対策ダッシュボードによると、道内の病床使用率は53.9%(11月13日時点)で、前週の22.6%(11月5日時点)から一気に悪化しました。

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 グラフの青線で示された「入院治療を要する者」の数字が急角度で増えています。1週間前の本記事では「(道内で)医療崩壊が心配されるような水準ではない」と書きましたが、わずか1週間で状況は悪化しました。
 新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけになって、医療に余裕がなくなりつつある現状に歯止めをかけなければなりません。ワクチンや効果的な治療薬がすぐにはできない以上、完全に感染拡大を防ぐのは難しいかもしれません。でも医療崩壊さえしなければ人が多く死ぬ事態は避けることができます。
 新型コロナウイルス感染症に限らず、どんな病気やけがになっても安心して受診できる体制を確保しておくため、行政も市民も、医療機関や医療従事者へのサポートを全力で考えるべきだと思います。

道新お悔やみ欄集計JPG表

道新お悔やみ欄集計JPGグラフ

なぜ新聞のお悔やみ件数を数えているのか?

新型コロナウイルスは検査が進まないことと合わせて、肺炎以外にもさまざまな症状で亡くなる人が多いようで、国や都道府県が発表している「感染者数」「死亡者数」が、必ずしも実態を反映していない恐れがあります。

こうした事情から、死亡者数が急に大きく増える「超過死亡」になっていないのかどうかを把握しようと始めた試みです。道内で世帯普及率が高い北海道新聞の無料お悔やみ欄は利用者が多く、亡くなった人の実数を表す数字ではないものの、亡くなった人が多いか少ないかの傾向をつかむ参考にはなります。

週ごとの増減にあまり一喜一憂する必要はありませんが、季節性インフルエンザの大流行、猛暑による熱中症の多発、大きな事故といった思い当たる理由がないのに数字が急増した時は、新型コロナウイルスによる医療崩壊などが懸念されます。それはおそらく、国や都道府県が発表する新規感染者数や死亡者数などの統計より早く数字として表れてくるはずで、感染爆発を察知する手段の一つになるのではと考えています。

実際にイタリアでは3月、地方紙のお悔やみ欄掲載件数の異常な増加に気がついた地元紙記者が公式発表との食い違いを取材し、感染爆発をスクープしました。下のリンクは朝日新聞4月11日付けの記事です。

「実際の死者もっと多い」イタリア記者、お悔やみ欄注目

行政が死亡届受理件数などを随時公開してくれればいいのですが、そうはなっていないので、次善の策として個人的に集計しています。日本も政府の発表に今ひとつ信頼がおけないので、いろいろな手法を駆使して感染拡大を察知することが大切だと思います。

北海道内外の動き

2月11日 さっぽろ雪まつり閉幕
2月14日 札幌市の男性が陽性。道内在住者の感染第1号
2月28日 知事が緊急事態宣言。3月19日まで継続し翌20日から緩和
4月12日 感染第2波を受けて知事と札幌市長が緊急共同宣言
4月16日 政府が緊急事態宣言の対象を北海道を含む全国に拡大
5月25日 緊急事態宣言解除。北海道と1都3県は移動自粛要請を継続
6月1日 ほぼすべての業種で営業自粛要請解除
6月19日 政府が都道府県境をまたぐ移動制限を全面解除
7月2日 東京都の新規感染者100人超
7月9日 東京都の新規感染者200人超
7月22日 Go To トラベル、東京発着を除外してスタート
10月1日 Go To トラベル、東京発着も対象に
10月23日 道内の新規感染者数が過去最多の51人に
10月28日 北海道が警戒ステージを1から2に引き上げ
11月5日 道内の新規感染者数が119人。初の3桁に
11月7日 警戒ステージを2から3に引き上げ
11月9日 道内の新規感染者数が200人に

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