(2) M5StickC Plusとペルチェ素子で恒温水槽を作る - 電源の話
電源について
通常、M5SticKC Plusを動かす電源は、
内蔵リチウムポリマーバッテリ(80mAh)
乾電池
USB Type-C給電
ACアダプタ
スイッチング電源
を使うくらいだと思います。このうち、内蔵バッテリと乾電池は短期間の駆動しかできません。その後は充電か、電池の交換が必要になってきます。常時駆動させるにはACアダプタかスイッチング電源でしょうが、どちらを使用するにしても、供給電圧は5V固定になるでしょう。
必要な電源要件
今回は、継続した制御のため、
M5SticKC Plus(常時)
モータードライバ経由でペルチェ素子
ペルチェ素子のヒートシンクに風を送り、温度を室温に戻すファン
循環用ポンプ
に常に電源を供給しなければなりません。
このうち、M5SticKC Plusと循環用ポンプは5V、モータードライバ経由のペルチェ素子とファンには12Vが駆動用に必要です。
また、ペルチェ素子はいくつか種類があるのですが、TEC1-12706(12V、6A)が広く流通しています。12706だと最大12V×6Aで、72Wを消費することになります。
https://www.amazon.co.jp/s?k=TEC1-12706
今回の計画では水枕(水冷ブロック)とよばれるユニットに海水を通して冷却や加温しますが、ペルチェ素子を水枕の前後を挟むように2つ使用するので更に2倍の144Wを消費すると思われます。なお、サイズは40×40mmで、ペルチェ素子と同じサイズです。
循環用ポンプはUSB Type-A駆動(5V)のものを使用します。昔Aliexpressで20個ほど買ったものです。1個500円くらい?
また、M5SticKC Plusは、USB Type-Cでの給電ではなく、HAT部からの給電とします。これは、USB Type-Cでの給電だとコネクタがゴツいのと、コードが太くなり取り回しが悪いためです。
さて、「電圧が2種類あること」「ペルチェ素子の消費電力が大きいこと」から今回はPC電源を使用することにします。
PC電源はCPUやマザーボード、グラフィックボード、ケースファン、HDDなど、高消費電力のものを動かすため、500Wとか大きな容量を供給できます。また、それぞれで駆動電圧が違うため1つのユニットから3.3V、5V、12V、24Vを作り出すことができます。
パーツを使用しなくなったPCから流用できるのもメリットです。今回はDellのSmallFormFactor規格の240Wのものを使用しました。(消費電力的には多分これで十分)
PC電源ピンアサイン
PC電源からは24ピンのコネクタが出ていますが、ピンアサインは以下の通りです。
直接コネクタから電源を取っても良いのですが、その場合は、そのままでは使用できないので、PS_ON(緑)とGND(黒)をつなげる(ショートさせる)と電源として使用できるようになります。
また、直接コネクタから取らない場合は、
このようなブレイクアウトボードが1,000円ほどで買えます。過電流の安全装置としてヒューズがあったり、スイッチ(PS_ONとGNDをつなげる)があったり、各電圧ごとに分かれたコネクタがついていたりと、24ピンコネクタを挿すだけで便利に使用できるます。
極限まで費用を抑えたい人には向きませんが、安全、便利に使いたい場合はそんなに値段もしないので、オススメです。
今回はこのブレイクアウトボードを使用しています。
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