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社内の知見共有を大っぴらにやることの難しさ

  最近、職場のほうで、社内イントラネットの電子会議室機能を活性化させようということで、新たに情報共有の場を設けることになったようです。

 具体的には、メールなどをつかってやりとりしている同窓会や同期会の活動の場として、あるいは社内の運動サークルの勧誘や活動日を共有する場として使用する、そんな感じを目指しているみたいです。

 加えて、社内で公募して希望の部署に移るという、社内公募制度のお試し版として、希望の部署での業務経験を、現在の職場に居ながらにしてできるような仕組みも取り入れるようです。

 エッセンシャルなところも多い当社においては、少なくとも生産性の上がるようなかたちでの、テレワークなどの新たな働き方が、あんまり進んでいませんが、まずはウェルビーイング的な視点から、何かできないかということで、仕掛けを作ったようです。

 電子会議室は、今でもいくつか立ち上がっています。業務のお助けコーナーとか、経理処理の相談箱といったものですが、たまーに覗いてみると、こうした電子会議室は廃れ、荒れたところに、匿名をいいことに不平不満をぶちまけている社員が一人で気を吐いていたりしています。

 最近、うちに入った人がうかつに覗きに行くと、組織に対する不信感しか感じられないでしょうから、見るなとまではいませんが、あの雰囲気が改善されない限り、勝手にやらせておけばよく、変に注目を集めるような、余計なことしなくていいんじゃないの、という思いはあります。

 交流や知の共有の空間については、基本的にはインナーサークルで行われるこそ価値があり、せいぜいこうした電子会議室なら、友だちの友だちでないと参加できないような仕組みにしないと、会議室を立てる方も怖いですし、参加する方も、どんな色になっていくのか不安で、まずは様子見ということになるような気がします。

 大学の同窓会などの例示もありましたが、衆人環視のもとでメンバー広げるというのも、有力大学の場合は学閥を誇示するようなかたちになり要らぬ反発を招き、個人情報が洩れることにもなって、すでにネットワークを持っているところが、わざわざ表に出ていくことはないような気がします。

 社内公募は、もともと、志願する社員と受け入れ側のミスマッチが大きく、活用が下火になっているので、今回、ライト感覚ではじめようということになったのでしょうが、これはこれで、受け手に負荷がかかるのと、送り出し先の部門も戦力低下になるので、本当にどこまで機能するのかなと思ってしまいます。

 まあ、否定から入ると何もできなくなりますので、まずはやってみるところから、というチャレンジ精神は良いのですが、匿名可は不満の吹き溜まりの閉鎖空間に、それこそ友だちとして次々呼び入れて、
外には非公開のワールドにして、あとのところは、運営の自主性に任せて、基本、友だち認定された人だけの場所にして、そこでサロンのような感じで使っていくようなやり方が、良いような気がします。

 情報交換するにせよ、サロンは最低限の嗜みと知見、人間的なつながりを持った、なんとなく顔がみえる場にすることで、心理的安全性の担保と、実効的な意見交換ができる場にできれば、少し使われるかもしれません。

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