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ごく普通の普通じゃない人生、ピン芸人、しんちゃんず


 僕はここ最近YouTube生配信、新道竜巳のごみラジオというチャンネルでしんちゃんずという芸人と2人で2時間30分出たとこ勝負で話さしていただいた。そこで数々の話を聞いるうちにこの人は本当にお笑い芸人で売れたいのだろうかと思うほど無欲な人生を歩んでいるように感じた。しんちゃんず、芸歴は21年28歳からお笑いを始めた現在49歳、何故この人は芸人を目指したのか。初めて待ち合わせをして僕は30分ぐらい遅刻をしたのだが、欲のない優しい目で近寄って挨拶をしてくれたしんちゃんずは、服装、身長、体格共に凄く普通でした。
 全てが普通、元々は会社員をやっており、そこでは洋風瓦の修理をしていたそうです。5年ぐらい働いていた時にふと新聞に目をやると君こそ「スターだ」という書き込みが・・
 普通の人生がどこか不満を持ちながらそれを表に出さずに少しずつストレスが蓄積していたのかもしれない。とにかく眩しい世界に飛び込みたく、栃木から東京に上京をする。ここまでの話なら、承認欲求が高く自分に対しての期待をしているごく当たり前の人間のイメージがある。
 上京してからも歩み方は夢いっぱいだとおもいきや普通の人生としか思えない歩み方をする。夢にあふれた普通の人生、不思議な日本語ではあります。上京して入ったのは日本エンタープライズ、卒業すると、ニチエンプロダクションに入る事が出来、はじかれることはあまりないという、代表的な所属はテツandトモさん。2,3年間は役者を専門で習っていたそうです。なまりが強くうまく台本読みが出来ない事から、お笑いの専門に選択を変えたのが28歳ここからお笑い芸人の人生が始まります。
 しんちゃんずはとても朗らかで優しくみえます。周りの芸人に時々言われることがあるそうです。「最近いつ怒った?」すると毎回必ず「怒ってないね~」と返すという。芸歴21年も経過して全く売れない事への苛立ちやストレスはないのか、とどうしても勘ぐってしまう。
 芸人と話すと色々な引出しから話が出てきて、そんな経験していたんだ、そんな角度で物を見ているんだという期待を大きく裏切られてしまう。一見すると多くの引き出しに全て鍵がかかており、そんなやすやすと開けてくれないのではないのかとも思ってしまう。
 人生49年腹が立ったことがないという。僕はそんな人間いるのかと疑ってしまう。網の目を縫うように腹が立たずに人生くくり抜けてきたとなると奇跡の人と今話しているのか。
 テレビにはちょっとだけ出演したことがあるそうです、「あらびき団」「パフォー!」「物真似番組」はあるそうです。しんちゃんずの特徴として補足やヒストリーを殆ど話そうとしないという部分が不自然さを演出しているのかとも思った。例えば「キン肉マンのネタありますよね」「はい、あります。マスク被ってるから何も全くないんですけどね。ふっふっふっ」・・・あのネタはですね。とかはなくマスク被ってるから何も見えないという部分の説明で終わるという所が物真似のキン肉マンでテレビ出演まで繋がったネタとは思えないほどさらっとしているなと思いました。
 面白いネタがたまにできると周りから「らしくない」といわれるそうです。続けざまに失礼な事を言ってみた「お笑い界の中でしんちゃんずはつまらない事の代表とされてるんですね」「うーん、そうかもしれない、うーん、つまらない、自分では言いたくないですけどね」凄い・・お笑い芸人にとってつまらないは過敏に反応せざる終えない部分なので、なんの感情も出ずに井戸端会議のようにさらっと話せてしまう。
 目標を聞いてみた。R-1グランプリは決勝を見据えてやっていたが出れなくなったという。今までの最高成績は10年間ぐらい出演されたが2回戦だという。2回戦で結構手応えあった年があり、ネタをやり終えて受かったと思った事もあったという。しかしその年も結果は2回戦。しかし、「ふざけんな」とそこまで強く思ってもいなさそうな冷静なしんちゃんず。僕はキングオブコントで凄くうけて2回戦敗退した年は、自分らよりうけていないで合格した出演者、大会そのものを否定し恨んだりもした。そんな部分は全くしんちゃんずには感じられなかった。
 ぐるぐるナインティナインのおもしろ荘のオーディションに行って3次審査まで進んだこともあったが、次の年からオーディションそのものに事務所が参加さしてくれなかったと話すしんちゃんず。これは恨んでいるとかではなくひょうひょうと、次の年も参加したかったなーと軽く残念がっているように見えた。自分からはオーディションに行きたいと頼んだりはしないという。「頼めばよかったんじゃないですか」「そうですね言えばよかったですね」となんか他人事のようでもある。
 しんちゃんずは結婚をしています。33歳から結婚しており17年目です。出会いはお笑いライブの対決バトルで仲のいい芸人と闘うからライブのコンセプトとは別に負けた方が個人的に合コンをセッティングするという約束をし、しんちゃんずが負け(当時コンビ)、東京に女性の知り合いが1人しかいないからその人に知り合い誰かいないとせがんで2人つれてきてもらった中の1人の娘が現在の奥さんだという。デート3回目で告白をし付き合う事になり4年間付き合った末の結婚で同じ年だそうです。人生で付き合った女性は3人だという。現在SMA NEET PROJECTに所属し、事務所ライブも200回超えているが第9回の時からいるそうです。
 そんな自分を駄目のように見せるが現在金の卵(6段階の1番上のライブ)に出演しており、決して実力がないわけではない、ちゃんと時間ともに実力をつけているがその部分を一切見せることなく優しく話続けていく謙虚さが自然に演じれるというか出せています。
 仲の良い芸人さんはと聞くと、しんちゃんず軍団というのがあり、しゃばそうさんが舵をとっているそうです。メンバーが、しゃばぞう、ウメ、ドイツみちこ(こじらせハスキー)、もじゃ、稲垣社長、ジャック豆山、で旅行に行ったりもするという。草津温泉に行ったり(5人ぐらいで)と程よく楽しく芸人人生を歩んでいるそうです。しんちゃんず軍団はベテランばかりですが各々全員が実力があり今後期待できる厳選したメンバーでもあるようにも見えます。
 しんちゃんずの活動場所は事務所ライブ以外では主に阿佐ヶ谷プロット、早稲田クローバースタジオ、等、席数30名ぐらいの劇場が主戦場だそうです。芸歴21年ですがお金を払ってエントリーライブに出ています。月には5本ぐらいライブに出ています。
 現在アルバイトはSEIYUのネットスーパーをしています(パソコンで注文されたものをSEIYUからもってドライバーに渡す仕事)。週4日やっています。単独ライブはまだしたことがないという、ツーマンなら数回したことがあるそうです。(インテグラル:サンカ、まつばっち、えずれひろゆき)奥さんとの性交渉は最近全くないという、間をあけるともうしなくなるそうです。義務でもいいからしといたほうがいいと過去を反省するしんちゃんず。  

 しんちゃんずの今後のビジョンは出川哲郎さんのようにレギュラーがなくても(現在はレギュラーありますが)ずっとテレビに出続けられる必要とされる芸人さんになれたらいいなーと思っているそうです。だからと言ってリアクション芸人になりたいわけではなさそうです。そこは曖昧な感じでした。
 しんちゃんずはギャンブルはしない。後輩には奢ってしまう、セクハラはしない、物欲はない、服は全く買わないから奥さんが見るに見かねて買ってきてくれる。Tシャツ1枚10年来ても平気。食べ物もこれを食べたいという欲求があまりなく、なんでもいいそうです。「好きな食べ物はないんですか」「好きな食べ物はーーーー・・海鮮物は好きですけどね」としいて言えばと言った感じです。しばらく上着を着ながら話していてそれを脱ぐと、下のスエットも奥さんに買ってもらったものだそうです。腕時計はGショックをしていた。これはどうしたのと伺うと、海に落ちていて拾ったと答えるしんちゃんず。しかし、拘って使っているという。メガネは最近安いので、買う時は3つ買うという。メガネってまとめ買いするものなんだと気づかされる。メガネをなくしたことはないそうです。人の悪口は言わない、自分がうけなくて、前の人がうけても、悔しいという気持ちはあるが、それ以上の感情は持たない。好きな女性のタイプはと聞くと奥さんがいるから気を使って言っているのかもしれないが、おでこが綺麗な人がいいという。昔は黒木瞳さんが好きだったそうです。
 MCをたまにやるが、人はいじらない、自分の体調の悪い部分などを話す。複数人でMCをやるときはそんなに喋らないそうです。勿論ネタのダメ出しなども言わない。僕はネタの滑った事などいじりますと言ったら「それは、可哀そうですけど、面白いですね」と僕に対しても配慮しながら話してくれる人間力。
 常にほがらかで、争いごとを嫌い、ちゃんと自分が悪いところは認める。話している時に熱のこもった話題はなかった。自分の芸人人生に怒りや絶望を感じないのかと押しつけがましく思ってしまった。しかし、しんちゃんずは大人なのでそういった見苦しい見せ方をこのまないのかもしれない。哀愁深い人間。はじめ芸人象とはこうじゃないと思って否定している自分がところどころいましたが、よくよく考えると人に愛される人ってこうゆう人なのかもしれないとしだいに、懐かしい気持ちになっていく田舎のお父さんのような不思議な魅力のあるしんちゃんずでした。

新道竜巳のごみラジオ ゲスト:しんちゃんず
https://www.youtube.com/watch?v=j33zes68sP8

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