むすこが産まれたときのこと。
2月27日に第1子を出産した。
息子を抱くこともなく、助産師さんから「呼吸がちょっと早いのが気になる」とのことで別の大きい病院に搬送されてしまった。
わたしは産んだ直後でいっしょにいくことができないので、夫が病院に行ってもらうことになり不安な中連絡を待った。
「気になる」っていうくらいだからきっと大丈夫だろう、すぐ抱けるだろうと思っていたのだけれど実際息子をはじめて抱けたのは8日後だった。
夫からの電話では、息子はけいれんを起こしている、脳に少量の出血がみられる、産まれる直前にうんちを飲んでしまった、と結果を聞き、産むときにわたしのせいで無理をさせてしまったから息子をこんな大変な目にあわせてしまったんだと自分を責めた。
わたしは息子が心配なのもあり、少しはやめに退院して病院に毎日母乳を届けるようになった。
息子はNICUに入院することになり、出産前にみていた「コウノトリ」のドラマでみた保育器に息子が入っていた。
鼻にはチューブがつけられて、足には点滴。
保育器ごしに息子に触れるのが毎日のたのしみだった。
数時間しかいっしょにいられない、チューブをつけている姿が見ていて辛い、わたしの子供なのに抱けないのも本当に辛かったけれど、こんなに大変な思いをして産まれてきてくれた息子が生きていてくれてる事実が目の前にあるのを実感できた。
不安な毎日だったけれど、ミルクもたくさん飲んで大きな声で泣いて見るからに元気な姿を見せてくれた。
保育器ごしだけどミルクをあげてげっぷをさせて、おむつも替えて少しだけど育児ができた。
息子の回復はすごく順調で早めにNICUを退院してGCUに移ることができた。
GCUに移ってからは直母で息子に母乳をあげることができた。
一生懸命飲んでる姿を見ながら、息子の体温を感じながら母乳をあげるのがこんなに幸せなんだと思った。
GCUでは直母と沐浴をして、寝かしつけてから帰るようにしていた。
NICUにいた頃も帰るときがすごく寂しかったけれど、自由に抱けるぶんこのままお家にいっしょに帰りたいって何度も思った。
退院間近に1日だけ、朝から晩まで息子といっしょに過ごす日があった。
その日に助産師さんから「最短で明日退院になるかもしれませんが大丈夫ですか?もし都合が悪ければまだ預かれます」とのお話を頂いて、迷うことなく明日退院を選んだ。
最後に小児科の担当の先生より、検査結果も問題なく、「もうふつうの赤ちゃんと変わらず育てて大丈夫です」という言葉をいただいて無事退院することができた。
息子はもうすぐ2ヶ月になる。
3月9日にNICUを卒業、3月17日にGCUも卒業して、無事に帰ってきてもう1ヶ月たつ。
GCUではなかなか寝ないと評判だった息子は、我が家に帰ってきてもなかなか寝ない。
順調に体重も増え、いまはもう五キロを越えている。
抱っこがだいすきで重たくて疲れるけれど、産まれた直後に保育器に入ることになってしまったから、だから抱っこがだいすきな甘えん坊なのかな、と思うと、彼が満足するまで甘えてもらいたい。
かーちゃん頑張る。
ぐずることも多くて大変なことも多いけれど、好きなときに好きなだけ息子を抱ける、当たり前なことだけど幸せだと思う。
まさか自分の子供がNICUに入院すると思ってもみなかったし不安な毎日だったけれど、お世話になったNICU、GCUのみなさん、そして出産後の息子の様子を見てすぐに搬送を判断してくれた病院のみなさんに心から感謝している。
そういえばお腹の中にいた頃、しょっちゅうピクピクしていて気になってなにかと思って調べたらしゃっくりだったらしい。
息子はよくしゃっくりをする。
しゃっくりをしてる姿を見ると、この子がわたしのお腹の中にいたんだなあ、わたしと夫の子供なんだなあ、と改めて実感する。
嬉しくてすごく愛しい。可愛くて仕方がない。
辛い思いもしたけれど、出産はいいものでした。
息子は大変な思いをして産まれてきて、こんなに小さいのに赤ちゃんの生命力は本当にすごい。
やっぱり未だに自分を責めてしまうけれど、息子が大きくなったら、あなたはこんなに頑張って産まれてきてくれたんだよって教えてあげたい。
息子を産んで心からよかったと思う。
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