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可愛いのはありですか、ナシですか?【ハロウィンのお化け】

10月に入った。

毎日あんなに暑かったはずなのに、ふと気づくと薄手のジャケットを羽織って外出をするようになっていた。

今年はもう秋が来ないんじゃないかと思っていたが、ちゃんと季節は移ろって、残りあと2ヶ月のわびしさと、清々しいばかりの青空が、私の気持ちを妙にもり立ててくれている。

というわけで。
ここ数年ですっかり秋の風物詩として定着したのハロウィンをテーマに紙工作をYouTubeにアップした。

自分で言うのも何だが、結構可愛いw

最初はもっと怖い感じのお化けだったのだけれども、自分で作っていてさっぱり愛着がわかないので、もうちょっとだけ丸く、もうちょっとだけあどけなく、もうちょっとだけ目の位置を近くして……なぁんてやっていたら、怖くもなんともないお化けが出来上がったのだ。

で、思う。
この動画、再生数的にはきっと今イチだよね、って。

再生数がすべてではない。

っていうのはよく言われることで、再生数と動画の内容が必ずしも比例するわけではないのは重々承知しているのだけれども、悲しいかな、YouTubeを長年やっていると、それでもやっぱり真っ先に考えてしまうのは再生数だ。

そうして、今回のこの動画が伸びないだろうなぁ、と思うには2つ理由がある。

もちろん伸びてほしい。すっごい伸びてほしいと思ってるので、お時間のある方はぜひ見ていただけるとうれしいです☆

心の声
AI art

理由その1
ハロウィンは全世界的イベントではないから。

日本に本格的にハロウィンがやって来たのは1997年。東京ディズニーランドで「ディズニー・ハッピー・ハロウィン」の仮装イベントが行われたのがきっかけと言われている。

それよりも前、自分が子どもの頃を振り返ってみても、ハロウィンだとか仮装だとか、そんな風習はまったくもってなかった。そもそも今にいたってもなお「ハロウィン」なのか「ハロウィーン」なのかその発音さえも統一されていないような、新入りイベントなのだ(とはいえ25年はたってるけどね)。

なので、クリスマスほどメジャーな行事でないことは、恐らくは皆さんの意見の一致するところだと思う。

アメリカやヨーロッパ諸国ではとても有名なイベントだけれども、それ以外の国ではほとんど知名度がないってことは、今回のように私がYouTubeにお化けの動画を出したところで、そのほかの国の人たちにしてみれば

えっ、お化け?突然どした?

ってなるのは目に見えている。
100歩ゆずってカボチャなら何となくアートっぽく見えなくもないけれど、ただのお化けじゃアートも何もあったものじゃない。

なんだったら、てるてる坊主って言ったほうがいいくらいかもしれない。昭和の日本だったら、確実にそっちのほうが視聴者さんに刺さったことだろう。

オイオイ待てよ。
日本のYouTuberが何を偉そうに海外の反応を気にしてるんだ?

って思う人もいるかもしれないけれど、実は私のYouTubeチャンネルは海外からのアクセスが半分近くを占めていて、ちょっとした国際チャンネルになっているのだ。

しかも海外からのアクセスの中で一番多いのがインド。
ハロウィンの風習がほとんどないと言われるインド(←chatGPT情報)なので、かなりのマイナス影響があることは否めない。

AI art

理由その2
海外のハロウィンは日本みたいに可愛くない

これは私の肌感覚でのお話なので、ひょっとしたら間違っている可能性もあるけれど、YouTubeやInstagramを見る限り、アメリカやヨーロッパのハロウィンはかなりおどろおどろしい。

血の付いた目玉のゼリー。
目が三角につり上がったカボチャ。
不気味な微笑みを浮かべる骸骨に、節くれ立った指の形をしたクッキー。

どうにもこうにも気色悪いw

ハロウィン本来の意味を知っている海外の人には、気色悪いことにこそ意味があるのだろうけれど、われわれ日本人は、ともすれば「仮装をして楽しむ日」くらいの意識しかないものだから、グロいのとか、怖いのとかはできることなら見たくない。

愛嬌たっぷりのカボチャに、てるてる坊主みたいなお化け。賢そうな表情のクロネコに、妖艶な魔女。

何でもかんでもいいように解釈をし始めるものだから、本家の人たちから見ると、恐らく日本のハロウィンは物足りないのではないかと思う。「こんなのハロウィンじゃない!」って思われてたりする可能性はかなり高そうだ。

AI art

そんなわけで。
今回私が動画にあげたような「可愛いお化け」は残念ながらあまり受けが良ろしくない。

ハロウィンを知らない国の人々にとっては何のこっちゃ?のお化けだし、知ってる国の人々からすれば生ぬるいだけのハロウィンお化けだしで、どうにもこうにも分が悪い。

そんなことを頭の片隅で思いながら、今、目の前のテーブルの上に飾ってあるお化けのオーナメント見ていると、その表情が無邪気であればあるほど、なんだか申し訳ない気持ちになって来て、

数字が取れないのはあなたのせいじゃないからね。
自信を持って。
あなたは十分に素敵なんだから。

そんなことをそっとささやきかけたい衝動にかられる。

でも、きっと。
その衝動の裏側には、数字が取れない言い訳を一生懸命に探している自分もいるんだろうなぁ。

それでもやっぱり、可愛いのは「あり」だと私は思ってます。今までも、これからも……。

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