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角換わり△3三金型ってナンダ?

こんにちは,S𝒾N..です。今回は角換わりの派生形,角換わり△3三金型についてみていこうと思います。角換わり△3三金は文字通り,局面図Aのように,後手の左金が3三の位置にある角換わりを指します。

局面図A。第70期王座戦一次予選の及川拓馬六段(当時)ー千葉幸生七段戦(主催:日本経済新聞社、日本将棋連盟)より。

背景

角換わり△3三金型はもともと,ソフト戦で見かける戦法のひとつでした。それがなぜ,プロ棋戦に輸入されることになったのでしょうか。

通常の角換わりは定跡の整備が進み,先手が良さそうだという意見で大方一致しています。そのため,後手は手を変えなければいけません。とはいえ,横歩取りも後手が苦戦しています。

そこに現れたのが,角換わり△3三金型です。この作戦の特徴は,手得にあります。

角換わりは,相手が交換してくれれば自分が角を取る手で手得になる(駒をひとつ進められる)ので,できるだけ相手に交換しに来てほしいところです。従来の角換わりは後手が交換する定跡だったので,局面図Bのように△3三角と上がることで,先手に交換させるという指し手がプロ棋戦でも出現しました。

局面図B。出典は局面図Aと同じ。

この構想を始めて打ち出したのが千田翔太七段とされ,2013年の加古川青流戦(相手は増田康宏先生)での登場は驚きです。

具体的な戦法

後手はここからどのように指していくのでしょうか。居飛車ですから,次の四つを考えるところです。

  1. 腰掛け銀

  2. 早繰り銀

  3. 棒銀

  4. 右玉

次回以降,先入観なしに綴っていこうと思います。ここまで読んでくださり,ありがとうございました。

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