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Life is the train, not the station.

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最近の記事

めんつゆと白だし

冬になると、突然うどんが食べたくなる。 1日の仕事を終え、肩を縮こませながらアスファルトの道を歩く。家にはごはんもお味噌汁もなくて、空腹と掴みどころのない冬独特の寂しさで悲しいとき、うどんは心強い味方である。 ところで、日本にはめんつゆと白だしというものがある。「めんのつゆ」なのだから、うどんにはめんつゆを合わせるべきなのかも知れない。でも、私はどうしようもなく冬に悲しくなった時は、白だしでうどんを作る。 だからもし、あなたはこの先めんつゆか白だしのどちらかしか使えません

    • ロイズのチョコがけチップスって、「クリスマスとお正月と誕生日を一緒にしました!」みたいな味がしますね

      • 百日紅と扁桃炎とうどんと

        8月15日 夕方、高熱が出た。 これは10日間の闘病の記録である。 最初は38.5℃とかだったと思う。お盆に親戚づきあいを避けて、尾瀬やら秩父やら東京やら行った罰が降ったのだろうか。 8月16日 汗びっしょりで朝を迎え、台風でテレワークとなった次の日もひとりだけテレワークで働くことになった。未だ流行るる疫病、新型コロナウイルス。2020年2月頃から流行し始め、2023年の今は少しずつ収束に向かいつつあるものの、消滅することはないんだろう、人類はこの厄介なウイルスと共

        • そういえばマラソン走ったんだった

          2022年11月20日、第10回神戸マラソンに参加した。結果は、完走。42.195kmの距離を約5時間45分で走り終えた。補給と少しのストレッチの間以外は歩くことはなかった。「少なくとも最後まで歩かなかった」そう断言するために。私は運動に長けている人間ではない。どちらかと言えば、昔から体育は苦手で、文武両道で言えば、文、学問や芸術といった分野に精力的に取り組んできた方だった。23歳。周囲の人々は口を揃えて言う。 「若いうちにしかできないことをしなさい」と。 だが、「若いうちに

        めんつゆと白だし

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          クジラに関して

           2023年冬。大阪の淀川に鯨が一頭迷い込んだ。理由は不明。「よどちゃん」の名称で人々の話題に上がった。しかしその巨体を動かす術もなく、よどちゃんは、衰退し亡くなった。 私はちょうどその少し前に、鯨に興味を持ち、その生態に関する本を読んでいた。きっかけは、とあるTEDの動画だ。鯨が二酸化炭素を蓄積する能力を持っていることが最近明らかになった、という内容だった。生きているだけで環境にやさしい生物、何と素晴らしいのだろう、と私は感嘆した。そんなわけで、英語の勉強をするためにTED

          クジラに関して

          海と太陽のまち、牛窓

          元旦に旅に出るのは初めてだった。年末の掃除でバタバタとしていて、旅の準備は何一つできていなかった。9時ごろに目を覚まし、小さな紺のデイリーリュックに服と最低限の化粧品、タオル、充電器などを詰め込む。ほんの少しお腹が空いていたので、おせちのようなものと一緒にしょうゆをかけた焼き餅を食べる。駅伝を一瞬だけ流し見しながら。 新幹線を降り立って到着したのは、岡山駅。今回の旅の目的地は、日本のエーゲ海と呼ばれる牛窓である。 とりあえずレンタカーで牛窓神社へ向かう。岡山はのどかでのほ

          海と太陽のまち、牛窓

          音楽と私

          先日久しぶりに演奏会に奏者として出演した。 音楽は、私にとって他人と合一感を得られる時間である。 高校でクラリネットを始めた時から、音楽が生活の全てになった。 私は本当の私でいられる気がした。 本当の私が本当のみんなと対等に魂のやりとりをした。 大学に入ってからも音楽は続けた。 ずっと憧れていたオーケストラ。 私の4年間は ”文字通り” オーケストラに捧げられた。 楽器を吹いている間、私は自由だった。 私は私であり、何者でもなかった。 ☆ 今は会社の後輩に誘われて吹

          音楽と私

          ゆめ

          辻井伸行さんの演奏する、ドビュッシーの「夢」がとても好きだ。 思い詰めながら会社から家へ帰るとき、時たま電車で聴く。 そうすると、自分の外側の透明なヴェールが脱皮して、「私」が改変される気がする。 ストン。 雨の日に見る滝のようにひんやりとした気持ち。 過ぎ去ってしまった情景たち。 なつかしさを伴う寂しさは、過去の自分と現在の自分を繋いでくれる。 (パンの耳8号 大阿久佳乃さん) ストン。

          ちゃんこ鍋とやりいか

          季節外れの牡丹園の続き。 無事竹野に到着した私は、夜ごはんを調達するため、雨の中15分ほどかけてスーパーへ行った。途中橋を渡ったのだが、周囲に光がない。四方八方真っ暗である。あんなに黒い水を見たのは生まれて初めてだ。その辺に死体が転がっていてもおかしくない、と思わせるようなくろさだった。小さくもそこそこ品揃えのあるスーパーでは、アルミの鍋に入ったちゃんこ鍋とやりいかの刺身とナッツを買った。宿に帰ってきてから食べたちゃんこ鍋とやりいかは本当に本当においしかった。ごはんを食べたあ

          ちゃんこ鍋とやりいか

          季節外れの牡丹園

          急遽竹野へ行くことを決める。兵庫の北へ行くのは、これが初めてだ。姫路まで、山陽電車で移動する。姫路で乗り換えのため、1時間半ほど時間ができたので、姫路城を観光し、昼食を取ることにした。「帽子をかぶったら歩いてみよう」という作品が道端にあった。帽子をかぶった男の人が、サックスを吹きながら、歩いている姿を銅像にしたもの。とりあえず歩いてみるしかないよな、とひとりごち、おろしたての小豆色のポンポン付きのニット帽を被ったわたしは姫路城へ向かって歩いた。 姫路城は白かった。写真を撮っ

          季節外れの牡丹園

          短歌(師走)

          私とは なんであろうか 考える ごはんにシチュウ かける人間 砂浜の色した野良猫 撫でるため 手袋はずす 日本海にて 君まとう テンポはLARGO 悠久で シーラカンスの眼差し浮かぶ

          短歌(師走)

          ホットミルクと夢

          土曜日の朝10時。久しぶりによく眠った。昨日はうまく寝付けず、リビングでひつじの毛色みたいなホットミルクを飲んでいた。言われてみれば、昨年もこの時期にうまく眠れなくなり、ホットミルクを飲んだ気がする。(誰にも言われていない、思い出しただけだ)あの当時は、好きだった人に彼女がいることがわかった3ヶ月後で、ボトボト涙を流しながら朝目が覚めた記憶がある。その時に書いた文章は随分と詩的で意外と気にいっているのだが、あまりにパーソナルな記憶と結びつきすぎていて、お風呂でどこから洗うのか

          ホットミルクと夢

          短歌(September)

          花束を 赤子の如く 抱く夜は 秋風とおる ひとりで帰る いちじくや こおったルビー 冷たくて 森のかおりに かぶりつく朝 映画館 ロビー思わす 香ばしさ 本屋行く前 道でコーン茶 焼き肉の 写真撮らない おとなたち ガム分けながら よく笑う夜

          短歌(September)

          静けさという音楽に耳を澄ます 聴こえるのはセミとカラスの鳴く声だけ 犬は足元で私の周りをぐるぐるまわる 2匹の蝶々が対となり夏の空高く飛んでゆく 紫陽花の葉にいる蜂の触覚が動く 小さな蟻が別の葉の上を歩く そのときふと、 ああ人間はもういなくなるのかもしれない と思い 私は犬と2人、まるで人間がいなくなった地球に取り残されたみたいに黙って木々と空を見上げていた

          互いにひとりごとを言い合って、それで会話が成り立つ関係を見つけて、毎日がとても充足している。恋愛ではない。友情とも違う。不思議な落ち着く関係。

          互いにひとりごとを言い合って、それで会話が成り立つ関係を見つけて、毎日がとても充足している。恋愛ではない。友情とも違う。不思議な落ち着く関係。

          結婚=幸せ?🍨

          結婚ってなんなんだろう。幸せってなんなんだろう。 知り合いの結婚に参列してきた。 「結婚したい」と口々に色々な人が言う。だけど幸せになるために本当に結婚しないといけないのだろうか。 多分私はとても捻くれている。 一緒に結婚式に参列した人が「結婚したい」とかなり本気で長々と話していて、それに少し辟易してしまった自分がいた。もともと彼女のさっぱりした部分がとても好きだったのだが、最近は恋愛や結婚に関する話があまりに多く、時々話を聞くのに疲れてしまうのが本音である。20代最

          結婚=幸せ?🍨