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アクリル板のゆくえ

 職場のデスクやミーティングスペースに設置されていた、飛沫防止のアクリル板については、3月までに多くが撤去されました。
 マスクとアクリル板の二重対策は、声が前に届かなくなるため、アクリル板が取り払われたことは、職場のコミュニケーションの円滑化につながるわけですが、消耗品のマスクはともかく、アクリル板は職場の片隅に寄せておくぐらいしかなく、他に使い道もなさそうです。
 実は、僕は3年前に内務統括の管理職だったのですが、その時は緊急事態宣言で街頭から人通りが消えたような雰囲気でしたので、急ぎ飛沫防止対策を図らなければならないということで、各部門は競ってアクリル板を発注していました。
 僕は、いつ収束するかの見通しは持っていなかったものの、さすがにアクリル板はやりすぎて、いずれ無用の長物になるだろうと考え、竹ひごをスポンジに挿してテープで補強し、透明なシュレッダー用のビニール袋で遮蔽する、安上がりな対策を提案し、皆で作業して、最低限の対策を作り上げました。
 見た目はみすぼらしかったものの、アクリル板と比べても効果に遜色なく、今にして思えば、一時のブームに流されず、適切な対応をできたなと、職場で役目を終えて、片隅に追いやられたアクリル板の境遇に同情しつつ、これからも流されずに、先を見据えて判断していきたいとものだと、ひとり心の中で頷いていました。
 
 
 


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