紙工作は自分で作ったほうがいいよね、って話。
まずはこの動画。
以前に投稿した折り紙のくす玉だ。可愛い見た目とは裏腹にものすごく作るのに時間がかかる。
寄せられたコメントによると1ピース作るのに10分ほどかかったそうだ。全部で64ピース必要なので、単純計算で640分必要なことになる。
この他にも、紙を必要なサイズに切りそろえる時間、作り上げた64ピースを組み立てる時間も必要だ。機械じゃないから休憩時間も考慮しないといけない。
コメント投稿者の理論でいけば、13時間くらいかかる計算だろうか。
私はと言えば……。
時間とか効率とかを考えたら紙工作なんてやっていられないので、制作時間というものをほとんど意識したことがない。だからこのくす玉にどれだけの時間がかかったか正確なところはわからないのだけれども、朧気な記憶をたどってみると、結構がんばって3日くらい かかったような気がする。
ここで考えて欲しい。
たとえばこのくす玉を作って売りたいと思ったとする。あなただっだらいくらで売るだろうか。あるいはいくらだったら買ってもいいと思うだろうか。
500円?
1000円?
行っても1500円が限界か。
紙工作を作っている人間がこんなことを言うのはいささかシャクなのだけれども、紙工作にアート的価値はほとんどない(らしい)。唯一「手作り」って部分が上乗せされて、作品を見た人たちがほっこりしたり、にっこりしたりしてくれるらしいけど、そこにお金の匂いはほとんどない。
たとえばこのくす玉は伝承作品なので、誰でも(おそらくは)自由に販売できる。某手作り販売サイトをのぞけば、くす玉以外にも様々なタイプの折り紙作品がわらわらと出てくる。
どれどれ、とばかりに画面をスクロールして、スクロールして、スクロールして……けれども出て来る作品はどこまで行っても驚くほどに安い。
そうだよね、限界は1500円だもの。
でも、考えて欲しい。
たとえばあのくす玉には13時間かかってる。時給1000円だとしたら人件費だけで1万3000円だ。そのほかに材料費(これは安いはず!)、梱包費、送料など。普通に考えたら、価格は1万5000円くらい。
でもそんな価格には絶対にできない。
だって紙だもの(涙)
販売している方たちは、たぶんこう言うのだろう。
「材料費だけもらえれば十分」
「空いてる時間に作ってるだけだから、人件費なんていらない」
「世間から必要とされてるのがうれしい!むしろ買ってもらえるだけで感謝!」
わかる、わかるよ。
私も専業主婦歴が長いから、その感覚はよくわかる。
人には人の考え方があるし、そこに需要と供給があるのなら、どんな値付けをしたっていいと思う。
紙工作の価値が暴落しているようで決していい気分ではないけれど、そこに関しては私がどうこう言う筋合いではない……。
と思っていた。
いた(過去形)。
作るのにすっごい時間のかかる私のオリジナル作品を「私が作りましたっ!」と言って売ってる人たちを最近ちらほらと見かけるようになってしまった。
二重の意味でショックだ。
一つ目はもちろん無断販売されたことに対して。
そうしてもうひとつは、そのやっすい価格。
薄々は気づいていたけれど、改めてその価格を目にするとそれなりにダメージがある。
無断販売をされて、その上精神的ダメージまで受けなければならないなんて。何という理不尽。作る人も買う人も、何でかなぁ、と思ってしまう。
紙工作を販売している方への営業妨害ととられてしまうといけないので、この辺は言葉を慎重に選ぶ必要がありそうなのだけれども、それでも基本的には紙工作は自分で作るものなんじゃないかと思っている。
特に私の作品(の模倣)にいたっては、その作り方をYouTubeであますとこなく公開しているのだから、まずは自分でやってみようよ、ってそう言いたい。
(そもそもYouTubeチャンネルの存在を知らないという可能性はここでは考えないこととする)
ありがたいことに「作品の販売はしていませんか」と問い合わせをしてくれる方もいるけれど、こちらも
「ごめんなさい。動画見て何とか頑張ってください!」
とお伝えしている。
「手作りの逸品」の名のもとに優れた作品が高価取り引きされるジャンルは数多くあるけれど、紙工作にいたってはあなたが作るからこそ価値があると思ってる。
だから、私のYouTubeチャンネルを見て、じゃんじゃん作品を作ってみて下さい(宣伝)。
皆さんの頑張りを応援してます。
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