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amazonで買える 1500円以下の肌にやさしい日焼け止め-2021年版-

紫外線の害について広く知られるようになり、対策を取る人が増えてきたことは美容の観点だけでなく、健康を守るという意味でも大変意義のあることだと思います。その一方で、正しい紫外線対策はまだまだ周知されておらず、日傘や帽子だけで対策していたり、日焼け止めを使ってはみるものの、塗っても焼けてしまうから止めてしまったり、塗ると肌がかゆくなってしまって止めざるを得なかったり、という話もよく聞きます。

日傘や帽子は赤外線対策には大変有効ですが、紫外線についてはあちこちに反射して上から下への直線的ではないものが6割を占めると言われており、十分とはいえません。また、紫外線をカットする性質の衣服やスカーフ、手袋を着用することは有効ですが、夏場に常に長袖長ズボン、手袋、スカーフを身に着けることは熱中症予防の観点から現実的でないように思います。

日焼け止めは肌に直接塗って紫外線を防止するものなので、正しく使えば確実に紫外線から肌を守れますし、素肌を出せるため体温を調節しやすく、ファッションを楽しむこともできます。

ただ、星の数ほどある日焼け止めから、良いものを選ぶのは大変難しいことです。化粧品にかぶれることがあったり、かゆくなったりすることがある人はなおさらそうでしょう。

ふだん、日焼け止めを買うときはどんな風に選んでいるでしょうか?

恐らくパッケージのデザインや雰囲気、商品についているキャッチコピーなどで目に留まり、最終的には使った感じの心地良さや、好き嫌いで決めることが多いのではないでしょうか。なかには、友人知人の話やネットの口コミを参考にすることもあるかもしれません。

それでなんの不便も不満も不安もない人は、それでいいのです。

ただ、そうやって選んで使っているものでかゆくなったり、肌荒れしたり、塗っているのに焼けてしまったり……というときは、別の視点で選ぶ必要があるのではないでしょうか。

私は常から皮膚科学の視点でスキンケアや化粧品を捉え、エステティシャンとして実践しています。化粧品は薬事法の定義上は効果を謳ってはいけないものですが、効果は謳ってはいけないものの、効果がないものではありません。使用感や口コミからだけでは分からないことを知り、生活にお役立ていただければ幸いです。



なぜノンケミカルがいいの?

肌にやさしい日焼け止めをネット等で調べると、「ノンケミカル」がいいらしいことがすぐ分かります。そもそもノンケミカルとケミカルとは何でしょうか。そして、何がどう違うのでしょうか。


肌への負担が少ないノンケミカル

日焼け止めやUVカット化粧品に含まれる紫外線を防止する成分は、大きく分けてふたつあります。それが、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤です。

紫外線収剤は肌のうえで化学変化をおこし、熱などに変えて放出することで紫外線をカットし、散乱剤は微粒子を肌のうえに敷き詰め、鏡のように反射させることで紫外線をカットします。このことから、紫外線吸収剤が主なサンスクリーン成分である日焼け止めのことをケミカル(chemical=化学薬品)、それが含まれていない製品のことをノンケミカルといいます。

紫外線吸収剤は肌のうえで化学変化を起こす過程で刺激があり、環境省発行の「紫外線環境保健マニュアル 2020」では、紫外線吸収剤について「まれにアレルギー反応をおこす人がいます」という記載がありますが、10年超のエステティシャンの現場経験としては、「まれ」というよりはもう少し頻度が高いように思いますし、アレルギー反応までいかなくとも、ケミカルタイプの日焼け止めを使用するとなんとなく肌の調子がすぐれない、という感じで肌不調を感じるケースが多いように感じます。


ノンケミカルは”焼けにくい”

紫外線防止効果の指標のひとつ、SPF値というのは、肌にやけどのような日焼け(サンバーン)を起こすまでの時間をどのくらい延長できるか、というもの。日本だけでなく世界共通の国際的な指標です。

SPF1=約20分間サンバーンを起こすまでの時間を延長できるという目安で、この数値を出すときは実際に人の背中を使い、1平方センチメートルあたり2mg製品を塗布してテストしています。これはケミカルタイプでも、ノンケミカルでも同じように行われます。

問題はこのテストで使われる1平方センチメートルあたり2mgという量。実際に試してみると分かりますが、ふつうの感覚だと有り得ないくらいの、ものすごい厚塗りなのです。つまり、表記のSPF値は想像以上の厚塗りをしてはじめて発揮される効果というわけです。

ものの調べによれば、日焼け止めの実際の使用シーンではこのテストの量の1/4くらいになっていると言われており、多くの使用者が十分な日焼け止め効果を得られていないことが推測されます。これが、「日焼け止めを塗っていたはずなのに焼けた」現象が起こる理由のひとつ。

しかもこれは、ケミカルタイプの日焼け止めの方が起こりやすいのです。

紫外線吸収剤を使った日焼け止めは、無色透明にすることが可能なため消費者のニーズに合わせ、ジェル状や液状、スプレー状と形状が使いやすく、みずみずしいものが多いです。その反面、肌に充分な量をのせにくくなっています。また、紫外線散乱剤と吸収剤は先にご紹介したとおり、「反射」と「化学変化」で紫外線を防止する仕組みが異なります。反射は、小さく薄い鏡でも必ず光を反射するように起こりやすいものですが、化学変化は十分な量の紫外線吸収剤が肌のうえにないと起こしづらい。そのため、ケミカルタイプの日焼け止めは塗っているのに焼けた、ということが起こりやすく、ノンケミカルタイプはそれが起きにくくなっています。


まとめ

ケミカルタイプの日焼け止めは、無色透明でさらっと気持ちよく使えるものが多いが、肌に負担をかけやすく、焼けやすい。それに対し、ノンケミカルは使用感では劣る面があるが、肌にやさしいうえに、紫外線防止効果が発揮されやすい。



ノンケミカルタイプの日焼け止めを選ぶときのポイントは?

肌にやさしく、実際の使用場面では紫外線防止効果を得られやすいノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)タイプの日焼け止め。選ぶときにはどんなところに注目するとよいのでしょうか。


ほどよい固さがあり、なめらかに伸びるものを選ぶ

ノンケミカルタイプの日焼け止めに使われる、酸化チタンや酸化亜鉛などの紫外線散乱剤は粉状です。その粉(微粒子)によって紫外線を反射することで肌へ紫外線が影響を及ぼすのを防いでくれます。ということは、その粉が、日焼け止め塗ったところ全体にうまく広がり、十分な量を肌のうえに乗せられる必要があります。

そのため、肌に均一に塗り広げやすい固さ、質感をしているかどうかがひとつ大事なポイントです。また、さらに細かいことをいうと、製品に使われている散乱剤の粒子が細かく、どのような環境下でも均一によく混ざった状態を維持できているかどうかも着目したいところです。粒子が細かく均一に広がりやすい組成のものは、肌への密着度が高くなり、こすれなどの物理的刺激にも強く、より確かな紫外線防止効果を得られます。


汗・皮脂・水に対するための疎水性や撥水性が十分にあるか

 また、紫外線散乱剤は「粉」なので、もともとは水や油に弱い性質があります。そのため、雨などの水、汗、皮脂などの油分で流れてしまわないように、適切な撥水性や疎水性が付与されていることも大切なポイントです。撥水剤が入っていることで表面を覆うため、物理刺激への耐性も高まります。


 1500円以下の日焼け止め160点の中から厳選してご紹介

今回ご紹介する日焼け止め3点は、amazonで「日焼け止め 1,500円以下」の検索をかけ、表示された160点※のうち、成分をネット上で確認できるものは確認し、その中からノンケミカルを洗い出し、さらにその内から成分表示上「これはいいかも」と思った製品を8つ取り寄せ、実際に手に取ってテクスチャーや密着度、どの程度のクレンジング剤で落ちるかなども確認し、特に良かったと感じた3品を選びました。

普段、ブログ等で行っている市販化粧品の考察では成分表示を見るだけで行っていますが、今回はすべて実際に手に取ってより詳細に確認、試用しています。どうぞご覧ください。

※2021年6月現在の数


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