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安さばかりを追い求めれば、自分も安く買い叩かれる

 金曜日の晩酌風景。

 宮城県産のイワシの塩焼き
 青森・陸奥湾のベビーホタテの貝焼き味噌風
 宮城県産の枝豆
 宮城県産のキュウリとワカメの中華風和え物

 六角精児さんの「呑み鉄本線・日本旅」という番組を見て以来、青森の郷土料理であるホタテの貝焼き味噌なる料理が我が家でブームとなっている。
 ホタテの貝殻を器とし、溶き卵を味噌と味醂で味付けしたものにホタテの身やヒモを入れて火にかけ、全体がそぼろ状になるまでじっくり加熱し小ネギを散らして仕上げるというものらしい。
 昨年来、青森県産のベビーホタテは申し訳無いくらいの安値が続いている。積極的に購入し消費拡大に貢献してはいるものの、いつもサラダと中華炒めばかりではあまりに芸がない。何か別のメニューは無いかと思っていたところで見たのが貝焼き味噌なる一品だった。
 見るからに美味しそう。
 しかも、日本酒にも合いそうである。
 家にホタテの貝殻などあるはずも無いのだが、夫が独身時代から愛用しているキャンプ道具の小さな鉄鍋がちょうどホタテの貝殻をひと回り大きくしたようなサイズと深さだった。これを貝殻代わりにベビーホタテで作ってみたらどうだろうかとインターネットでレシピを検索して作ってみたところ、これが予想以上に美味しかった。本場のはもっと美味しいんだろうねと話しながら、以来、度々作っては夫婦で呑み鉄気分を楽しんでいる。


 この日は日本酒の前にビールも1杯。
 近所の「やまや」さんのビール売り場でジャケ買いならぬ缶買い状態で衝動買いしたのは、初めてのクラフトビール「ザ・マタギ」。

岩手のクラフトビール「ザ・マタギ」

 これがまた美味しかった。
 缶のデザインから黒ビールもしくは濃厚どっしりドンケル系の味わいかと思いきや、意外にもスッキリとした飲み口。けれど香り高くしっかりとした味わいで美味しかった。クラフトビール工房でいただく出来立てビールの美味しさは格別だけれど、こうして自宅でも美味しく楽しめる缶ビールが増えているのはありがたいとあらためて思う。


 この日も幸せな晩酌のひとときを過ごした。




 ちなみに酒とツマミで有名なやまやさんだが、店舗の多くでお米も扱っている。
 先日訪れた際は、宮城県産の新米が山積みになっていた。
 また、その数日前に立ち寄ったイオンにも、宮城県産の新米がたくさん並んでいた。同じ店で、先週の一時期は棚が空になっているのを目にしていた。
 やっと元に戻ったのだな、と安心した。


 お米が無い・買えないと騒いでいた人の中には、こうして無事に新米が出荷され店頭に並ぶようになると、今度は「高くて買えない」と文句を言っている人もあるらしい。noteでも、そんな投稿をいくつか目にした。
 けれど、この一年間の様々な物価上昇を鑑みれば、お米だけ昨年と同じ値段で販売せよと言うのは無理な話ではなかろうか。
 高騰した燃料費も物流にかかる人件費もすべて農家に自腹を切れと言う人は、自分自身の仕事についても同様に物価上昇分の全てに自腹を切っているのだろうか。


 勿論、生活状況は人それぞれ異なる。
 また、様々な物価上昇に伴って家計が苦しいのは、我が身も同様である。不平不満を言いたくなる気持ちも理解出来なくは無い。
 けれど、安さばかりを追い求めれば、自分自身の仕事も安く買い叩かれる未来しか無いのではないだろうか。



 私は、あれが高いこれが足りないと誰かの仕事を批判するよりも、ありがとうと感謝する側の人間でありたいと思う。

 心まで貧しくならぬよう気をつけたい。



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