Stay hungry, stay foolish. | シンフォニアの挑戦 (4)
こんにちは、シンフォニア株式会社の瀬戸です。
シンフォニアは、XRと強化型デバイスを組み合わせた技術「Enhanced XR」により、社会活動や生活体験を進化させる事を目指しているスタートアップです。
3月25日(月)まで、弊社の株式投資型クラウドファンディングの募集を行います。以下の募集ページにてシンフォニアが目指していることについて紹介しておりますので是非ご覧ください。
自社製のVRデモ作品を制作開始
5期も期末に近づいた2019年2月頃、私はエンジニアの廣澤君にこう言いました。
「君、たしかクレーンの資格持ってたよね? VRでクレーンの操縦を練習するコンテンツ、作れないかな?」
廣澤君は、ソフトウェアのエンジニアという経歴の以前に、大型機械設備のメンテナンスなどの業務経歴があり、たしか履歴書の資格の欄に、「小型移動式クレーン」や「フォークリフト」などの資格が並んでいたのを思い出したのです。
この、第5期(2018年~)の中で私は、VRやAR(以下、XR)に関する情報を入手しようと、いくつかのフォーラムや展示会に参加しました。特に、XRを実際に業務として手掛けていて注目されている会社のお話が聞けるものは積極的に行くようにしました。
その中で分かったことはまず、XRに関する仕事というのは世間全般では絶対数として少ないものの、確実に存在しているという事。そして、それらの仕事は一部のXR制作企業に固まっており、それらの会社はリソース不足に悩むくらいであるという事。
だとすれば、そういった固まったニーズに触れる機会さえ作れれば、きっとXRの実績を増やすチャンスが来るに違いないと考えました。そして、それにはやはり、営業用のデモサンプルが必要です。
ーー デモ作品はどのような内容が良いだろうか・・
そこまでの業務実績から私は、VRでの教育・訓練・トレーニングをテーマにしたものが良いだろうと考えました。
VRには以下のような利点があります。
①特殊な環境、設備を手軽に再現できる
②見るだけではなく、「行動」し「体験」できる
③一人で何度も繰り返し体験する事ができる
これらの利点を生かせる一つの題材が、大型機械を扱う訓練です。
そこで、まず一つめの題材として建設機械を思いつきました。そしてそこまでの調査で、建設機械の中でもクレーンを扱った例が無かったのです。おそらく、ワイヤーで揺れる表現が難しいからではないかと考えました。
そして、すでにある事例として、建設現場などで事故の体験をするVR作品はすでに他社が作っていましたので、シンフォニアは一歩踏み込み、操縦そのものをVRで学べるものを作ってみたくなりました。
そこで、冒頭のくだりに至ったわけです。
試行錯誤の連続
廣澤君は、例によって無口なので、その時には反応が薄かったように記憶しています。それでも、受託の業務の合間にコツコツと何か作っている様子が見られ始めたので、実は結構ノっていたのかもしれません。
二か月くらい経った後、「HTC VIVE」と「VIVEトラッカー」を組み合わせて、それっぽいものを見せてくれました。トラッカーの回転によって、Unityアプリ内のクレーンの操縦レバーを動かす、というものです。
続いて、ワイヤーで物を持ち上げる部分に進みました。
クレーンの動きを表現するのに一番難しいのはワイヤーの表現だと思われました。ましてや、そこに重い荷物を吊るして、リアルな揺れの表現を実現するにはかなり試行錯誤がありました。
こんな具合にワイヤーが破綻してしまいます。
時間をかけてこれをなんとか調整し、とりあえずデモで見せられるような「ちょっとしたもの」が作れそうな気配となってきました。
ソフトだけでは実現できない局面に遭遇
そして次の課題です。
これを作り始める時から廣澤君は、
「クレーンはレバーで操作しないと練習にならない」
と言い続けていました。
クレーンのレバーの形をした操縦デバイスが無いものかと探したのですが、まったく似たものが見つかりませんでした。
そこで、先ほど実験していたVIVEトラッカーを使って、レバー装置を手作りすることになりました。
こんな感じのものができました。
レバーを動かすと、根っこの部分のVIVEトラッカーが回転して、Unityアプリ内に回転情報を伝える、というものです。
実験してみました。
よし、なんとなくそれっぽくなった、ということで、展示会に出展してみることにしました。
もう一つのVR試作品
ところで、廣澤君にこの「クレーンVR」を作ってもらっている傍ら、私の方は野球を題材にしたものを作っていました。
こんな感じのものです。
手にVIVEトラッカーを付けてグローブを動かします。
私は、VRの良さを生かせる方向性として、教育・訓練・トレーニングを位置付けたわけですが、「大型機械を扱う訓練」という他にもう一つ、「スポーツトレーニング」というテーマも挙げていました。そのサンプルとして、これを作ってみたのです。
この「野球内野守備トレーニングVR」と、廣澤君の「クレーンVR」の2つを、展示会に出してみることにしました。
作っていく楽しさと、得も言われぬ不安
この頃は私を含めてメンバー3人しかいませんでした。それで、受託の案件も手掛けつつ、このように人から頼まれもしない自分たちの作品を作っていたのです。
時間が経つのを忘れ夢中になってやっている感覚と、
ーー もしかして、とてもバカな事をやっているのではないだろうか?
という漠然とした不安が入り混じった時間でした。
制作者としてはともかく、経営者としてはどうなのだろう? もっと地道で確実な、セオリーのようなやり方があるのではないか、という自問自答を内心で繰り返し続けました。
しかし、自分たちの発案したものを、それがどのような反応であろうと人に見せられるところまで作り上げなければ、成功も失敗も、共感も批判も、何の答えも得られない。そのような一心でした。
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