【ゼロから】そもそも国民年金ってどんな制度?
これだけは知っておきたい、知らないと損するお金の知識シリーズ。今回は「国民年金」です。
細かいことは抜きにして、大事なポイントだけわかりやすくお伝えします。
ここを押さえておけば、「たしか、こんなことあったな」と気づいて、細かいことは調べて対処できます。
では、始めます。
●国民年金とは?
メインは老後に年金が受け取れることですよね。
原則20歳~60歳になるまで保険料を払い、65歳から一生涯、年金を受け取れます。
・保険料は月額16,980円(2024年度)
・これを40年間払うと、受け取れる年金は年81万6千円、月あたり68,000円(2024年度)
・保険料は最低10年払う必要があり、40年間に満たない分は年金も減る(半分の20年払うと、年金も半分)
●手続きは?
20歳の誕生日(大学2年生くらい)あたりに、日本年金機構(役所)から書類が届きます。
その流れに乗って手続きすればOK。
納付書が同封されているので、コンビニなどで現金で払います(ペイペイなどアプリでも可能)
口座振替やクレジットカードで払いたい場合は、同封の案内にしたがって手続きします。
●保険料の支払いが困難な場合は?
学生さんは、保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」を使う人も多いですね。
この制度を利用する場合は、届いた書類に手続き用紙が入っているので記入して返送します。
学生以外でも、収入が少ないなど保険料の支払いが困難な場合は「免除制度(全額・一部)」もあります。
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これらの制度を使うと、将来受け取れる年金額が減ります。
10年以内であれば保険料を払って、将来の年金額を増やすことができます(追納)
●保険料を払わないと?
上記の「学生納付特例制度」や「免除制度」などの申請をしないで、保険料を払わないと「保険料未納」の状態になります。
国民年金には、老後の年金だけでなく、障害年金や遺族年金の制度があるのですが、「保険料未納」の状態ではこの制度が使えなくなってしまいます。
つまり、障害状態になっても障害年金を受け取れないってことです。
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また、国民年金の保険料のうち半分は国が負担しています(税金)
「免除制度」を申請した場合、この国が負担している分を放棄することになってしまいます。
※「学生納付特例制度」の場合は、放棄することになります。年金の加入期間には入るのですが、年金額には反映されません。
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「年金なんて…」といって保険料を払わない人がいますが、
・障害年金や遺族年金といった保障がある
・保険料は半分国が負担している
・年金は一生涯受け取れる(長生きリスク軽減)
ことから、意義は大きいと思います。年金をベースに足りない分を自分で準備ということですね。
●会社員になると(厚生年金に加入すると)
例えば、大学を卒業して就職すると、会社で「厚生年金」に加入します。
(規模などにより厚生年金の制度のない会社も少ないですがあります)
こうなると、国民年金と厚生年金に両方入っていることになります(国民年金は20歳以上は全員加入なので)
保険料は会社がまとめて払ってくれるので(お給料から引かれる)、以後、自分で国民年金の保険料を払う必要はありません。
よく、国民年金をやめて厚生年金に入ったと思っている方がいるのですが違います。両方入っているってことなんですね。
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これは雑学的ですが、保険料は国民年金の分、厚生年金の分と分けて会社が払っているわけではありません。
厚生年金の分を払うと、国民年金の分も払ったことになる感じです。
そして、厚生年金全体から国民年金全体に振り分けています。
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ちなみに、18歳で高校を卒業して、会社に入った方は、20歳になっても国民年金加入の書類は届きません。
すでに会社の厚生年金に入っているからです。
●早く(遅く)国民年金を受け取りたいときは
国民年金の受け取りは65歳からですが、希望すれば早く受け取ったり(繰り上げ受給)、遅く受け取ることができます(繰り下げ受給)
早く受け取れば、年金額は減額され、遅く受け取れば、年金額は増額され、その年金額はずっと続きます。
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よく〇歳以上、長生きすれば、繰り下げた方がお得(遅く受け取る)という試算があります。
話のネタとしては面白いのですが、ここは自分でコントロールできませんよね。
60歳以降の働き方や貯金の状況などによって考えるといいと思います。
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ぼくだったら、仕事で生活費を稼げるうちは受け取らず、できるだけ年金を増やすかなと思います。
もし、80歳、90歳になって老後資金が足りなくなっても、そこから収入を得るのは難しいので。
損得勘定ではなく、長生きリスク対策ですね。
70歳、75歳まで受け取りを先延ばしして、数年しか受け取れなかったとしても「長く働けてよかったね」でいいかと。
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注意点があります。繰り上げ受給や繰り下げ受給を使うと、ほかの制度が制限される場合があります。
利用する場合は日本年金機構(手続きする役所)でよく説明を受けましょう。
ややこしく、よく変更になるので、ここでは省きます。
●年金を受け取りながら働くと(在職老齢年金)
年金を受け取りながら一定の収入があると、年金が減らされる場合があります。
収入があるんだから年金を減らしてもいいですよねという主旨かと思います。
でも、この制度のせいで(在職老齢年金といいます)、仕事をセーブする人が増えてしまいました。
今はそうならないように少しずつ制度改正が進んでいます。
●まとめ
以上、国民年金についてでした。まとめると、
・国民年金は原則20歳~60歳まで保険料を払い、65歳から受け取れる
・保険料の支払いが困難な場合は、免除制度などもある
・免除制度などの申請をしないで保険料を払わないと「未納」になってしまい、障害年金や遺族年金などの保障を該当しても受けられない。
・就職すると会社の厚生年金に加入。保険料は国民年金の分も含めて会社が払う(給与天引き)
・国民年金は早く受け取ったり(繰り上げ受給)、遅く受け取ったり(繰り下げ受給)できる。減額、増額された年金がずっと続く
・年金を受け取りながら働くと、年金が減る場合がある(在職老齢年金)。ただ、働き損にならないように制度改正が進んできた
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牛込伸幸
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