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北陸建物巡り 新潟編

建物を巡る旅、最終日は新潟を巡る。

石川県の河愛の里 Kinschuleからの出発となるので、石川も富山も見て回れるが、旅程的に詰め込み過ぎとなるので我慢し、新潟の谷村美術館へ。村野藤吾最晩年の作品だ。

アドベ(粘土)建築を模した重厚な建物。アドベ建築の中でもネイティブアメリカン、プエブロ部族のサンフランシスコ・デ・アシス教会がモチーフと言われている。

サンフランシスコ・デ・アシス教会のアドベ建築はこの記事がイメージを掴みやすい。

谷村美術館は行きたいと思いつつ、中々訪問する機会を作れずにいた美術館だ。その雄姿を写真ではなく実際に見られて嬉しい。写真でイメージは掴めていたが、その質量を感じ取るには実際に見た方が良い。

そして、実物の質量感は凄かった。外観はほぼほぼ壁のみで窓もなく、建物という概念からはかなりの距離がある。とても興味深い建築だ。

谷村美術館。とても重厚な外観

その質量感たっぷりの外観からは想像できない程、室内は明るい。天窓や採光に工夫がされているからだ。

澤田政廣の彫刻も良い。そのために作った美術館なので誂えたような空間となっている。背景の壁の造形も含め、作品として楽しめるようになっている。自然光のみで観賞する時間帯もあるので、次回はその時間帯に鑑賞したい。

敷地で繋がっている回遊式庭園 玉翠園は中根金作によるもの。足立美術館の庭園もこの人の手による。昭和の小堀遠州と呼ばれた人なので、贅沢な建物と庭のセットである。

左右から水の流れが合流する作り

庭では二か所からの水の流れが合流し池を作っており、そんな掟破りなところも面白い。

さて旅は進み、十日町市へ。お昼はまるにしにてこの地の名物、へぎそばを頂く。山菜の天ぷら付き。

海藻を練り込んだへぎそばも山菜の天ぷらも美味しい

つるつるとしたのど越しのへぎそばも、からりと揚がった季節の山菜天ぷらも、とても美味しい。

食後は十日町市博物館へ。

十日町市博物館。縄文のデザインとなっている

火炎式土器の国宝マウントが凄い(楽しい)。火焔式土器もたっぷりと満喫できて嬉しい。

十日町市の火炎式土器のみ国宝
ずらりとならぶ火焔式土器
国宝の火炎式土器。美しい

国宝室には上記の火炎式土器以外にも八つもの国宝が。国宝だらけである。縄文時代の遺跡展示はどこも楽しい。

十日町市博物館から車で5分掛からない越後妻有里山現代美術館も素晴らしかった。中でも名和晃平とレアンドロ・エルリッヒは見応えがある。

エルリッヒの「空の池」

エルリッヒの「空の池」は庭の池に描かれた絵と水に反射した風景とが、2階の一点からのみ重なり合う作品。

名和晃平の「Force」

名和晃平の「Force」は天井から黒いシリコンオイルの液体が天井から落下している。刻々と変化する、その水面を眺めるのが楽しい。

美術館外壁には福井で展覧会を観たばかりの淺井裕介の壁画も。

淺井裕介の「physis」

これにて北陸建築巡りは終わり。旅程の都合で回れないところも多かったので、また北陸へは行きたい。

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