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中西理のアイドル論考

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演劇ダンスなどを批評してきた中西理がアイドルについて考えてきたこと、ライブ参戦のレポートなどを掲載します。
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#楽曲

有安杏果の本格的再始動見せたライブ 楽器演奏と一体感、楽曲を立体的に展開 有安杏果 弾き語りツアー "A Little Harmony Live”@東京・ヒューリックホール

 ソロとしての再始動を図ろうと歩み出したところでコロナ禍により3年ほどの停滞を余儀なくされた有安杏果。このライブでの後半では夏のツアーに続いて、全国10カ所以上での本格的な弾き語りツアーを展開し、バンドによるライブも会場やバンドメンバーのスケジュールの調整などをすでに開始していることを明らかにし、ソロアーティストとしての有安が本格的に再始動したことを見せてくれるライブとなった。  2021年9月に開催した弾き語りソロライブの名古屋公演と比較するとその時にパフォーマンスを披露し

【連載第2回】『ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにAMEFURASSHI『Coffee』について聴く(2)

「『ももクロを聴け!ver.3』の堀埜浩二さんにAMEFURASSHIの音楽について聴いてみることにした」*1の第二弾。今回は『Coffee』について聴いてみることにしました。収録されたリード曲「Blow Your Mind」がこれまでの最速で25万再生を達成するなど注目のミニアルバムだが、前回のアルバム『Drop』に続き、現在のAMEFURASSHIの音楽性や戦略がますますはっきりしてきたようなところがある。 (ZOOMにて5月24日収録) 堀埜浩二(以下堀埜) 前回のアル

AMEFURASSHI「FALL IN LOVE TOUR 2022」追加公演@代官山 UNIT

AMEFURASSHIツアー追加公演の代官山UNIT第2部に出掛けた。ツアー初日以来の参戦だが、初日にあった緊張が解けて、かといってツアー先の大阪、名古屋のようにぶっちゃけるということもなく、パフォーマンスの完成度の高さを見せつけるようなライブとなった。 K-POP系列のアルバム曲が中心だった前回の「Drop」ツアーから一転し、ロック系の従来曲、ダンスミュージックの色合いの強い最近の楽曲と同じ「アゲ」曲でも系統の違う楽曲を変幻自在に組み合わせ、ダンス&ボーカルグループとしての

【連載第3回】『ももクロを聴け!』の堀埜浩二さんにばってん少女隊『九祭』について聴く(3)

ばってん少女隊はダンスミュージックでありながら和のテイストも感じさせるような所属するスターダストプラネットのグループの中でもこれまでにないユニークかつ魅力的な楽曲がそろっており、個人的にも注目してきました。今回そうした楽曲を収録した新アルバム「九祭」が発売になった機会をとらえアイドル楽曲に造詣の深い「『ももクロを聴け!』*1の著者、堀埜浩二さんに話を聞いてみることにしました。 (ZOOMインタビュー発売以前の17日夜に収録。聞き手は中西理) 中西 次に個別の楽曲についてお聞き

AMEFURASSHI、アメフラ、3B 新旧楽曲を融合したライブ 「AMEFURASSHI FALL IN LOVE TOUR 2022」(2部)@KANDA SQUARE HALL

「AMEFURASSHI FALL IN LOVE TOUR 2022」初日の第二部を見た。前回のツアーが新アルバムを引っ提げてのアルバムツアーであったため、まだ節目となるライブでは未発表であった新曲「グラデーション」の披露はあるだろうと予想されたが、どんな方向性のライブになるのだろうということが予想しにくかったのだが、なんと「グラデーション」以外の新曲「Love is Love」も初披露され、さらに3Bjunior(3B)時代の楽曲やアメフラっシ時代の楽曲のアレンジや振付を

【連載第1回】「ももクロを聴け!」の堀埜浩二さんにAMEFURASSHI「Drop」について聴く(1)

AMEFURASSHIがどのような音楽的特徴を持つグループなのかについてはこれまでも私なりに考察を進めてきた*1*2が、普段演劇やダンスパフォーマンスについての文章を各種媒体に執筆してきた身としてパフォーマンスについては専門家という自負はあるが、音楽についてはどちらかというと門外漢。一度専門家の意見を聞いてみたいとかねがね考えていた。そこで今回「ももクロを聴け!ver.3」を出版したばかりの堀埜浩二さんにAMEFURASSHIの音楽について聴いてみることにした。 (ZOOMに