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旅立ちの日に

ぼくの名前は、「チャイ」。
7ヶ月歳のオスネコで、スコティッシュフォールドっていう種類のネコなんだ。
人間で言うと、9歳ぐらいかな。小学校3年生の男の子ってことだよ。
生まれた場所は全然覚えてなくて、檻の中で生活してた記憶があるくらい。
2ヶ月前に譲渡会っていう場所に連れていかれたんだけど、そこで出会った人達と今は暮らしてる。

ぼくって、食べるのが好きなんだ。
ご飯が大好きなだけど、たまに、女の人がくれるスティック状のやつ。
あれがやばくて。
美味しすぎて、気付いたらなくなってる。

あとは、遊ぶのがめちゃ好きなんだ。
2歳年上で同じ種類の成ネコといつも一緒に遊んでる。
人間で言うと、28歳だから、かなりのお兄ちゃんなんだけど、追いかけまわして首元に嚙みついちゃうんだ。ぼくの方がすごいんだぞー!って感じで。
𠮟られた時もむしゃくしゃして、兄さんに八つ当たり的にやっちゃう時もあるかな。
ぼくは遊んでるつもりなんだけど、マウンティングっていう本能行動なんだって。

最近、ちょっと怖い話を聞いちゃったんだ。。。
去勢手術するんだって。

去勢手術って、知ってる?
睾丸(きん玉)を取ることだよ。
考えただけでも、めちゃくちゃ怖いし、痛そうだよね。
手術には、予約が必要なんだけどもう日にちは決まってるみたい。

当日は、病院に行ったらまず体温と心音チェック、それから触診されるんだ。
たぶん、きん玉を触られるんだろうな。
それから、鎮静剤や鎮痛剤を打たれて、準備ができたら麻酔を打たれる。
麻酔が効いていることを確認したら、心電図などのモニタ機器を装着されるんだ。

聞いてよ!それから、きん玉周りの毛を全部剃られるんだ。
ぼくのきん玉は全部毛で覆われてるんだけど、つるんつるんになるってこと?
考えただけでも恥ずかしいよ。

毛が剃られたきん玉をきれいに消毒したら、摘出手術の始まりみたい。
女の子は、1時間ぐらいかかるのに、ぼくは15分で終わるんだって!
なんか、情けないよね。

麻酔が覚めてからも少しの間、安静にしてないといけないみたい。
麻酔後は胃腸が正常に働き始めるのに時間がかかるから、半日ぐらいご飯ベられないって。
たぶんお腹ぺこぺこだから我慢できないよ。
でも、元気になったらその日に退院できてすぐに家に帰れるみたい。
女の子だったら、1泊以上入院しないといけないみたいだから、その点はラッキーかな。

でも、きん玉なくなったら、ぼく、どうなっちゃうのかな?
一説によると、性ホルモンの低下によって、マウンティング行動が減少するみたい。
もう兄さんと遊べなくなるってことだと思う。
悲しいな。
それに、太りやすくなるって話もあるみたい。
運動が低下して代謝が落ちるからなんだって。

人間もさ、きん玉取ったらいいんじゃない?
悪質なパワハラしてくる人のきん玉を取ってあげれば少しは大人しくなるかなと考えたど、難しいか。
昔の中国には、「宦官(かんがん)」って呼ばれる偉い人たちが皇帝の右腕となり働いていたけど、彼らは去勢された人たちだったんだ。
宦官は、宮殿で働くことを許された代わりに悪さができない体にされたんだって。
性欲がなくなった分、出世欲が抜きん出てしまったという話があるから、パワハラ上司は余計にパワーを得ちゃうことになるね。

4月19日、私の飼い猫は去勢手術へと旅立ちます。
家にいると、ネコと向き合うことができますよ。
ステイホーム。