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中西理のアイドル論考

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演劇ダンスなどを批評してきた中西理がアイドルについて考えてきたこと、ライブ参戦のレポートなどを掲載します。
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#舞台

ももクロ後輩らが演じる宝塚歌劇「ベルサイユのばら」のパロディ クラポの三田美吹が歌に演技に圧倒的存在感 東京やかんランド vol.3「鶯谷のばら」@東京キネマ倶楽部

東京やかんランド vol.3「鶯谷のばら」@東京キネマ倶楽部を観劇。vol.1、vol.2はライブ+寸劇というイベント企画という色彩が強かった。それでも滅多に聴けないスタプラ以外のアイドル曲を聴けるなどライブイベントとしての魅力度は高かったが、今回は宝塚の「ベルサイユのばら」のパロディの体裁を取りながら、キャストに宝塚出身の彩羽真矢を迎え、彼女に男役の所作の指導や宝塚式のメイク法など全面的に協力をしてもらう*1ことで、本格的なミュージカルといってもおかしくないクオリティーの舞

主演の二人が好演ももクロ主演映画・舞台から8年 日向坂46版で蘇った平田オリザ「幕が上がる」  舞台「幕が上がる」(日向坂46主演版)@サンシャイン劇場

「幕が上がる」*1はももクロ主演で2015年に映画化、舞台化された。その時から数えると8年が経過している。今回の舞台は平田オリザの小説を原作とはしているものの、脚本・演出は久保田唱。本広克行、平田オリザが企画したものとは直接の関係はない。それゆえ、もし原作のイメージを崩されていたら嫌だなということがあって、見に行くかどうか迷ったけれど、日向坂46は以前(けやき坂時代)に平田オリザの劇団に所属していた柴幸男の「あゆみ」を上演したことがあり、映像しか見ることができなかったものこれ

舞台女優に向いてるのは玉井詩織 平田オリザの断言に改めて納得 新橋演舞場シリーズ東京喜劇 熱海五郎一座「幕末ドラゴン~クセ強オンナと時をかけない男たち~」@新橋演舞場

 もうかなり以前のこととなるわけだが、ももクロが主演した「幕が上がる」の映画、舞台の時に原作者である平田オリザがももクロ5人を評して、「舞台に一番向いているのは玉井(詩織)さんだ」とコメントしたことがあった。その時は役柄に入り込むときに稀有の才能を発揮していた中西さんを演じた有安杏果の演技*1を愛していた私はその言葉に対して「そうかな」とピンと来ていない部分もあったのだが、新橋演舞場シリーズ東京喜劇 熱海五郎一座「幕末ドラゴン~クセ強オンナと時をかけない男たち~」@新橋演舞場

舞台「幕が上がる」2回目@ZEPPブルーシアター六本木

 舞台「幕が上がる」が映画「幕が上がる」と大きく異なるのは原作小説「幕が上がる」の作者、平田オリザが自ら脚本を担当したことである。映画版の監督である本広克行が舞台の演出も担当したとはいえ、脚本を喜安浩平(ブルドッキングヘッドロック)が担当し、さらにそれに監督、本広が手を加えた映画には「平田オリザの作品」とは受け取り難いところもある。  それに比べると演出までは手掛けないとはいえ、舞台「幕が上がる」は同時多発の会話など平田戯曲の現代口語演劇のスタイルがほぼそのまま反映されている

愛来(アメフラっシ)が難役を好演。舞台『さよならの幕明け』(松森モヘー作演出)@中野テアトルBONBON

昨年(2020年)9月にオンライン朗読劇として一度だけ、上演され配信された作品を改作して舞台劇として上演。表題も「さよならの幕開け」から「さよならの幕明け」に変更された。 アメフラっシの愛来が出演したのが、観劇のきっかけにはなったが、贔屓のアイドルないし女優が出るものならなんでもいいということにはならなくて、特にアイドルについては経験が積みたい初舞台はともかく、演出家、脚本や座組などを考慮して出演すべきだと考えている。それでファンには嫌われるが作品が良くなければ厳し目の感想を