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完全食生活一色の話を聞いて

 昨日ネットニュースで見ていたら、30代の男性が6年間、1日2回の完全食で生活しており、健康診断もCの項目が一つあるだけだという記事が載っていました。

 この完全食は、粉末を溶かして飲むようなもので、本人曰く、それでもおなかにはたまるので空腹感を抱えることはないようです。

 また、準備も含めた食事に費やす時間を最小化することで、学びに時間をかけることができるようになっているとそうです。

 たしかに、食事を準備から片付けまで行うと、朝でも30分近くかかります。僕は完全食のようなもので済ますことはありませんが、コンビニで買ってきたパンとおにぎりなどで手早く済ませれば、普段の半分以下の時間で終えられるので、浮いた時間を自分のために使うことができるため、「朝はこれでもいいかもな」と思うことがあります。

 ただ、朝はごはんに納豆、自家製の浅漬け、黒酢もずく、ヨーグルトなどをひと揃えして、スマホで日経新聞でもみながら、日本茶をたっぷり飲む、そんな朝食が定着しており、ここがショートカットされるのは、朝の楽しみが無くなってしまう気がします。

 土日も、僕が作ると、スーパーへの買い出し、おかずを3品程度用意して、ご飯を炊いて、それぞれを盛り付けるとなると、40分ぐらいは平気でかかります。食べるのは一瞬で、洗い物が多く、正直、ワンプレートでパスタにレトルトのソースをかけて食べるほうが、時間の節約にはなります。

 一方で、時間のない中でも、スーパーで食材を選ぶことは、食材の値段の相場観がわかります。フルーツなら少しずつ旬から離れているから値上がりしてきているなとか、野菜なら天候の影響や水害などで一時的に急騰しており、今週は別な野菜を使おうとか、魚は仕入れの状況でいろんな魚が入ってきて、値段もその時まちまちなので、値ごろな魚を買い求めて、食材にあわせて調理をすることが多いです。

 このへん、別に人との話題にするまでもないことですが、自分の体をつくる食べ物の値段を知ることは、生活の土台として直感的に大事なことのように思います。

 食べ物の日々の値段に対する相場観が分からなくなると、他人が持っている生活実感のようなものが、自分の中にはないことで、感性のひだが少なくなり、食事時間を節約する分、学びに時間をかけていたとしても、世の中の動きに対するリアクションは、逆に鈍くなるようにも思います。

 あと、生きるために最低限必要な栄養素とその量というものはあり、そこが基本的にクリアされていれば、生きていくことはできる、これはそうなのでしょうが、完全に必要なものだけのある食の閉鎖世界に住み続けることは、自分の体が知らずに求めている「何か」を結果的にシャットダウンすることになり、長期的には体調によくない影響を及ぼすのではないかと考えてしまいます。

 もちろん、食へのこだわり方は人それぞれであり、他人に強要したり迷惑をかけないのであれば、どうこう言われる筋合いはない、これはまったくその通りでしょうから、今のところお元気そうなので、あくまで個人の所感ではあります。


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