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#24 へんくつおやじとの出会い

とある訪問リハビリ記録

3〜4年前に木から落ちて脊髄損傷となってしまった元大工70代男性

初回訪問から機嫌は悪く
仕事柄と甲州弁で口が悪い

バイタルを取ろうとしたら
『そんなことせんでいいわ!』
『リハビリに必要ないだろ!』

この人とどんな会話からリハビリを展開していけばいいのやら

毎週お互いに口を聞かない日
1ヶ月そんな沈黙のリハビリが続き
ついに男性が口火を切った

『とにかくこの身体を動けるようにしてくれよ!手技とか手法とか、そんなのそっちの見せつけなんだからよー』

確かに

別に見せつけてたわけではないが
そんなタッチングだったのかもしれない

その手から伝わる感情(エゴ)を男性は素直に感じてたわけだ

こちらも言われてばかりでは気が済まない
『だったらこっちも全力で身体をなんとかしますから、こっちの言うことも1つくらい聞いてください!』

その言い合いから私たちの関係に少しずつ信頼が生まれてきて

今はリハビリの時間をとても心待ちにしてくれてるし
何より笑顔が溢れてる

そして驚きなのは、受傷して数年経っているにも関わらず、ここ最近身体の動きがよく、歩き方も安定してきた

歩行器から杖も夢ではなさそう

その男性はよく私に言う

『おら、口が悪いへんくつおやじだかんなっ!先生、頼むぞ!』

間違いないわ笑笑

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