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TOBEオーベルジュリゾート(愛媛・砥部)宿泊記*2017年3月

「愛媛づくし」で非日常を創り上げた、センス抜群のオーベルジュ


今回訪れた「TOBEオーベルジュリゾート」は、砥部市の市街地からほんの少し山を上った場所にあります。江戸時代に造成された溜池「通谷池」のほとりに佇む瀟洒な本館と宿泊棟の2棟で構成されたオーベルジュです。あらかじめお願いしておけば、松山市内や道後温泉、松山空港など都合の良い場所へ送迎していただけます。 

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チェックインは本館のロビーで行います。黒でまとめられ、照明を落としたシックな空間で、大きな窓から見える外の風景が際立ちます。そこかしこにオブジェや器などが飾られていてさながらギャラリーのようです。こちらでウェルカムドリンクをいただきながら手続きを行います。

[客室]洗練された非日常空間でリラックス

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今回は、スタンダードルーム(58.5平米)を予約していましたが、空室があったようで、スイートルーム(77.5平米)に当日アップグレードしていただきました。こちらの宿は全10室で、スタンダード6室、スイート2室のほか、80.8平米のヴィラ(離れ)が2室あります。

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案内されたスイートのお部屋は、大きなソファのあるリビングルームと、テーブルセットのあるダイニングルーム、ハリウッドツインのベッドルームにゾーニングされていて、大変広々しています。

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その隣にはバスルームとシャワールーム、トイレ、洗面所があり、それら水回り部分とは格子戸で仕切られています。

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内装、家具、アメニティ、どれを取ってもモダンで洗練されたデザインばかりで、どこにも隙が見当たりません。そしてそれらすべてが綺麗に調和していて、徹底した非日常空間が心地よく感じられます。

また、客室にはテレビは置かれていません。しかし、クローゼットの中に収納されており、設置していただくこともできます。部屋の世界観演出のために敢えて置いていないけど、そのポリシーを客に一方的に押し付けることなく、テレビが見たいという宿泊客には気持ちよく用意をしてくれるところも好感が持てます。

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客室のお風呂は、大人2人が余裕で入れるほど深く大きな浴槽ですが、大きい分お湯を張るのに2〜30分かかります。浴槽、シャワーとも、蛇口の温度調節が難しく、適温にするコツをつかむのに少々時間を要しました。また、すべての客室のお風呂は温泉ではありません。しかし近くに日帰り温泉施設があり、こちらの宿泊客は無料で送迎付きで利用できるそうです。今回は時間の都合で利用しませんでしたが、連泊などで時間がある方にはおすすめかと思います。

[食事]和のアクセントが効いた地産地消の創作フレンチ

食事の時間になると部屋の電話に連絡が入り、カートまたは車で本館にあるレストランまで送っていただきます。

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シェフの調理をダイレクトに見られ、その後ろに池の噴水を臨むことができるカウンター席で、夕食をいただきました。

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はじめに、本日の食材が木のプレートに乗って登場します。ひとつひとつ丁寧にプレゼンしていただき、いよいよ料理がスタートです。

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料理はフレンチがベースですが、所々に和のアクセントを感じます。例えば、地物の野菜と瀬戸内で獲れた魚介の前菜では、オリーブオイルと柑橘のソースに和風だしの隠し味が効いていて、魚介の甘みにだしの旨みがプラスされふくよかな味わいを堪能できました。

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全体的に塩味を抑え、素材そのものの旨みを引き立てる料理が多く、個人的にも薄味が好みなので、アミューズからデザートまで、全て大変美味しくいただけ大満足の食事でした。

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お腹いっぱいになって部屋に戻ると、テーブルに夜食の一口おにぎりとフルーツが、スタッフの手書きメッセージカードとともに用意されていて、極上のおもてなしに心打たれました。

料理に愛媛県産の食材が多く使われていましたが、こちらの宿では食材だけでなく、ありとあらゆるものが“愛媛産”で統一されていました。料理を載せるお皿はすべて地元の砥部焼で、ガラスの器も地元の工芸家のオリジナルだそうです。また、カトラリー置きの木も愛媛の木材が使われていました。

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客室のランプシェードも砥部焼、タオルは今治産、またバスタイムに灯してほしいということでお風呂の脇に立てられている和ろうそくは内子の名産品です。宿の“地元愛”が伝わって来るだけでなく、多岐にわたる名産を輩出する愛媛の魅力にも気づかされました。

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チェックアウトは12時なので、朝食の後もゆっくり過ごすことができます。部屋には豆から挽くコーヒーセットがあり、外の景色を眺めながら自分で手挽きしたコーヒーをいただきました。最近は全自動のマシンが用意されているホテルも多いですが、スローなコーヒータイムがこの宿にとても似合っていると思いました。 

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今回は、食事と滞在で100%を占める旅でしたが、このオーベルジュではそんな過ごし方が最もふさわしい気がします。観光目的ではなく、心と身体をしっかり休めるための旅にピッタリです。家族や、夫婦、親友など、心落ち着く相手との旅や、誰にも気を遣わない一人旅におすすめです。春には桜が咲きほこり、秋は紅葉が美しいそうなので季節を変えてまた訪れたいと思いました。

※写真と内容は2017年当時の情報です。ご了承ください。



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